最近の流行りでもあるレザークラフトですが、革製品のリメイクと聞くだけだといまいちピンとこない方もいるかもしれません。革製品のリメイクとはもう使わなくなってしまった革製品を新しい製品へ作り替えるというものです。使わなくなった革製品を好きな形に作り替えたり、色に飽きてしまった場合には全く違う色に変えてみたりと革製品はいろいろなリメイクをすることが出来ます。リメイクをすることで世界にひとつしかない、自分だけの革製品を手に入れることができます。そしてなにより、思い出を残しつつ新しい製品へ生まれ変わることができ、思い出を大切にしている方へもおすすめです。では、革のリメイクについての工程を大まかにご説明していきたいと思います。まずは革の修理やリペアと同じくクレンジングで汚れを落としていきながら革の状態を確認していきます。柔らかい布に専用の革用クリーナーを少量付け、汚れを拭き取っていきます。ここで注意しなければならないのは強くこすってしまうと革はデリケートなので色が落ちてしまったり、汚れが広がります。人の皮膚を扱うのと同じように丁寧に汚れを拭き取っていきます。今回は最も状態の良い部分を素材にしましたが、余った部分も使えそうなので綺麗な状態に残しました。
2022/12/11
ルイヴィトン修理リペア
ルイヴィトン|バッグリメイク
今回のご紹介は先日レザーリメイクでお預かりしたお品物のルイ・ヴィトンのモノグラムのバックになります。今でこそバッグや財布、衣類やジュエリー製品まで幅広く展開されているルイ・ヴィトンですが設立当初は軽量で高品質な旅行カバンの専門店としてスタートしました。こちらはおそらくソフトラゲージのトラベルバッグかと思われますが、今回はこちらを素材にもともとお使いになられていた革のスマホケースの一部分をお客様がお持ちだったルイ・ヴィトンのカバンの柄へ変えるといったリメイク内容です。ですので、今回はスマホケース2つと素材にするためのルイ・ヴィトンのバックの系3つをお預かりいたしました。今回、素材として利用するルイ・ヴィトンのハンドバックですがハサミを入れて素材にしてしまうのが申し訳なくなるほど状態の良いお品物でした。今回はヌメ革の部分は使わずモノグラムの部分を使用していきます。使わなくなった思い出のお品物を形を変えることで長くお使いいただけるのはリメイクならではの楽しみですね。私ども修理専門店REPAIR-SHOP HIRAISHIYAもそのようなお客様の思いに関わることが出来嬉しく思います。今回はお客様がお持ちの革のスマホケースの前面部分をルイ・ヴィトンのモノグラム柄にしたいということで事前にカウンセリングにて打ち合わせをさせていただきました。最近では流行りもありレザークラフトをご自身でされる方も多くいらっしゃいますが、今回ご依頼いただいた写真のようなスマホケースですと既存の商品へ同じように付け替えた後、金具も付け変える工程が必要でしたのでそのような際にはプロのいる店舗へのご依頼が安心・安全でおすすめです。当REPAIR-SHOP HIRAISHIYAは修理専門店ではありますが、意外にもこのようなリメイクのご相談も多く頂いております。長年お家で眠っていた革製品のお直しや、親世代から受け継いだバックを形を変えて現代でも使えるような形にしたい。などお客様のご要望は様々です。新しいものを買った方が安いなんて言われる時代ですが、いざお品物が復活すると、お金には変えられない良い気持ちを味わえますね。ぜひ、修理専門店REPAIR-SHOP HIRAISHIYAまでお持ち込みください。 店舗持ち込みはもちろん郵送でのご依頼も可能です。修理料金は、革製品の状態によりますので基本的には現品を見てお見積もりとなります。
修理リペアの実例概要
こちらの写真はスマホケースを解体した前面部分になります。この部分をルイ・ヴィトンのモノグラム生地に替えていきます。革のリメイクの工程は切る、穴を開ける、縫う(接着)の3つがあります。次の工程は生地の裁断になります。ルイ・ヴィトンのモノグラムやダミエに使われている革のような生地は皮革ではないことはご存知でしょうか?シボ(型押し)があるため革と間違えやすいのですが、トアル地といわれエジプト綿という綿に「PVC」という合成樹脂を加工した素材です。メリットは耐久性に優れており、モノグラムやダミエは傷や汚れが付きにくく頻繁にお手入れしなくても状態が長く保てます。またデメリットとしては「加水分解」が起きてしまうことです。加水分解とは長時間湿気などにさらされてしまうとベタつきが発生してしまうことです。湿気の多いタンスなどにしまい込んでいるとなりやすい現象です。今回お預かりしたモノグラムのバックはそのような症状はなく、状態が良かったので皮革同様にクレンジングで綺麗にした後、依頼を受けた2つ分のモノグラム柄の配置が同じになるように気をつけながら最も状態の良い部分を裁断に慣れた職人が平行に切り取っていきます。
こちらが切り取られた後のルイ・ヴィトンモノグラムのバックになります。このようにお持ちいただいた生地を修理用の素材として使う事もできますので、事前カウンセリングでご相談くださいませ。どのような形に切り取るかまず型紙を作り熟練の職人が切り取っていきます。牛や馬などの革は比較的薄く、専用のカッターナイフのようなもので切り取ることが出来ますがワニや爬虫類系の革は硬いので革包丁で切り取っていきます。私としても一番緊張するのがこの裁断の工程です。数mmでもずれてしまうと仕上がりに違いが出てしますので慎重に切り取らせていただきました。革を切り取った裁断面を「コバ」といいます。裁断面は処理を行わないと革の繊維がほつれたり黒ずみが起きる原因となります。コバは漢字で「木端」木の端、つまり木材の裁断面を指す言葉です。革製品には「切り目仕立て」といった断面をそのまま活かしたデザインもありますがこの場合コバのメンテナンスが必要となります。今回、取り付けるのはトアル地になりますので比較的軽度な処理で完了です。さて、材料が揃ったので最後の工程は縫う作業です。状況を見て手縫いか専用のミシンで裁縫していきます。
こちらがルイ・ヴィトンのモノグラムバックをリメイクして完成したスマホケースになります。もともとお客様がお持ちの革のスマホケースの一部を外し、モノグラム生地へ交換する修理内容でしたが、元のスマホケースのはっきりとした色味の青とピンクがモノグラム生地との相性がとても良く素敵なお品物へ生まれ変わったと印象です。もともとのルイ・ヴィトンのバックやスマホケースも素敵でしたが合わさるとまた新しい自分だけのオリジナル品となり、さらに愛着がわきますね。お客様にも喜んでいただけるのではないかと思います。ここまで革製品のリメイクを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?このようにREPAIR-SHOP HIRAISHIYAでは修理やリペアだけでははくお客様のご要望に沿ってリメイクも承っております。お客様のタンスやクローゼットに眠っているお品物をリメイクしていませんか?その他、革バックのハンドル部分の根革修理なども人気の修理内容です。正規店で断られてしまった修理内容やリメイクもお気軽に修理専門店REPAIR-SHOP HIRAISHIYAへご相談ください。スタッフ一同お待ちしております。