2024年には韓国の画家パク・ソボ氏とLouis Vuitton(ルイヴィトン)のメンズ・クリエイティブディレクターであるファレル・ウィリアムス氏との交流から「LV× Park Seo-Bo」コレクションが登場しました。パク・ソボ氏の≪エクリチュール≫シリーズからダイレクトに着想を得た縦長のエピ・XLレザーで構成されたサックプラは鮮やかなネオングリーンで、存在を主張するその様はもはやアート作品と言っても過言ではないでしょう。さて、ここまで多種多少な新型のサックプラをご紹介してきましたが、ご存知の通り今回ご依頼のあったLouis Vuitton(ルイヴィトン)のサックプラは旧型の物です。大切に使われてきた証拠に、モノグラム・キャンバスやライニングに使用感はあれど大きな傷や劣化は見られませんでした。当初のサックプラが発表された1968年は、Louis Vuitton(ルイヴィトン)がパリ万国博覧会で銅メダルを獲得した翌年にあたります。お預かりしたサックプラがどの年代に製作されたものなのか正確なことはわかりかねますが、マイナーチェンジを重ねながらも受け継がれてきた形が現在も現役で愛用されていると考えると、ロマンを感じずにはいられません。
2025/06/07
ルイヴィトン修理リペア
LOUISVUITTONハンドル修理
こんにちはREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)です。今回ご紹介するのはLouis Vuitton(ルイヴィトン)サックプラ(モノグラム)のハンドル交換と根革交換です。Louis Vuitton(ルイヴィトン)のサックプラは1968年に発表されたトートバッグです。縦長の本体に短いハンドルが付いた非常にシンプルなデザインが特徴的です。写真にあるサックプラは内側に起毛素材が使われており、内ポケットはペンなどを入れる小さなものだけです。シンプルだからこそ使い勝手の良さが如実に表れますね。書類やPCも容易に収めるコンパートメントはビジネスシーンでの活躍が見られそうです。しかし、サックプラは2020年に一度廃盤になっています。その後サイズやデザインを変えて展開されることとなりますが、写真にあるサックプラはもう入手困難になっています。旧型が廃盤になった跡、新型として登場したのがプティット・サックプラです。プティットというネーミングの通り、従来のサックプラが幅36cm×縦38cm×マチ9cmであるのに対しプティット・サックプラは幅14cm×高さ17cm×マチ5cmという非常にミニマムなサイズ感です。さらに取り外し可能なショルダーストラップが付属したことで、今までの少し格式張ったような印象から日常のファッションへ取り入れやすいカジュアルなアクセサリーとして、その印象をガラッと変化させました。その後、プティットより少し大きなサイズのサックプラBB、開口部にファスナーが付いたサックプラ・クロス、シリーズとして一番大きなサックプラ24H、そして旧型のサックプラと同サイズのサックプラが登場しています。特にサックプラ24Hは幅41cm×高さ33cm×マチ14cmで、高さよりも横幅が大きい仕様になっています。長さの異なる2種類のハンドルに、収納力抜群なメインコンパートメント、内側には4つのポケットがあり、その内1つはファスナー付きのため貴重品を入れておくのにぴったりです。サックプラの展開はサイズだけでなく、ラインも豊富です。アイコンであるモノグラム・キャンバス、アンプラントやエクリプスも取り入れられています。近年登場したモノグラム・ヘリテージ では鮮やかなオレンジ色のキャンバスに犬の肉球をあしらったチャームがついており、遊び心を忘れない楽しさが伺えます。
修理リペアの実例概要
さて、今回REPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)がご依頼を承ったのはLouis Vuitton(ルイヴィトン)のサックプラ(モノグラム)のハンドル交換と根革交換です。写真にもありますが、片方のハンドルは根本が劣化して千切れてしまっています。ハンドル本体も根革も革そのものの劣化が伺えますね。ヌメ革は動物から得られた皮から毛を取り除き植物由来のタンニンを使用して鞣した無加工の革のことを指します。革は鞣しの工程を経て耐久性を得るのです。とはいえ、どんなものにも劣化はおこります。ヌメ革も劣化は避けられませんが、適切なお手入れをすることで劣化を遅らせることは可能です。使用した日はブラッシングをして、2・3カ月に一度革専用のオイルクリームを塗りこむだけでもかなり効果があります。使用とお手入れを繰り返したヌメ革は次第に綺麗な飴色になっていきます。これはLouis Vuitton(ルイヴィトン)の公式ホームページ内にも記載されており、ヌメ革ユーザーたちはこのエイジングを楽しみの一つとしている方も多いはずです。
さて、そんなヌメ革の根革とハンドルですが、交換する場合はもちろん現在ついているものを取り外さなくてはなりません。交換箇所を全て取り外した後は、革を基に型紙を作成します。その型紙から新しい革を切り出して断面を整え、バッグに取り付けていくのです。取り付ける際にはできる限り元々付いていた金具を使用いたしますが、中には一度取り外してしまうと再利用ができなくなるものもございます。今回のサックプラでいうと、根革についているカシメと呼ばれる丸い金具がそれにあたります。Louis Vuitton(ルイヴィトン)の製品に使用されているカシメには必ずブランドの刻印が入っています。カシメが付いているパーツを交換するとどうしても刻印の無いシンプルなものへ交換しなくてはなりません。これについては、お見積書兼ご請求書をお送りする際に明記しておりますため、予めご了承いただくようになります。稀にどうしてもブランドのロゴや文字を残したいというお客様もいらっしゃいますが、そのような場合は一般の修理業者ではなくブランドへお持ち込みされることをお勧めしております。
こちらの画像が修理後の様子です。ハンドルと根革がそれぞれ新しい革になっています。色ムラもなく綺麗な状態ですね。カシメは先ほどご説明いたしました通り無地のシンプルなものを代用しております。Louis Vuitton(ルイヴィトン)のモノグラムやダミエのバッグが古くなったように見える一番の要素として革の劣化、またはエイジングが挙げられます。モノグラム柄の生地(トアル地)は年月を経ても著しい変化はほとんど見られません。そのため革部分を新しくするだけでも蘇ったかのように見違えることもあるのです。もしお使いのLouis Vuitton(ルイヴィトン)バッグで「なんだか古くなっちゃったな」「ハンドル周りの劣化が気になるな」などお悩みがございましたら、諦める前に一度ご相談してみてはいかがでしょうか。REPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)ではご注文の前に無料でご相談いただける事前相談サービス「無料カウンセリング」をご用意しております。弊社ホームページ内の専用フォームよりご相談内容と修理を検討されているバッグやお財布、靴などのお写真をお送りいただくことが可能です。お写真での判断にはなってしまいますが、お悩みの場合はぜひご活用くださいませ。