2023/06/14

ルイヴィトン修理リペア

ルイヴィトン|財布修理

今回LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)の修理専門店であるrepair-shop hiraishiya(リペアショップひらいしや)でご紹介するのはLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)の”ルイヴィトン ポルトフォイユサラ 2つ折り長財布”の染め直し修理のご依頼です。ルイヴィトン ポルトフォイユサラの長財布はLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)取扱店舗が限られた限定品の二つ折り財布も発売されているほど人気のラインになります。高価なお品物になりますが、限定品のLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のポルトフォイユサラは毎回品切れになるほどの人気ということです。こちらはお客様からご依頼のあったLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のポルトフォイユサラのお写真です。とても綺麗なお品物ですが、お客様からのご相談では一度染めてしまった赤色の部分が元の色と差があり気になるので染め直してほしい。といったお話でした。赤い部分を正面から見ると綺麗に塗装されておりますが、財布を開いてみると確かに元の赤色より朱色に近いような仕上がりで差が出てしまっていることが伺えました。元のお色は少し青みが入ったような赤で、市販の塗装剤ではこのような赤は販売されておりませんので、差が出てしまうのは仕方のないことです。その絶妙な色味はさすがLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)といったところでしょうか。今回はクリーニングと合わせて染め直し修理を行うことになりました。黒などのお色に比べて色の調合が大変なのがこちらのようなカラー製品です。既存の色味には同じような色がございませんので、お色の調合にはとても苦労いたしましたが無事にLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)の修理を完了することができたのでご紹介させて頂きたいと思います。LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)といえば、知らない人がいないほどの高級ブランドですが元々はスーツケースを専門に作っていたお店がLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のルーツだったということはご存知でしょうか?LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)は、フランスのマルティエ(スーツケース職人)であるLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)という方が1854年に創立した老舗ファッションブランドです。170年以上続く歴史の長いブランドなんですね。

修理リペアの実例概要

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お預かりしたルイヴィトン ポルトフォイユサラの長財布を見ていきましょう。モノグラム・キャンバスにグレインレザーを組み合わせたルイ・ヴィトンのクラシカルな長財布「ポルトフォイユ・サラ」。そのデザイン性のみならず大容量の2つのコンパートメントと中央のファスナー付きコインポケット、複数のカードスロットなど収納力も抜群です。ルイ・ヴィトンで定番人気のモノグラム柄の二つ折り財布ですが、ルイ・ヴィトンの公式サイトでも販売している現行のポルトフォイユサラの長財布は全面モノグラム柄になっていることに対し、今回お預かりした二つ折り財布は蓋の部分がカラーになっています。このカラーの名前はおそらくですが、ルイ・ヴィトンのカラーバリエーションにある”コクリコ”というカラー名になるかと思います。この絶妙なレッドカラーは上品かつ華やかで人気のあるカラーとなっています。一度、染めてしまったということもあり、重ねてしまうと色が出にくいことが考えられたので、まずはクレンジングを行い塗装を剥がしていく作業から始めることにしました。弊社のクレンジングは修理を行う前に既存状態のチェックと合わせて革修復師の資格を持つ職人が手作業で行なっていきます。

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こちらのお写真は色の差がわかりやすく見えますね。今回修理のご依頼があったポルトフォイユ サラはおそらく2010年代に発表された、ルイ・ヴィトンの中でわりと新しいアンプラントラインのお品物です。アンプラントラインとは今までのモノグラムの財布などは”トアル地”といって特殊な合成皮革の生地を使用しているものが大半だであったことに対し、こちらはオールレザーになっているため通常のモノグラムよりもやや高めの価格設定になっています。正式な生地の名前は「モノグラム・アンプラント」で、本革(レザー)です。「アンプラント」とはフランス語で「刻印」という意味で、その名の通り上質なカーフレザー(牛革)にルイ・ヴィトンのモノグラムを型押ししています。特徴はなんといってもカーフレザーならではの柔らかな質感です。カーフレザーとは生後6か月以内の仔牛から取れた革で、牛革の中でもキメが細かく柔らかいのが特徴です。採取量が少ないため希少価値が高く、高級なレザーに分類されています。トアル地にはない柔らかさとエイジングによる艶の風合いなど、革好きの方にはぜひおすすめのアンプラントラインです。

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使用方法やお手入れにはトアル地のものに比べると、多少気をつけなければなりませんが手に馴染む柔らかな質感はカーフレザーならではといえるでしょう。今回の染め直し修理はクレンジングでコーティング剤と染められていた赤色を落とした後に本来の赤色に合わせて調合していきました。この色の調合が今回の修理内容で一番苦労した工程でした。黒色の物の上に黒色で染めて修理するときよりも、赤などのカラーの場合の方が一段と難しい修理内容になります。下地の色味を計算して色の調合を行わなければならないからです。今回は元のお色が少し青みが入った赤色でしたので、少しずつ調合して染め直し修理を行いました。プロ専用の染料とこちらもプロが扱う”バインダー”という定着剤を混ぜ合わせて染めていきます。こちらのお写真が染め直しが終わったルイ・ヴィトンのお写真になります。修理前の一枚目のお写真と比べていかがでしょうか?修理前のお品物の赤色は少し黄色みがある赤色でしたが、染め直し修理をすることで本来の赤色に近いお色に染め直し修理をすることができました。革の染め直し修理で気をつけなければならないのが、染料を塗り重ねてしまったことによる”シボの消失”です。

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”シボ”とは革の表面にある立体的なシワ模様のことです。 シボは革を揉んだり縮ませたりすることで大きく現れ、革の繊維密度や部位によって出方がかなり違ってきます。 シボが粗い表情は個性的な印象で、シボが細かい表情は粗いものに比べて上品な印象を与えてくれます。ルイ・ヴィトンのカーフレザーは比較的細かいシボとなっていて高級感のある上品な仕上がりになっています。しかし、あまりにも染料で塗り重ねていくとせっかくのシボが染料で埋まってしまい平らな状態になってしまいます。そうするとせっかくにの革の風合いを消してしまうため、なるべく薄く重ねて染めていきます。しかし、薄く塗り重ねると色が出ないという心配もあるのですがそこは革修復師の腕の見せどころで革の風合いを守りながら染め直しをすることができました。最後に使用しても色落ちがしないようコーティング剤で色止めを行いますので安心してご使用できます。以上で今回のルイ・ヴィトン修理専門店repair-shop hiraishiyaの修理内容のご紹介がすべて終わりました。ルイ・ヴィトンの正規店では断られてしまった修理内容もお受けできる事がございますので、ぜひご相談ください。