さて、今回REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでお預かりしたのはLOEWE(ロエベ)のジップアラウンドウォレット(アナグラム)です。写真の通り、落ち着いた色合いのレザーにロエベのロゴマークであるアナグラムがワンポイントで刻印されています。エレガントながら日常に溶け込むデザインですね。ロエベのアナグラムは一見するとアナグラムとは思えないほど美しく洗練されています。そもそもロエベのアナグラムとはLOEWEの頭文字「L」の筆記体を4つ組み合わせたもので、1970年に登場しました。当時のロゴマークは滑らかで線が太いものでしたが、2013年にクリエイティブディレクターとして就任したジョナサン・アンダーソン氏によって2014年にリニューアルされました。リニューアルされたデザインは線が細く、繊細さが感じられます。今回お預かりしたアラウンドウォレットに刻印されているアナグラムもリニューアルされた後のものですので、必然的に2014年以降に製作されたものということが分かります。また、このアナグラムはレザーが最高級の品質であると保証するクオリティマークとしての役割もあります。ロエベの始まりであった革工房から続くレザーへのこだわりが感じられますね。
2025/03/25
その他修理リペア
LOEWEファスナー交換修理
こんにちは。高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店のREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)です。今回REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでご紹介するのはLOEWE(ロエベ)のジップアラウンドウォレット(アナグラム)のスライダー交換です。ロエベは元々、1846年にスペインのマドリード市内で数人の職人たちによって開かれた小さな革工房でした。当時はシガーケースやバッグ、財布などの皮革製品のみを製作していました。ある日そこへ訪れたドイツの職人エンリケ・ロエベ・ロスバーグ(Enrique LOEWE Roessberg)氏が職人たちの技術と品質の高さに感銘を受け参入したことによりハイブランド“LOEWE”の歴史が始まっていきます。彼が工房の活動を統一したことによりマドリードの貴族たちを魅了するようになっていきます。それに伴い工房の規模も拡大し、1982年には工房併設のE.ロエベというブティックがオープンし、婦人用ハンドバッグの製作も始まります。そして1905年、顧客であったコンキスタ公爵夫人によりスペイン王室に紹介されたロエベはその製品が高く評価されアルフォンソ13世から王室御用達の称号を授かるに至ったのです。これにより更に需要が拡大したロエベはバルセロナで2号店をオープンした後、国内で次々と店舗を増やし事業拡大をしていくこととなります。店舗のショーウィンドウは著名な建築家であるフランシスコ・フェレ・パルトロメ氏やハビエル・カルバハル氏、1945年から1978年にはロエベのデザイナー兼アート・ディレクターのホセ・ペレス・デ・ロサス氏がそれぞれ携わっています。商品を飾るだけに留まらない、ラグジュアリーで洗練された外装と内装はロエベの評価を上げるきっかけにもなっています。特にホセ・ペレス・デ・ロサス氏が設計に携わっていたグラン・ビア店にはヨーロッパの貴族たちも訪れるようになり、当時のモナコ王妃であったグレース・ケリー(エルメスの“サック・ア・クロア”が“ケリーバッグ”と改名されるきっかけとなった人物でもあります)も来店したと言います。華やかな経歴を持つロエベは現在でもその洗練されたデザインは目を離せません。(余談ですが、LOEWEというブランド名はドイツ人であるエンリケ・ロエベ・ロスバーグ氏の名前から来ているため、ドイツ語の読み方に従って「WE」を「ヴェ」と発音するそうです。日本ではロエベという表記がよく見られるためあまり意識することは無いかもしれませんね。)
修理リペアの実例概要
ご依頼内容は「LOEWE(ロエベ)のジップアラウンドウォレット(アナグラム)のファスナーを直してほしい」というものでした。ファスナーは大きく3つのパーツに分けることができます。「引手」と「ファスナー(本体)」と「スライダー」です。「引手」はその名の通り手で引っ張る部分を指しています。ファスナーを開けたり閉めたりするときに指で摘まむところです。「ファスナー(本体)」は、お財布で言うとお財布本体に縫い付けられている布の部分(ファスナーテープ)と、そのファスナーテープについている細かい歯の様なパーツ(エレメント)のことを指しています。ファスナーテープとエレメントは部分的な交換や修理ができないため「ファスナー(本体)」という名称で一括りにしています。そして「スライダー」は「引手」と「ファスナー(本体)」を繋いでいる小さな部品のことを指しています。ファスナーの修理は症状や状態によって交換必要箇所が変わります。例えばなんとなくファスナーの滑りが悪かったり途中で引っかかったりしてしまう場合はファスナーテープが破れていることがあり、ファスナー(本体)の交換が必要です。そしてその場合には必ずスライダーも交換する必要があります。
今回REPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)でお預かりしたLOEWE(ロエベ)のジップアラウンドウォレット(アナグラム)はファスナーを閉めても閉まらないという症状でした。このような場合は「スライダー」を交換することによりお直しできることがほとんどです。このスライダーはファスナーの開閉時に必ず動かさなければならない部分ですので、他のパーツと一番接触がある部分、つまり一番擦れやすい部分と言えます。そのため内部で摩耗が起こりすり減っていくことでエレメントを上手く嚙合わせることができなくなっていってしまい、閉めようとしても閉まらないという症状が出てしまうのです。スライダー交換は現在ついているスライダーを取り外して代替品の新しいスライダーを取り付けいたします。代替品と言えど他の金具との色はできる限り揃えますのでご安心くださいませ。同様の症状でもファスナー(本体)の状態が悪い時は一緒に交換が必要なこともございます。事前に把握できた場合にはお見積もり時にお声がけさせていただいております。稀に交換修理を開始してからファスナー(本体)の交換も必要と発覚する場合がございますが、その場合にもご連絡させていただきます。
さて、今回はLOEWE(ロエベ)のジップアラウンドウォレット(アナグラム)の「スライダー交換」修理をご紹介させていただきました。お財布のファスナーは特に使用回数が多く、一番早く劣化が起こりやすい部分と言っても過言ではありません。特に閉めても閉まらないという今回の症状はREPAIR-SHOP HIRAISHIYAにも多くの相談や修理依頼が寄せられています。中にものを詰めすぎたり、引っ張るときに力を入れすぎたりすると劣化が早まる場合があります。お財布の中身は定期的に整理をして、綺麗な形を保てるよう気を付けていきたいですね。もし閉めても閉まらない、なぜか途中で引っかかる、閉まるけど滑りが悪い気がするなどの症状がある場合は、放置しておくとお財布そのものの変形を招くこともありますので、お早目の修理をお勧めいたします。高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店REPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)では、高級ブランドの正規店では断られてしまった修理内容もお受けできる場合がございますので、ぜひ一度ご相談くださいませ。お客様のご利用をスタッフ一同お待ちしております。