2026/09/28

その他修理リペア

MARNIハンドル(持ち手)交換

こんにちは。高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店のREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)です。
今回ご紹介するのは、マルニ(MARNI)のハンドバッグのハンドル(持ち手)交換です。マルニは1994年、イタリアのミラノでコンスエロ・カスティリオーニによって設立されたラグジュアリーブランドです。彼女の夫であるジャンニ・カスティリオーニが社長を務めていた著名な毛皮メゾン「Ciwi Furs(チウィ・ファーズ)」のファミリービジネスの一環として、毛皮や革製品の魅力をより若々しくモダンに表現するコレクションからブランドの歩みは始まりました。毛皮というラグジュアリーな素材を日常使いしやすいデザインへと昇華させたラインナップは瞬く間に世界的な評判を呼び、次第にバッグやシューズ、アクセサリー、ウエア全般へとコレクションの枠組みを広げていきました。
マルニの最大の特徴は、独自のカラーパレット、独創的なプリント柄、そして異素材を組み合わせたアーティスティックなデザインにあります。創業者でありデザイナーを務めたコンスエロ・カスティリオーニは、伝統的なエレガンスの概念にとらわれず、プレイフルでありながら洗練された知的でグラフィカルな世界観を確立しました。2016年にコンスエロが退任した後は、プラダなどでキャリアを重ねたフランチェスコ・リッソが新たなクリエイティブ・ディレクターに就任します。フランチェスコ・リッソは、マルニが培ってきたアーティスティックな感性を敬意をもって受け継ぎつつ、さらに自由で大胆なアプローチや現代的な感性をプラスし、クラフトマンシップとモードを融合させたコレクションを展開しています。そんなマルニのコレクションの中でも、バッグのラインナップは世界中で高い人気を誇っています。アコーディオンのような立体的な構造が印象的なアイコンバッグ「トランク(Trunk)」をはじめ、上質なレザーの質感と洗練されたカラーブロックが映える「Museo」、さらに軽やかな使い心地と鮮やかな発色で日常を彩る「ストライプバッグ」や「ハンモックバッグ」、耐久性に優れた「PVCトートバッグ」など、素材や用途に合わせて実に多彩な名品が揃っています。上質なレザーを用いたシックなバッグから遊び心あふれるカジュアルなバッグまで、多様なライフスタイルに寄り添うアイテム展開もマルニの大きな魅力と言えます。

修理リペアの実例概要

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今回お預かりしたのは、マルニのバッグコレクションの中でも高い人気を誇る代表的なモデル「ミュゼオ(MUSEO)」のハンドバッグです。モデル名である「MUSEO」とは、イタリア語で「美術館」や「博物館」を意味します。その名の通り、まるでアートギャラリーに飾られた作品のように計算し尽くされた美しさと、建築的な造形美を感じさせるデザインが魅力のラインです。無駄を極限まで削ぎ落としたスタイリッシュな縦型スクエアフォルムが特徴的で、書類やノートPCなどもスマートに収納できる実用性の高さを備えています。素材には美しく上品な光沢を放つ上質なカーフスキンレザーが使用されており、深みのあるブラックの色合いがシックで知的な印象を与えます。フロント上部にあしらわれた控えめなゴールドの「MARNI」ロゴ刻印が、シンプルなデザインの中でさりげない高級感を演出するアクセントとなっています。また、肩掛けも可能な絶妙な長さのダブルハンドルが採用されており、持ち手部分も本体同様の上質なレザーで仕立てられています。すっきりとしたシルエットでありながら収納力と耐久性に優れ、日常のさまざまなスタイリングをスマートに格上げしてくれる名品です。

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今回ご相談いただいたお品物は、バッグのハンドル(持ち手)部分に著しい剥がれと変形が発生している状態でした。トートバッグのハンドルは、手に持ったり肩に掛けたりする際に常に荷重や摩擦、手汗などの水分・油脂分が加わるため、長年のご使用に伴って傷みやすいパーツであり、当店でも非常に多くご相談をいただく症状の一つです。お写真からもお分かりいただける通り、革の断面(コバ)が剥がれて層が分離してしまっており、それに伴って荷重がかかる部分の革が伸びて大きく変形してしまっていました。革自体の伸びや著しい形状の変形が生じてしまっている場合、革の断面のコーティング(断面の縁塗り補修)や部分的な接着直しだけでは元のまっすぐで美しい状態に戻すことができません。仮に断面の縁塗りだけを施したとしても、土台となるレザー自体が伸びて変形しているため、十分な強度を保つことができずすぐに再発してしまう恐れがあります。そのため今回は、安心して長く使える耐久性をしっかりと取り戻すために、傷んだハンドルを一度取り外し、新しいレザーでハンドルそのものを一から作成して交換する修理方法が最も確実で最適なアプローチとなります。

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今回のハンドル交換作業において重要となるのが、本体のレザーや元々の持ち手の質感に馴染む「革素材の選定」、そして新調したハンドルを本体へしっかりと確実に取り付けることです。こちらのマルニ「ミュゼオ」には、きめ細やかで非常に柔らかい質感を持つ高級なカーフスキン(生後6ヶ月以内の子牛の革)が使用されていました。オリジナルとまったく同じレザーを調達することは難しいため、職人が多種多様なレザーの中から、元々のハンドルの厚みやしなやかな手触り、独特の上質な光沢感にできる限り近い革を選定いたしました。ハンドルを作成する際は、元の長さや幅、革の厚みを計測し、手触りや使い勝手を損なわないよう厚みを絶妙に調整した上で丁寧に切り出していきます。そして、元の縫い目やピッチに合わせながら縫い付けて固定していきます。また革の断面(コバ)に専用のコバ剤を下地からしっかりと塗り込み、滑らかで美しい塗膜を形成して仕上げていきます。この断面の縁塗りコーティングを丁寧に施すことで、見た目の美しさと質感を高めるだけでなく、水分の侵入や革の剥がれを防ぎ、より長く安心してご愛用いただける高い耐久性を与えていきます。

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すべてのハンドル交換作業および断面のコーティング工程が完了した、マルニのハンドバッグの姿がこちらです。傷みや変形が目立っていた持ち手部分が新しく生まれ変わり、ミュゼオが持つミニマルで洗練されたシルエットと美しい立ち姿が見事に復活いたしました。厳選した質感の近いレザーを使用し、断面(コバ)まで丁寧に美しく仕上げたことで、本体のシックなブラックレザーとも自然に馴染み、違和感のない上質な仕上がりとなっております。新調されたハンドルは十分な強度と耐久性を備えており、肩掛けや手持ちの際にも安心感のある快適な使い心地を実感していただけます。これからも日常のさまざまなシーンで、気持ちよく末永くご愛用いただける状態へと整いました。 バッグのハンドルは、お使いいただく中で傷みや変形が生じやすいパーツです。そのため修理のご依頼前に気になる点やご不安も多いことと思います。当店では、ご注文前にお品物の状態やお客様のご要望に合わせたプランをご提案できるよう、無料カウンセリングを実施しております。お持ちのアイテムで気になる事がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。スタッフ一同お待ちしております。