2024/08/22

その他修理リペア

革交換修理

今回、REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでお預かりしたお品物はこちらの黒のバックです。高級ブランドの修理で多くのご依頼をいただくREPAIR-SHOP HIRAISHIYAですが、特に革製品の修理やリペアを得意とする弊社では革の交換修理や補色修理など様々な修理内容のご相談をいただきます。今回お預かりした巾着型のバッグは”GUCCI(グッチ)”や”Valentino(ヴァレンティノ)”からも同じような巾着バッグがいくつも出ており、現在流行のファッションアイコンです。巾着と聞くと浴衣の時に使うだとか、小さな頃にコップを入れていたような巾着袋を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、そもそもポーチのような役割を持っている「巾着袋」に対して、「巾着バッグ」は巾着袋をバッグのデザインに落とし込んでいるものです。「巾着バッグ」はバッグとして機能するほか、ファッションアイテムとして取り入れても違和感のないようにデザインされています。では巾着バッグがおしゃれに見えるのはなぜか。これは人によって見方が変わるところですが、コロンとした丸いフォルムが可愛いと多くの支持を得ています。また、真ん丸ではなくとも角が取れたフォルムと、くしゅっとできるデザインやシルエットがかっちりしすぎないのもポイントで程よいこなれ感が漂うことで、素敵な印象を感じさせます。巾着バッグは機能性も充実しているそう。開口部がガバッと開くため物を出し入れしやすくて、くしゅっと絞るだけで閉めることができるのでストレスフリーです。さらにデザインの幅が広く、素材だけでもレザー・スウェード・ファー・布地・かご素材など多種多様の上シルエットもさまざまで、ラフにくしゅっと持てるタイプから、自立できるしっかりめの素材を使ったものまで色々な巾着バックがあります。今回ご依頼いただいたこちらの「巾着バック」は編み目と合皮の切り替えしデザインで凝った印象のあるバックです。今回はこちらの革部分の修理とクリーニングでご依頼を頂きました。革部分は合成皮革となっており、所々に劣化が見られました。後ほど詳しくご説明させて頂きますが、合成皮革から本革への交換修理を行いました。今回の一番の醍醐味としては、紐の先に付けられたタッセルも交換修理をご希望でしたので違和感のないように再現することも出来ました。では、早速ご依頼のお品物を見ていきましょう。

修理リペアの実例概要

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こちらの巾着バックが今回REPAIRSHOPHIRAISHIYAへご依頼のあったお品物です。ご依頼の内容としてはバック全体のクリーニングと革部分の交換修理を頂きました。ぱっと見た感じでは劣化が分かりにくいですが、よく見ると合成皮革の部分の表面がめくれあがっていたり、剥がれてしまっている状態でした。編まれている本体部分はあまり劣化は見られませんでしたので合成皮革部分の交換修理とクリーニングでお見積りを出させていただきました。REPAIRSHOPHIRAISHIYAでは無料カウンセリングで修理、リペアなど革に関するお困りごとをご相談をすることが可能です。実際の修理内容や修理代金につきましてはお品物を実際に見た上でのご提案となりますが、修理に出すか迷っている場合やどのような修理内容になるかなど気になる場合には無料カウンセリングがおすすめです。ご依頼を頂いたこちらのバックは紐の先にタッセルが付いておりました。このタッセル部分についてもREPAIRSHOPHIRAISHIYAにて交換修理が可能です。今回は既存品のものに近づけて作成することが出来ました。仕上がりについては4枚目を参考にしていただければ幸いです。

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こちらが劣化してしまっている持ち手部分のお写真です。丸く印が付いている部分を見て頂くと剝がれてきてしまっているのが分かります。この部分は持ち手のためどうしても負担がかかりやすくこのように劣化してしまう部分となります。もし、表面だけが剥がれているからといって表面のコーティングをやり直してもまたボロボロになってしまうでしょう。今回はお客様のご希望もあり合成皮革の持ち手から本革への交換修理を行なうことになりました。今回以外でこのような場合に元の合成皮革から合成皮革へと修理を出来ないのかと聞かれることもあるのですがREPAIRSHOPHIRAISHIYAでは元が合成皮革でも交換修理は本革のみで行なわせていただいております。革の修理専門店であるということもあるのですが、それ以外にも理由があって合成皮革よりも本革の方が手入れ次第では長持ちするということがあります。合成皮革で修理してしまうと結局は同じように劣化してしまいご相談を頂いた時の同じ状態へなってしまっては元も子もないと私たちは思うのでREPAIRSHOPHIRAISHIYAではしっかり処理がされた高品質の本革にて修理をさせて頂いております。

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合成皮革から本革へ交換修理が完了しました。合成皮革とは、布の上に合成樹脂を塗り、革の風合いを出したものです。正直にいって合成皮革と本革の違いは素人の方であれば、ほぼ分からない程の風合いです。革修復師でさえも現代の技術には驚かされます。また人工皮革という単語も聞いたことがあるのではないでしょうか。合成皮革と人工皮革の違いは裏基布にあります。合成皮革は裏基布に織・編布が使用されていますが、人工皮革は裏基布に樹脂を絡ませた三次元極細不織布を使用しています。合成皮革は、水や湿気に弱く、水分を含むとボロボロ剥がれ劣化が急激に進みます。合成皮革・人工皮革は空気中の水分と結合して徐々に経年劣化していきます。その寿命は製造から3年程度と言われています。今回のお品物も裏基布から表面の樹脂がボロボロと剥がれてしまっていることが分かりますね。寿命は3年程度とご説明しましたが、気を付けなければならないのは”製造より3年程度”という所です。購入したときには製造から何か月も経っていたということはざらにあるかと思います。ましてやワゴンセールなどで購入したバックに至ってはすぐに合成皮革の剥がれが起きてもおかしくはないということです。

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こちらの左側のお写真は交換修理を行なう前のタッセル部分のお写真です。合成皮革が加水分解によりボロボロになっていることが分かりますね。加水分解(かすいぶんかい)とは、化合物が水と反応して起こる分解反応です。簡単にいうと湿気が多いところで保管すれば分解反応が起きてボロボロになったり、表面がベタベタするようになります。素材の特性から、加水分解を避けることはできませんが、湿気のあるようなところで保管しないようにするなどお手入れや保管方法により、劣化を遅らせることはできます。今回本革で修理した最大の理由は「丈夫さ」にあります。REPAIRSHOPHIRAISHIYAでは全て本革での修理を行ないますので、修理後は合成皮革よりも断然に長持ちさせることが出来ます。 一般的には寿命が約5〜10年と言われていますが、丁寧に使うことで10年以上も持つことがあるのです。せっかく修理代金を支払って修理したのに3年程度でまたボロボロになってしまっては残念ですよね。REPAIRSHOPHIRAISHIYAでは修理後の先までを考えた修理内容をご提案いたします。革の事でお困りでしたらお気軽にご相談ください。スタッフ一同お待ちしております。

その他他実例