2024/10/23

ルイヴィトン修理リペア

LOUIS VUITTON補色修理

こんにちは。今回高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)にご依頼のあったお品物は「LOUIS VUITTON (ルイヴィトン) ポルトトレゾール・インターナショナル」の三つ折り長財布です。こちらの長財布は長年愛用されてきたということで折り目部分のトアル地が剥離しており内側も色が褪せてきてしまっておりました。お客様のご希望により”トアル地”の補修と内側部分の”補色修理”を行なう事になりました。ポルトトレゾール・インターナショナルは、ルイヴィトンの長財布の中でも珍しい、3つ折りタイプのお財布です。スナップボタン開閉式で使い勝手もよく、開いた中央部分には、ペンホルダーを装備しており、当時高い人気を集めたお財布となっています。今回紹介させて頂く、ラインはモノグラムラインですが、その人気から複数のラインで展開されています。また、新型、旧型タイプがあり、旧型のポルトトレゾール・インターナショナルはカードポケットが6個に対して新型のポルトトレゾール・インターナショナルはカードポケットが8個とデザインは変わらず、収納力が増えています。今回お預かりしたルイ・ヴィトン財布はカードポケットが6個ですから、旧型のポルトトレゾール・インターナショナルということになります。どちらにしても既に廃番となっているこちらの3つ折り財布は公式では手に入りませんので中古市場で探すしかありません。愛着のあるルイ・ヴィトンは長く使いたいというお客様のお気持ちに寄り添うべくREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)では数多くの修理内容をご用意しております。弊社の長年の経歴を持つ革修復師が一点ずつ目で見てカルテを作成し、一番ベストな修理内容をご提案いたします。ルイ・ヴィトンの歴史は長く、創立者であるルイ・ヴィトンが徒歩でパリに到着し、マレシャル氏のもとで見習いをはじめたのは1837年のこと。ルイ・ヴィトンはまだ16歳の少年でした。今では世界で300店舗以上展開する一流ブランドへ成長しました。当初はトランクを作る職人見習いから始まったルイ・ヴィトンの意思は令和の今でも受け継がれ遠い国の日本でもたくさんの愛用者がいます。今回はそんなルイ・ヴィトンの歴史を織り交ぜながら、お品物の修理内容をご紹介していきたいと思います。

修理リペアの実例概要

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こちらがお預かりした「LOUIS VUITTON (ルイヴィトン) ポルトトレゾール・インターナショナル」の三つ折り長財布です。正面からパッと見ただけでは分かりませんが生地が反り返り三つ折り部分の角は経年劣化によりトアル地が剝がれていました。さらに、革の縁であるコバ部分の塗装も剥がれ落ちてしまっていました。これらは”トアル地”の経年劣化が原因です。”トアル地”とはどのようなものかご存じでしょうか?ルイ・ヴィトンの商品で代表的なものだとモノグラムやダミエラインに使われている革のように見える生地で、エジプト綿にポリ塩化ビニルを塗布しコーティングした素材のことを”トアル地”といいます。 「PVC」レザーにあたり、防水性、耐久性に優れています。 傷が付きにくいこともあり、使いやすさ、お手入れのしやすさでも非常に優秀です。 ただし経年劣化や加水分解によって剥がれやヒビ、べたつきが出てくることもあります。ルイヴィトンのバッグはよくベタつきが発生して修理に来られる方が非常に多くいらっしゃいました。加水分解を促してしまう原因のひとつに湿度があげられ、湿度が高い場所に保管することでべたつきが起きてしまいます。

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先ほどもご説明した通り加水分解(かすいぶんかい)とは、物質と物質がくっついて水分に反応しやすい性質を持ったものが水と反応して分解される現象です。ルイ・ヴィトンにはかし剤と呼ばれている溶剤が使われています。このかし剤に含まれる化学物質が空気中の湿気と反応することで、分解され剥がれてしまうことでべたつきを発生させます。特に内側は湿気が溜まりやすく加水分解が起きやすいとされています。ルイ・ヴィトンはもともと日本より湿度の低いフランスが発祥のブランドです。ですから、日本のような湿度がある気候に合わせて作られていないということも原因としてあるでしょう。この加水分解が一度起きてしまうと止めることは出来ません。ルイ・ヴィトンは合成皮革を多く扱うブランドで有名ですから、この点はルイ・ヴィトンを購入する際の参考にして頂くと良いと思います。今回は、多少の加水分解は見られましたが、今後もお使いになられたいということでしたので内側部分を補色する修理を行なうことになりました。ルイ・ヴィトンの補色修理にはお見積り後から約2~3ヵ月ほどお時間を頂きますのでお日にちに余裕を持って修理に出していただくようお願い申し上げます。

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亀裂が入っていた部分に”革あて修理”を行ないました。ルイ・ヴィトンの財布の修理時には少しでも負担にならないよう同じ縫い目に合わせて修理していきます。このような使用した財布は、少なからず傷みがあるので修理の作業は全て手作業で行なっています。使用された財布はひとつずつ癖がありますので職人の目で確認しながら縫製修理します。時間はかかりますが財布の他の部分が傷んだり、亀裂の範囲が広がらないように仕上げることが出来ます。またステッチ(縫い目)の糸は正規品に近いお色で修理するので自然な仕上がりにします。この縫い付ける革は伸縮性の高いものを使用し補強はもちろん、曲げた際の負担をやわらげる役割もあります。反対側も同じように折り山のあて革修理をしていきました。折り山の修理をしたあとは、ルイ・ヴィトン財布のコバ(木端)を他の部分の茶色に合わせてコーティング仕上げになります。”コバ”とは革製品を製造する際に、裁断した革の断面のことです。革の断面はざらつきがあり木目のように見えることから「木端(コバ)」と呼ばれるようになりました。コバをしっかり塗装し直すことで高級感も出るのでセットで修理するのがおすすめです。

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内側部分の”補色修理”も完成いたしました。色褪せがなくなり、新品のような状態へと生まれ変わりました。今回のような色褪せや亀裂の原因はほとんどが使用によるトアル地の経年劣化です。トアル地は丈夫というメリットもお伝えしましたが、物である以上経年劣化は避けられません。お持ちのルイ・ヴィトン製品に亀裂が入っている場合には早めの補修をおすすめいたします。亀裂が入った部分をそのままにすると亀裂部分は悪化する一方です。また、ルイ・ヴィトンの正規店であってもトアル地の経年劣化による修理は断られてしまったり、新品を購入したほうが良いくらいの修理料金になることがございます。そのような時には高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYAへご相談ください。最適な修理方法をご提案いたします。弊社ではお客様の様々なご要望にお応えできるよう日々研究に努めております。こんな修理がしたい。こんな風にリペアしたいなどのご相談がございましたら公式サイトのお問い合わせフォーム又はお電話にて無料カウンセリングを行っておりますのでぜひご活用くださいませ。お客様のご利用をスタッフ一同お待ちしております。