2023/11/19

ルイヴィトン修理リペア

ルイヴィトン|バッグ修理

今回、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)の修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYAがご紹介させていただくお品物は「Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)ヴェルニ ヒューストンM91055」でお色は”ライムイエロー”です。そのサイズ感といえば幅が約30cm×縦25cmとコンパクトでありながら使い勝手の良いサイズ感としっかりとしたマチ付きのため収納力も抜群なトートバッグです。こちらのヴェルニの”ヴェルニ ヒューストンM91055”は爽やかなイエローカラーが目を引く一品となっております。そんな”ライムイエロー”ですが1999年に発売した限定色となっており、現在は公式オンラインでは手に入れることができない少し珍しいお品物となっております。ルイ・ヴィトンの修理専門店である弊社でも近年の流行りであるコンパクトなバッグの修理ご依頼を頂くことが増えてきたように感じます。先日の実績紹介では形違いのハンドバッグである”スプリングストリート ハンドバッグ M91068”もご紹介いたしました。今回お預かりしたライムイエローのトートバッグも使用感はございますが、昨日まで使用していたというよりは、しばらくの間は大切に保管されていたのではないかと思います。今回、お客様よりご依頼いただいた修理内容は全体を黒に染め替える”カラーチェンジ”と大々的な修理内容となりましたがとても綺麗な仕上がりとなりましたのでぜひ、最後までご覧頂けると幸いです。ルイ・ヴィトンのヴェルニといえばその高級感のある光沢と型押しのモノグラム柄が上品なルイ・ヴィトンでも人気の定番ラインですが誕生は1998年、ニューヨーク出身のマーク・ジェイコブスがアーティスティック・ディレクターに就任し、プレタポルテ・コレクションのために作ったラインです。ヴェルニに使用されている素材は実は、カーフスキン。「カーフ」は仔牛のことで、生まれてから6カ月以内の仔牛のなめし皮を「カーフスキン」と呼びます。傷などが少なく、柔らかくて薄いという特徴があります。牛革の中で最も高い価値があるカーフスキンにカラフルなエナメル加工を施し、モノグラムのモチーフを型押ししています。上質で繊細な革を素材に使用することで、より上品な雰囲気を演出しているのですね。エナメルは革のイメージとは異なるため本革と聞いて驚く方もいらっしゃるのではないでしょうか。

修理リペアの実例概要

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では、REPAIR-SHOP HIRAISHIYAへご依頼のあった「Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)ヴェルニ ヒューストンM91055」を見ていきます。こちらの限定色であるライムイエローは発売が1999年とありますから、さかのぼると約20数年以上前に製造されたと推定されます。20年というと革の一般的な寿命は5~10年とされていますから、コーティングの劣化はあるものの状態の良い印象です。ヴェルニに使われている”カーフスキン”は生まれてから6ヵ月以内の仔牛の革のため柔らかい分キズや水に弱いといったデメリットもあげられます。しかし、ルイ・ヴィトンのヴェルニは贅沢にも希少価値の高い”カーフスキン”の上にエナメル加工を施してあるので水に対しての耐久性が他の商品より比較的高く、キズが付きにくいことがメリットとなっています。お預かりしたお品物もエナメル表面はコーティングがはがれ変色してしまっていますがバッグ本体自体に型崩れなどの劣化は見られず、トートバッグとして使用するには問題のない状態でした。お客様のご希望は黒のエナメルへ染め替え修理でしたので弊社の革修復師が修理内容のご提案をさせて頂きました。

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こちらが染め替え修理をする前のエナメル素材を近くから見た写真です。経年劣化で仕方のないことなのですが全体的にコーティングが剥がれているため、ライムイエロー色がまだらになっています。これは色自体が剥がれているわけではなく一番表面のコーティングが剥がれたことで色の差ができてしまっているのです。また元々は透明なコーティングが経年劣化でくすんだ色になっていることも色の差が大きく感じる理由かと思います。今回は修理のご希望色が黒ということでしたので問題なく修理可能と判断させていただきました。ルイ・ヴィトンの染め修理にかかわらず人気の”染め直し修理”ですが、基本的に元の色より濃い色にのみ染め替えが可能です。というのも、どうしても薄い色は濃い色に負けてしまうため思い通りの色にならないことが多いためです。油絵のようにべったりと色を乗せてしまえば可能なのかもしれませんが、相手は”革”で生き物です。革好きの方というのは革の風合いを大切になさるかと思います。油絵のようにべったりと塗ってしまえば革本来の風合いが消えてしまいます。シボやブランドロゴの型押し部分も埋まってしまうリスクも考慮したうえでご提案させていただいています。

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こちらが染めた後の写真です。綺麗な黒色に染め上げることができました。金具部分などはマスキングをして染まらないように気をつけて染めていきます。ルイ・ヴィトンの修理専門店であるPROSHOP HIRAISHIYAではエナメルのバッグの染め直し修理に”染料”という溶剤を使用しています。そもそも、染める溶剤には大まかに2種類がありひとつは”染料(せんりょう)”でもうひとつは”顔料(がんりょう)”というものがあります。染料のイメージとしては革に浸透し染めていく溶剤で、顔料は革の表面に色を乗せていくイメージになります。染め修理のお品物に合わせて染料または顔料のどちらかを使うか決めていきます。今回のようなエナメル素材には顔料と思われがちですが染料で染めていくのが弊社のこだわりです。なぜならば、先ほどお話したように顔料は革の表面に色を乗せていくような染め修理となりますので革の風合いを消してしまう恐れがあります。そもそもカーフスキンにエナメル加工をしている段階で革の本来の風合いというのも変な話かもしれませんが、顔料では塗った感が出てしまうことも確かです。本来のエナメルの上品さを残すためにも染料を使って染めていきました。

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さらに染め替え修理後のバッグに近づいて見ていきましょう。今回はヌメ革を使用しているハンドル部分とバッグとの接続部分である”根革”も新しいヌメ革に交換いたしました。染め替え修理とヌメ革交換で新品同様のルイ・ヴィトンのトートバッグへ蘇ることができました。根革部分は負担がかかりやすくちぎれてしまうことも少なくありません。今回交換修理をすることでバッグ自体の耐久性が上がりました。すでに革の平均的な寿命は過ぎていても手を加えることでまた、長くお使いいただけますね。今回はエナメルバッグの染め替え修理とヌメ革交換修理をご紹介してきましたが、以上でルイ・ヴィトンバッグの染め替え修理のご紹介を終わりたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。ルイ・ヴィトンの修理専門店REPAIR-SHOP HIRAISHIYAではお客様の様々なご要望にお応えできるよう日々研究に努めております。こんな修理がしたい。こんな風にリペアしたいなどのご相談がございましたら公式サイトのお問い合わせフォーム又はお電話にて無料カウンセリングを行っておりますのでぜひご活用くださいませ。お客様のご利用をスタッフ一同お待ちしております。