2023/04/29

ルイヴィトン修理リペア

ヌメ革交換修理

今回、高級ブランド修理専門店のREPAIR-SHOP HIRAISHIYAでご紹介する修理内容はLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のファスナー引手部分のヌメ革修理です。今回お預かりしたLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のお品物はおそらくモノグラムの「スピーディ25サイズ」ではないかと思われます。しなやかなモノグラム・キャンバスを使用してエレガントなコンパクトサイズに仕上げた「スピーディ 25」は移動手段の加速化に伴い1930年に誕生したバッグ「エクスプレス」。そのアップデートバージョンである「スピーディ」は、独特のシルエット、ロール仕上げのレザーハンドル、シグネチャーを刻印したパドロックが素敵なボストンバッグです。LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のモノグラムとヌメ革のバランスが良いこのLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のスピーディ25ですが、今回修理内容としてご相談いただいたのは、ファスナー引手部分のヌメ革がちぎれてしまったという修理相談でした。こちらのLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のスピーディのデザイン上、開け閉めをする際に負担がかかってしまう引手部分にヌメ革を使用しているため、ちぎれてしまうのは仕方がないようなデザインになっております。ヌメ革とは、タンニンという植物由来のポリフェノール成分で鞣された革のことで「タンニンなめし革」とも呼ばれます。代表的なタンニンは、クヌギ、ケブラチョ、ウォルナット、ミモザなどの木から抽出します。「ヌメ革」は特定の動物の革を指す言葉ではありません。先に書いた通り、製法を指す言葉です。ヌメ革の種類は多く豚ヌメ革、牛ヌメ革、馬ヌメ革、変わったところでは魚のヌメ革など、いろいろな生き物の皮を原料としたヌメ革があります。LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のヌメ革は最高品質の牛革で出来ており、汚れ防止加工もされているようです。ヌメ革は比較的長く使える種類の革でお手入れ次第では10年近く持つとも言われています。しかしヌメ革は柔らかく鞣された革になるため、LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のスピーディのように引き手部分がヌメ革というデザインのものはよく修理で依頼を受けることも多い修理内容となっています。今回はクリーニングと合わせてヌメ革の交換修理を行なっていきます。

修理リペアの実例概要

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ルイ・ヴィトンのスピーディ25は発売当時自動車での移動が一般的になりつつあったことを背景に、”車の助手席に置けるバッグ”として造られました。名前の由来もこの交通手段の変化から来ており、当初はフランス語で「すばやい」という意味の「express(エクスプレス)」という名称で発売されていましたが、のちに「Speedy(スピーディ)」に改名されました。一般的に、ヌメ革と言えばベージュかキャメル色の革を思い浮かべる方がいます。このよく見るベージュやキャメルの革は、色を染めていないか少しだけ染めた素に近いヌメ革です。ルイ・ヴィトンの公式サイトを見るとわかるのですが、公式サイトの新品のスピーディは思い浮かべるヌメ革の色とは少し違うかもしれません。少し白っぽいベージュの色です。これで色を染めていないヌメ革が使われていることがわかります。修理を行うこちらのルイ・ヴィトンのスピーディはヌメ革の色が飴色に近い色になってきています。これはエイジング(経年劣化)といって使い続けていくうちに日光があたることで艶が出てきたり、手の脂が馴染んで飴色に変化していきます。同じヌメ革でもそれぞれ違った風合いが出てくるのがヌメ革の良さでもあります。

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修理の説明に入っていきたいと思います。今回はルイ・ヴィトンのスピーディ本体のクリーニングとちぎれたヌメ革の交換修理です。ルイ・ヴィトンのヌメ革の交換修理は革修理専門店の当店でも一番といっていいほどご依頼の多い修理内容となります。革修理専門店の弊社では創業75年のクリーニング技術を基礎にルイ・ヴィトンのクリーニングを行なっております。今回は革専用のクリーナーを使いクリーニングを行いました。ヌメ革は水に弱い性質を持つので濡らしてしまわないように最新の注意を払いクリーニングしていきます。普段お使いの際にヌメ革を濡らしてしまった場合にはすぐ拭き取り直射日光が当たらない場所で天日干しをしてください。濡れたままにすると水シミが出来てしまうので気を付けなければなりません。ではルイ・ヴィトンのモノグラム柄の部分は水に濡らしても大丈夫なの?と思った方もいるかと思います。実はルイ・ヴィトンのモノグラやダミエに使われている素材は丈夫な綿素材にコーティング加工された素材で、正式名称を「トアル地」と言います。シボと言って、シワ状の型押しがあるので、一見、レザーのように思えてしまいます。

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ルイ・ヴィトンのモノグラムに使われている合成皮革素材の「トアル地」ですが、合成皮革素材を使う理由は動物保護の目的もあるようです。本革でないと聞いて驚いたのではないでしょうか?トアル地とは、エジプト綿にポリ塩化ビニルを塗布しコーティングした素材のことを指します。 「PVC」レザーにあたり、防水性、耐久性に優れています。 傷が付きにくいこともあり、使いやすさ、お手入れのしやすさでも非常に優秀です。しかし、長年使っていくと様々な劣化が生じてきます。こちらもルイ・ヴィトンの修理でご依頼いただくことが多いのですが、本革と同様トアル地も負荷が何度もかかる部分は、経年劣化により剥がれたりひび割れが起こります。最悪の場合、その部分がちぎれてしまい生地自体がなくなってしまうこともあります。ルイ・ヴィトンの場合、表面がトアル地で内側には本革を使用していることがあり、乾燥が進むとトアル地が収縮し、内部のレザーとサイズが合わなくなると反りが出てきます。そこで本革とトアル生地に共通しておすすめなメンテナンスが「保湿」です。今回お預かりしたルイ・ヴィトンは専用のクレンジング剤でクリーニングをした後は専用の保湿剤を使い仕上げていきます。

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高級ブランド修理専門店のREPAIR-SHOP HIRAISHIYAでご依頼いただいたバッグ全体のクリーニングとファスナー引手部分のヌメ革交換がすべて完了いたしました。ちぎれてしまったヌメ革を新しいものに交換修理することでバッグ自体の雰囲気も変わったように感じますね。今回、ヌメ革をとめるために付いていたルイ・ヴィトンのブランド名が入った金具のカシメは再利用せずに新しいものに取り替えました。状態が良ければ再利用も可能ですのでご相談ください。クリーニング後の綺麗な状態を保つためにもバッグを長期間収納する場合は、ほこりが付かないように不織布保管袋を使うのがおすすめです。普段使いのバッグの場合は、袋に入れなくても布をかぶせておくだけで十分です。また、バッグの中に丸めた新聞紙やタオルを入れて収納すれば、湿気の除去や型崩れの防止にも有効です。バッグを使わない日には中身を全て出し、丸めた新聞紙やタオルを入れておきましょう。ルイ・ヴィトンの修理内容のご紹介は以上です。高級ブランド修理専門店のREPAIR-SHOP HIRAISHIYAでは正規店で断られた修理も受付可能な場合もございます。お気軽にお問い合わせください。