2023/01/10

ルイヴィトン修理リペア

ルイヴィトン|バッグ修理

こちらは先日REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでご依頼のあったLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)の革を素材としたショルダーバックになります。早速お品物を見ていきましょう。ルイ・ヴィトンの斜め掛けショルダーバックですが、おそらくタイガ サシャというモデルかと思います。このようなデザインのタイプですと革の表面を塗装し、コーティングがされているためメンテナンスも比較的簡単で、細かい傷を気にすることなく使用ができ革製品の中でも扱いやすいお品物ではないかと思います。しかし、このように塗装やコーティングがされているものでも長年の使用によるダメージによって擦れやすい角などから塗装が剥がれて元の革の表面が出てきてしまいます。一部が剥がれてしまうと徐々に他の部分も剥がれやすくなってしまいますので、お早めにご相談下さい。塗装の剥がれと聞くともう直すことは出来ないのかと思われる方もいらっしゃると思いますが、このような現象は革製品を使っているとよくある症状ですので経験豊富な皮革修復師が在籍する修理専門店REPAIR-SHOP HIRAISHIYAにお任せ下さい。一点ごとに適切な修理内容をご提案させていただきます。今回の修理内容のご提案としてはショルダーバックの左角部分の塗装の剥がれが目立っていますね。しかし、よく見てみるとバック表面が全体的にザラザラしていました。このような場合一部を補色しても次は違う部分から塗装が剥がれてきてしまいます。また、元の色に近づけて塗装はさせていただきますが補色した部分が綺麗な状態になるため仕上がりに違和感が出てしまいますので修理方法としては一旦すべてのコーティングを除去した上で全体を塗装していく全体染めをご提案させていただきました。全体を染め直すと新品の時のような姿に生まれ変わるので大変おすすめです。また、染め直しをおすすめするのは仕上がりが綺麗になることだけが理由ではございません。まずは革の構造からご説明させていただくと革は三層に分かれており一番表の皮が表皮、真ん中が真皮、そして筋膜と真皮をつなぐ部分の皮下組織となっています。今回修理が必要な部分は表皮の銀面と呼ばれる表皮の中でも一番表面の部分になります。この部分の剥離がある場合には染め直しの他に修理方法はございません。修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYAへお任せ下さい。

修理リペアの実例概要

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修理内容のお品物がこちらです。写真を見ると塗装が剥がれて中の真皮部分が見えてしまっている事がわかります。よく革製品のクリーニングへシミを落としたいとご相談に来られるお客様が多いのですが、実際にお預かりしたお品物のシミ部分を見てみると、銀面が剥がれており真皮より奥の方まで汚れが浸透してしまっているケースが数多くございました。その場合もシミ抜きでは元には戻りません。染め直しをした後にコーティングまでする修復が必要なのです。革は衣類などの繊維とは違い人間の皮膚と同じようなものです。扱いを間違ってしまうと現状より状態が悪くなり元に戻せなくなる可能性もございますので、プロの修復師へご依頼する必要がございます。塗装が剥離する原因には経年劣化や使用時による擦れ、最近では感染症対策で使われる手指消毒剤なども剥離の原因として挙げられています。お店の入り口に置いてあるアルコールや次亜塩素酸水は革製品のコーティングを剥がしてしまう作用があります。特に財布などの製品は財布だけを手に持ちながらお店に入る方も多いのではないでしょうか?手の消毒液が乾かないまま革に触れてしまうのは大変危険ですので注意してくださいね。

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こちらは左側の縁をアップした画像です。やはり縁などの部分は劣化しやすい印象です。その他の縫製や金具、ファスナー部分には特に修理は必要ありませんでしたので今回はクリーニングと全体染めの修理内容となりました。まずはクレンジングで汚れを落としていくのと同時に表面のコーティングを落としていきます。コーティングが残ったまで染めても革に定着しないためです。この前処理を丁寧に行うことでその後の染料がのりやすく仕上がりにも影響してくるので時間をかけてクレンジングをします。また革の状態を手で触れて、しっかりと見ることが出来るので修復師の私自身も一番好きな工程でもあります。クレンジングには前記で革製品の扱いで注意しなければいけないとご説明したアルコールや次亜塩素酸水を使っていきます。この溶剤の濃度を間違えてしまうと変色などの原因になってしまいます。消毒液について危険だと説明したのはアルコールや次亜塩素酸水を使用する際にはプロの私達でさえ濃度に気をつけ慎重に扱わなければいけない溶剤だからです。クレンジングで染め直しの基礎ができたら染め修理の工程へと入っていきます。

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今回の修理内容のように全体染ではマスキングテープでブロッキングをした後、エアブラシで塗装していきます。お客様が一番心配されるのが元の色に仕上がるのかという事かと思いますが、REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでは熟練の革修復師が丁寧に色合わせを行っていきますのでご安心下さい。色の調合には数十分で出来上がるものから1時間近くかかるも時もございます。また、全く異なった色に染め直しをしたい場合も革修理専門店の当店へお気軽にご相談ください。REPAIR-SHOP HIRAISHIYAの革修理専門店ではすべての工程が手作業になりますのでお時間が多少かかってきてしまいますがご了承いただきますようお願い致します。エアブラシもハンドルの力加減で色の出方が変わりますので扱いなれた修復師が染め上げていきます。染め上がったお品物がこちらの写真になります。色ムラもなく綺麗に仕上げることが出来たかと思います。一番目の写真と比べてみていかがでしょうか?元のお色味と違和感なく仕上げることが出来たかと思います。染め上げた後は特殊なコーティング剤で塗装が剥がれないようにコーティングを施しますので安心してご使用いただけます。

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こちらの写真はコーティング加工までの全工程を終了したお品物です。コーティング加工が完了し、買った当初のようなツヤが戻りました。最終検品も終わり残すところは発送前の梱包のみです。ご依頼主の元へ戻る時を今か今かと待ちわびているような姿ですね。私共スタッフも1ヶ月ほどの革修理の工程が無事に終了し、綺麗に仕上げることが出来嬉しく思います。ルイ・ヴィトン修理を多くご依頼いただいている革修理専門店REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでは革の染め直しはもちろんヌメ革の交換修理や金具の交換、内張り交換など様々な修理内容をご提案をすることが可能です。お品物もバックから財布などの小物まで種類を問わず修理いただけますので、正規店では断られてしまった修理内容も当店ではお引き受けできる場合がございます。また、クリーニング技術においても創業75年という経験と知識がございますのでクリーニングのみのご依頼も多く頂いており大変好評を頂いております。お客さまの大切な高価な革製品は多くの実績のある当REPAIR-SHOP HIRAISHIYAにお任せいただければ幸いです。お客様のご利用スタッフ一同心よりお待ちしております。