2023/07/25

ルイヴィトン修理リペア

根革修理

こちらは先日REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでご依頼のあったLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のデニム生地を素材としたショルダーバックになります。早速お預かりしたお品物を見ていきましょう。ルイ・ヴィトンのモノグラム柄がデザインされたデニムが珍しく素敵なショルダーバックですが、ルイ・ヴィトンの『バギーPM モノグラム・デニム ショルダーバッグ M95049』というモデルになります。発売当初はデニム生地を使用した珍しいデザインに世の中の女性から人気を集めた『バギーPM モノグラム・デニム ショルダーバッグ M95049』ですが、少しレトロな風合いが令和の時代になり人気が再燃しネットでも見かけるようになりました。しかし、この『バギーPM モノグラム・デニム ショルダーバッグ M95049』は現在すでにルイ・ヴィトンの公式では廃盤となっており中古市場でのみ手に入れることが可能な希少価値の高いショルダーバッグです。昔流行ったデザインでも現代でリバイバルとして価値がつくブランド品も珍しくはありません。実際に弊社のルイ・ヴィトン修理専門店REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでも年代物のルイ・ヴィトンの修理をご依頼いただくことが増えてきました。修理を繰り返しながらも親から子へ、そのまた子供へと受け継ぐことができるのも老舗高級ブランドのルイ・ヴィトンならでといっても過言ではないでしょう。今でこそバッグや財布、衣類やジュエリー製品まで幅広く展開されているルイ・ヴィトンですが設立当初は軽量で高品質な旅行カバンの専門店としてスタートしました。ルイ・ヴィトンといえばこのモノグラムを想像する方も多いのではないでしょうか?このルイ・ヴィトンのモノグラム柄の歴史は長く130年近い歴史がございます。ルイ・ヴィトンは1854年にパリのヌーヴ・カプシーヌ通り4番地でトランクの専門店として開業しました。当時の移動手段が鉄道から馬車になり、現代では自動車にシフトしていく中でトランクの形も旅が生活の一部になったことでルイ・ヴィトンの業績はみるみる成長していったブランドです。創業当時のルイ・ヴィトンの人気商品はもちろん旅行用のトランクで、当時はハイテクな技術がなかったにも関わらず防水仕様になっており中の衣類を濡らすことがなかったそう。斬新なデザインに確かな機能性は当時の人達の気持ちを掴むには十分だったのではないでしょうか。

修理リペアの実例概要

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修理内容のお品物がこちらです。今回修理とクリーニングでお預かりしたお品物はデニム生地の風合いが素敵なショルダーバッグです。素材の性質上、色褪せが起こりやすくお預かりしたお品物も例外ではなく大変色褪せてしまった見た目になっていました。今回修理依頼のあったデニム生地とは、厚手のコットン糸を綾織りして作られた生地のことでその肉厚さと藍色(インディゴブルー)、そしてやや硬めの手触りが特徴です。デニム生地は丈夫で破れにくく、一時期は肉体労働者のワークパンツとして広まったほどです。 あえて色落ちしやすいロープ染色にすることで、使い込むほどに色素が薄くなり、硬かった手触りも柔らかくなって手に馴染みやすくなるといった特徴も。修理でお預かりしたショルダーバッグも使い込まれた新品にはない風合いがあり、こちらはこちらで素敵な印象ですが今回の修理のご希望では色褪せた部分を”染色修理”で修復していく事になりました。デニム生地の染色修理は一般的な革のバッグの染色修理とはまた違う難しさがございます。今回の修理箇所のデニム生地にはモノグラム柄がデザインされているためモノグラム柄を消さないように修理する必要がございました。

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こちらはお預かりしたショルダー紐とバッグをつなげる根革の部分をアップした画像です。作成時に付けられていたヌメ革も使用されているうちにアメ色となって雰囲気のある状態でした。ショルダーバッグ等の場合、このような結合部分は一番負担のかかりやすい部分となっており修理のご依頼も多くいただく印象です。しかし、今回お預かりしたお品物のようなデザインのバッグは根革のヌメ革というよりは結合部分のデニム生地に負担がかかり、擦り切れてしまいそうになっていました。一般的な革のバッグよりも布の方が弱いので仕方がありません。しかし、せっかくデニム生地を染色修理してもこの部分がちぎれてしまってはバッグの役目を果たすことができなくなってしまいます。よって、弊社のルイ・ヴィトン修理専門店REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでご提案させていただいた修理内容はデニム生地部分の補強という面から伸縮性と耐久性のあるヌメ革をあてがう”革あて修理”をご提案させていただきました。この”革あて修理”は革の財布の補強などに行うことが多いのですが、今回はデニム生地にヌメ革は既存のものに近い色味で革を取り付けることにしました。

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こちらが修理内容が全て完了したお品物です。お客様が一番心配されるのが元の色に仕上がるのかという事かと思いますが、REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでは熟練の革修復師が丁寧に色合わせを行っていきますのでご安心下さい。色の調合には数十分で出来上がるものから数時間近くかかるも時もございます。今回のデニム生地では全体的に色褪せがございましたので元のお色の箇所を探すことが難しく色の調合に時間がかかりました。この工程を妥協して色褪せ部分に合わせた色で修理をしてしまうとお客様の希望の修理では無くなってしまうため慎重に合わせていきます。この工程は数多くの染め修理をしてきた私でもいつも神経を使う大事な工程です。また、全く異なった色に染め直しをしたい場合もREPAIR-SHOP HIRAISHIYAへお気軽にご相談ください。お預かりしたバッグはモノグラム柄のデザインに型抜きされておりましたのでモノグラム柄を消してしまわないように、にじんでしまわないように手作業で慎重に染めていきました。色褪せて見えづらくなっていたモノグラム柄を引き出すことができ、綺麗な姿に仕上げることが出来たかと思います。

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ルイ・ヴィトンの染色修理が完了後はデニム生地へ革あて修理を行いました。一度金具を取り外し、劣化したデニム生地から状態の良い箇所へ位置を変えて新しいヌメ革をあてました。最初のデザインとは少し見た目が変わる形にはなりますが、確実に強度が強くなり修理後も長くお使いいただけることを考えるとおすすめできる修理内容です。ヌメ革の色味も違和感なく交換修理ができました。ルイ・ヴィトン修理を多くご依頼いただいている革修理専門店REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでは革の染め直しはもちろんヌメ革の交換修理や金具の交換など様々な修理内容をご提案をすることが可能です。お品物もバックから財布などの小物まで種類を問わず修理いただけますので、正規店では断られてしまった修理内容も当店ではお引き受けできる場合がございます。また、クリーニング技術においても創業75年という経験と知識がございますのでクリーニングのみのご依頼も多く頂いており大変好評を頂いております。お客さまの大切な高価な革製品は多くの実績のある当REPAIR-SHOP HIRAISHIYAにお任せいただければ幸いです。お客様のご利用スタッフ一同心よりお待ちしております。