2024/02/21

ルイヴィトン修理リペア

クリーニング

こんにちはREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)です。今回REPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)でご紹介するのはLouis Vuitton”モノグラム・ジャガードスピーディ”のクリーニング修理についてのご依頼です。モノグラム・ジャガードとは、ルイヴィトンが創業した1854年という歴史的な年にちなんで名付けられたシリーズで、「1854」があしらわれたジャガードが特徴的なデザインです。ジャガードとは簡潔に言うと、ジャカード織機(しょっき)を使って織りや編みで柄を作った織物生地のことで、プリントにはない立体感や高級感が生まれる技法です。ジャガード織りの特徴としては、模様がプリントされた生地に比べて厚みがあり、立体的に見えるということです。また、同等の太さの縦糸と横糸を不規則に織っていくため、複雑な柄も再現することが可能です。立体的な柄が浮き上がり綺麗に表現され、また色落ちもしにくいというメリットがあります。ジャガードの語源は、フランスのジョゼフ・マリー・ジャカール(Joseph Marie Jacquard)という発明家がジャカード機を発明し、その名前から「Jacquard=ジャガード」と呼ばれるようになったと言われています。このような技法を使い、現在のウィメンズアーティスティックディレクターの「二コラ・ジェスキエール」が1896年に生まれたルイヴィトンを代表する伝統的なラインであるモノグラム・キャンバスのモチーフと、ルイヴィトンの創業年である1854年を融合させて2020年の秋冬コレクションで誕生したデザインが「モノグラム・ジャガードSince1854(シンス1854)」ラインになります。生地の柄はルイヴィトンモノグラムで使用されている花のモチーフとSince1854がジャガード織りされており、数字の「8」の部分はモノグラム・キャンバスのモチーフの花びらと思わせるようなユニークで独創的なデザインとなっています。モノグラムジャガードラインは他のルイヴィトンラインとは一線を画すメモリアルな逸品です。レディースラインの商品ではありますが、男性でも女性でも使いやすいデザインではないでしょうか。

修理リペアの実例概要

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それでは、REPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)へ修理のご依頼をいただいたバッグを見ていきましょう。こちらが今回REPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)でお預かりした「モノグラム・ジャガードSince1854スピーディ」です。モノグラムジャガードSince1854ラインのアイテムは今回ご依頼いただいたスピーディのようなバッグをはじめ、シューズ、ハット、ストール、ベルトまで充実のラインナップが出されています。カラー展開は様々なスタイルに馴染むグレー、差し色としても活躍するボルドー、男性の方でも使いやすいブルーの3色で展開されています。現在はグレーとボルドーの2色が現行販売されていますが、公式サイトでは2色とも完売が相次いでおりモノグラム・ジャガードSince1854ラインの人気ぶりが伺えますね。一方で1930年に誕生したスピーディも様々な特徴や魅力を備えていることから世界中で人気を集めているアイテムです。

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スピーディは旅行用のボストンバッグとして人気が高かったキーポルを元に、自動車の助手席に気軽に置けるバッグとして開発されました。様々なサイズが出されているのが魅力で、普段使いできる小さめのサイズや、出張や旅行の際の持ち歩きバッグとして活躍する大きめのバッグなど、5つのサイズが展開されています。このように様々なシーンで使いやすいバッグとなっているのでその分汚れも付きやすいです。今回ご依頼いただいたスピーディも内側に何かがこびりついた頑固な汚れが広い範囲に付いてしまっていて、表側と内側全体的に汚れが付いてくすんでいる状態でした。クリーニングをする際は最初にブラッシングをしていきます。ブラッシングでゴミやちりをある程度綺麗にしておかないと洗剤を付けて洗っていく作業の際、ゴミやちりが固まってしまい繊維や革の凹みなどにつまってしまいます。内側に付いていたこびりついた汚れはこのブラッシング作業である程度綺麗に落とすことができたので、最初にブラッシングをすることはとても重要です。次に専用の洗剤を使ってクリーニングをしていきます。クリーニングを始める前は必ず色移りが起こらないか確認しなければいけません。

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モノグラム・ジャガードSince1854のスピーディは白黒の生地で織りなされたバッグなので、目立たないところを綿棒で拭いて濡らして色移りが起こらないか慎重に確認していきました。今回のご依頼品は色落ちや色移りが起こらなかったため汚れがしっかりと落ちるように強いシミ抜き剤を使用してシミ抜きを行いました。シミ抜きをした後は弱い洗剤を使ってクリーニングをしていきます。ここで色移りが起こらなかったからと言って水でびちゃびちゃに濡らしながらクリーニングをすることはしてはいけません。最初の確認では大丈夫だったとしても、バッグに水分を多く含ませてしまうと色移りが起こってしまう可能性が高くなりますので、なるべく水分は使わないように最低限の濡らし方でクリーニングを行いました。このようにしてクリーニング修理が完了したバッグを近くから見た写真がこちらです。モノグラム・ジャガードのユニークで特徴的な柄に付いてしまった汚れがとても目立っている状態でしたが、シミ抜きとクリーニングを行うことによって白と黒のコントラストがはっきりと分かるようになり、全体的にくすんで見えていたバッグを新品同様に蘇らせることができました。

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クリーニングが完了したバッグはその後の保管方法も大事です。REPAIR-SHOP HIRAISHIYAで仕上がりが完了したご依頼品は不織布で丁寧に梱包してお客様に発送いたします。不織布に入っている状態でも保管は可能ですが、3か月以上保管される場合は不織布から出した状態で保管されることをおすすめいたします。また、保管する場所は直射日光が当たらない風通しの良い場所に置いていただくことでカビが発生するのを抑制することが可能かと思われます。以上で、REPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)の修理内容のご紹介を終わらせていただきます。最後までお読みいただきありがとうございました。REPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)では、Louis Vuitton(ルイヴィトン)の正規点では断られてしまった修理内容もお受けできる場合がございますので、ぜひ一度ご相談くださいませ。お客様のご利用をスタッフ一同お待ちしております。