2024/06/14

セリーヌ修理リペア

ハンドル交換修理

こんにちは。高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店のREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)です。今回、高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)でご紹介するのは”CELINE(セリーヌ)”のハンドバッグのハンドル交換修理についてのご依頼です。セリーヌは第二次世界大戦が終わって間もない1945年に創業されたブランドで、当時はデザイナーのセリーヌ・ヴィピアナと夫のリチャードが自分の子供のためにオーダーメイドの子供用革靴専門店としてオープンさせたのが始まりでした。その後1959年頃、子供靴だけでなく大人の靴も作ってほしいという要望から婦人靴の販売も開始するようになり、馬具の轡(くつわ)型の金具が特徴の婦人用であるモカシンが人気になりました。ブランド名のセリーヌは創業者でデザイナーであるセリーヌ・ヴィピアナの名前から取られたものです。セリーヌは「女性らしくありつつも自立しているアクティブな女性」をコンセプトに掲げていて、20代後半から40代の女性を中心に幅広い年代の方々から人気があります。もともとはパリの高級住宅街に住むセレブに人気のブランドで、時代の流れによって年齢層が高めのブランドイメージがついた時代もありましたが、その後ターゲットをアメリカのキャリア層に変えたことでファッションに敏感な働く女性たちからの人気獲得に成功しました。また、ハイブランドと言えばブランドロゴを前面に押し出したアイテムが多いかと思いますが、セリーヌはロゴを目立たせてブランドを強調するスタイルではなく、ブランドを強調しないことで気品を高め、高級感を際立たせていることが特徴です。シンプルで上品なデザインが多いのでいかにもブランドものというよりはさりげなく良い物を持ちたいという方に好まれています。セリーヌの代表的な革のアイテムには、カーフレザー(子牛の革)やラムレザー(子羊の革)などの高品質な革が使用されています。これらの革は使用していくうちに手に馴染んでいくので使い心地が良く、見た目のラグジュアリー感も感じられます。シンプルなデザインと高品質な素材で作られたセリーヌのアイテムはビジネスやカジュアル、プライベートなど、どんなシーンにも合わせやすいので様々な場面で活躍してくれるのではないでしょうか。

修理リペアの実例概要

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セリーヌの長年のブランドアイコンは「マカダム柄」でしたが、現在は「トリオンフ柄」にデザインが変更されています。マカダム(macadam)を直訳すると「砕石(さいせき)」と言い、かつて馬車が通っていたフランスの歩道の名前である「マカダム式舗装」が名前の由来となっています。パリのエトワール凱旋門のチェーンからインスピレーションを受けて誕生しました。新たなセリーヌのアイコンとなったトリオンフ(triomphe)はフランス語で「凱旋(がいせん)」と言い、2019年にセリーヌのクリエイティブディレクターに就任したエディ・スリマンが手掛けたデザインとなります。マカダムとトリオンフの違いについて説明をさせていただくと、トリオンフはマカダムよりも両端の”C"のデザインが丸みを帯びて少し長くなっているのが特徴です。その他にはマカダムにはない陰影が表現されているなど、高級感のある新しいブランドアイコンとなりました。今回のご依頼品は旧アイコンであるマカダム柄のハンドバッグです。マカダムの商品は現在では廃盤となっていますが、そのレトロで個性を感じさせるデザインは、今でも世界中の幅広い世代に人気のアイテムです。

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今回のご依頼品は古いモデルということもあり製造年数が経っているので、ハンドル部分の革がひび割れたり破けたりしていました。また、ハンドルのコバ(革の断面をコーティングしている縁の塗料)も剥がれている状態でした。コバは製品の見た目の美しさを保つだけでなく、摩擦や衝撃を受け流す役割も兼ねていますのでとても重要な加工です。コバが劣化して革が破けてしまったら接着してもまた剥がれたり破れたりしてしまうので新しい革への交換を行います。ハンドルというのは常に手で握っている部分ですので革に大きいダメージがかかってしまうものです。少しでも長く製品を愛用していただくためにも、丈夫で頑丈な作りになるように作成していきます。交換に使う革はヌメ革を使用します。ヌメ革とは、タンニンを使って牛の皮を鞣し(なめし)、型押しなどの表面加工をほとんど施さずに仕上げた革のことです。ひと目で本革だと分かる自然な風合いと高い上質感、素朴な匂いやなめらかな手触りが魅力です。また、ヌメ革は日光や熱で日焼けしたり、オイルクリームや皮膚の脂が染み込むことによって色が濃く変化していく特徴があり、こちらは経年変化(エイジング)と呼ばれます。

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こちらがハンドル交換修理が完了した修理箇所を近くから見た写真です。修理前のハンドルは経年変化(エイジング)によって色が濃くなり黒っぽい見た目になっていましたが、交換の際は新しいヌメ革を使用しますので本来の茶色のヌメ革に生まれ変わりました。セリーヌのロゴやパイピング(縁周りの細い革)、両サイドの耳革部分はハンドルよりも経年変化が起こっておらず茶色のままだったので、できる限り他のヌメ革部分に色が合うようなヌメ革を使ってハンドル交換を行いました。どうしても交換した箇所としない箇所ではヌメ革部分の色の違いが出てしまいますが、そこまで見た目の大差無く仕上げることができたのではないかと思います。また、革の断面にコバも塗ることでハンドルの耐久性を高くしました。セリーヌのバッグは、質の高い「カーフスキン(生後6カ月程度の仔牛の革)」が良く使われていて、触った感触がとてもやわらかいです。カーフスキンは薄手で繊維が細かく、革の表面がとてもなめらかなので手触りが心地よい最上級の素材となっています。こだわりは製品の品質だけでなく、収納力や持ち手の使いやすさなど、実用性がとても高いということも特徴のひとつです。

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現在ファッション業界はリバイバルブームが起こっていて、ヴィンテージやオールドと呼ばれる昔のモデルが人気となっており、セリーヌでは今回のご依頼品のような旧ブランドアイコンであるマカダム柄もまた人気が再熱しています。マカダム柄は若い世代には目新しく、現行モデルより価格が安いことが多いので購入しやすいということも人気の理由の一つかもしれません。セリーヌはバッグ以外にも香水、アクセサリー、財布、シューズなどおすすめのアイテムがたくさんあるのでぜひチェックしてみてください。以上で、今回の高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)の修理内容のご紹介を終わらせていただきます。最後までお読みいただきありがとうございました。高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)では、CELINE(セリーヌ)などの高級ブランドの正規店では断られてしまった修理内容もお受けできる場合がございますので、ぜひ一度ご相談くださいませ。お客様のご利用をスタッフ一同お待ちしております。

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