2023/09/07

ルイヴィトン修理リペア

ルイヴィトン|バッグ修理

今回、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)の修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYAがご紹介させていただくお品物は「Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)ヴェルニ スプリングストリート ハンドバッグ M91068」でお色は”ライムイエロー”かと思われます。そのサイズ感といえば幅が18.5cm×高さ17.5cmとルイ・ヴィトンのバッグとしてはかなり小さめな部類に入るかと思います。こちらのヴェルニの”スプリングストリート ハンドバッグ M91068”は爽やかなイエローカラーが目を引く一品となっております。そんな”ライムイエロー”は1999年に発売した限定色となっており、現在は公式オンラインでは手に入れることができないお品物となっております。近年、小さなバッグが流行りの傾向ということもあり修理のご依頼を頂くことが増えてきたように感じます。こちらの”スプリングストリート ハンドバッグ M91068”をモデルにモノグラム柄のショルダーストラップがついた機能性がアップした”スプリングストリートPM M90468″も人気が高く現在注目のルイ・ヴィトンバッグとなっております。今回お預かりしたライムイエローのこちらも使用感はございますが、昨日まで使用していたというよりは、しばらくの間は大切に保管されていたのではないかと思います。今回、お客様よりご依頼いただいた修理内容は全体を黒に染め替える”カラーチェンジ”と大々的な修理内容となりましたがとても綺麗な仕上がりとなりましたのでぜひ、最後までご覧頂けると幸いです。ルイ・ヴィトンのヴェルニといえばその高級感のある光沢と型押しのモノグラム柄が上品なルイ・ヴィトンでも人気の定番ラインですが誕生は1998年、ニューヨーク出身のマーク・ジェイコブスがアーティスティック・ディレクターに就任し、プレタポルテ・コレクションのために作ったラインです。ヴェルニに使用されている素材は、カーフスキン。「カーフ」は仔牛のことで、生まれてから6カ月以内の仔牛のなめし皮を「カーフスキン」と呼びます。傷などが少なく、柔らかくて薄いという特徴があります。牛革の中で最も高い価値があるカーフスキンにカラフルなエナメル加工を施し、モノグラムのモチーフを型押ししています。上質で繊細な革を素材に使用することで、より上品な雰囲気を演出しているのですね。

修理リペアの実例概要

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では、早速ご依頼のあった「Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)ヴェルニ スプリングストリート ハンドバッグ M91068」を見ていきましょう。こちらのライムイエローは発売が1999年とありますから、さかのぼると約20年以上前に製造されたと推定されます。20年というと革の一般的な寿命は5~10年とされていますから、コーティングの劣化はあるものの状態の良い印象です。ヴェルニに使われている”カーフスキン”は生まれてから6ヵ月以内の仔牛の革のため柔らかい分キズにや水に弱いといったデメリットもあげられます。しかし、ルイ・ヴィトンのヴェルニは贅沢にも希少価値の高い”カーフスキン”の上にエナメル加工を施してあるので水に対しての耐久性が他の商品より比較的高く、キズが付きにくいことがメリットとなっています。お預かりしたお品物もエナメル表面はコーティングがはがれ変色してしまっていますがバッグ本体自体に型崩れなどの劣化は見られず、ハンドバッグとして使用するには問題ない状態でした。お客様のご希望は黒のエナメルへ染め替え修理とのことでしたので弊社の革修復師が実物を見て最終的な修理内容のご提案をさせて頂きました。

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こちらはかぶせ部分のアップです。経年劣化で仕方のないことなのですが全体的にコーティングが剥がれているため、ライムイエロー色がまだらになっています。これは色自体が剥がれているわけではなく一番表面のコーティングが剥がれたことで色の差ができてしまっているのです。また元々は透明なコーティングが経年劣化でくすんだ色になっていることも色の差が大きく感じる理由かと思います。今回は修理のご希望色が黒ということでしたので問題なく修理可能と判断させていただきました。ルイ・ヴィトンの染め修理にかかわらず人気の”染め直し修理”ですが、基本的に元の色より濃い色にのみ染め替えが可能です。というのも、どうしても薄い色は濃い色に負けてしまうため思い通りの色にならないことが多いためです。油絵のようにべったりと色を乗せてしまえば可能なのかもしれませんが、相手は”革”で生き物です。革好きの方というのは革の風合いを大切になさるかと思います。油絵のようにべったりと塗ってしまえば革本来の風合いが消えてしまいます。シボやブランドロゴの型押し部分も埋まってしまうリスクも考慮したうえでご提案させていただいています。今回は黒に染めていきたいと思います。

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こちらが黒に染めた後の写真です。ムラなく黒色に染め上げることができました。金具部分などはマスキングをして染まらないように気をつけて染めていきます。ルイ・ヴィトンの修理専門店であるPROSHOP HIRAISHIYAではエナメルのバッグの染め直し修理に”染料”という溶剤を使用しています。そもそも、染める溶剤には大まかに2種類がありひとつは”染料(せんりょう)”でもうひとつは”顔料(がんりょう)”があります。染料のイメージとしては革に浸透し染めていく溶剤で、顔料は革の表面に色を乗せていくイメージです。染め修理のお品物に合わせて染料または顔料のどちらかを使うか決めていきます。今回のようなエナメル素材には顔料と思われがちですが染料で染めていくのが弊社のこだわりです。なぜならば、先ほどお話したように顔料は革の表面に色を乗せていくような染め修理となりますので革の風合いを消してしまう恐れがあります。そもそもカーフスキンにエナメル加工をしている段階で革の本来の風合いというのも変な話かもしれませんが、顔料では塗った感が出てしまうことも確かです。本来のエナメルの上品さを残すためにも染料を使って染めていきました。

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さらに染め替え修理後を近づいて見ていきましょう。二枚目の写真で見たハンドバッグのかぶせ箇所のお写真です。一番まだら模様になっていたかぶせ部分ですが、こちらも綺麗に染め上げることができました。こうして黒色に染め替えることで新品同様のルイ・ヴィトンのハンドバッグに蘇ることができました。すでにカーフスキンの平均的な寿命は過ぎていても手を加えることでまた、持ち主様に使っていただけるのことはバッグ自身もうれしい限りかと思います。長々と紹介してきましたが、以上でルイ・ヴィトンバッグの染め替え修理のご紹介を終わりたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。ルイ・ヴィトンの修理専門店REPAIR-SHOP HIRAISHIYAではお客様の様々なご要望にお応えできるよう日々研究に努めております。ルイ・ヴィトンの正規店では行なっていない染め替え修理はもちろんのこと、こんな修理がしたい。こんな風にリペアしたいなどのご相談がございましたら公式サイトのお問い合わせフォーム又はお電話にて無料カウンセリングを行っておりますのでぜひご活用くださいませ。お客様のご利用をスタッフ一同お待ちしております。