根革の修理について

2023.01.24

革のバッグはできるだけ長く使いたいですよね。特にお気に入りのものは自然と使用頻度も高くなると思います。

しかし、使用頻度が高くなるということはそれだけバッグにも負荷をかけるということです。特に「根革」と呼ばれる部分は一番負荷がかかる箇所のため、それだけ劣化も早くなります。

REPAIRーSHOP HIRAISHIYAにもこの「根革」修理のご相談が多く寄せられています。

様々な根革

1 根革とは?

「根革」とは、バッグ本体とショルダーベルトやハンドル(持ち手)を繋ぐための革パーツのことを指します。角カンやDカンなどの金具が付いていることも多く、バッグの重さを支えるパーツとして非常に重症な役割を担っています。しかしその分かかる負荷も他の箇所とは比べ物になりません。どれだけ上部に作られて、どれだけ手大切に扱っていたとしても、この「根革」は劣化を避けられないのです。

2 根革の修理

根革の修理にも様々な方法がありますが、今回は特に事例が多い角カンやDカンが付いている根革の修理をご紹介いたします。(※角カン:四角い金具/Dカン:アルファベットのDの形をした金具)

2-1 根革の取り外し

根革の修理はそのほとんどが革を交換するようになります。新しい革を取り付けるため、破損している根革を取り外します。この時、根革を本体に留めている金具は代替品へ交換します。こういった部分の金具は一度取り外してしまうと再利用ができないため、根革そのものや金具にブランドの刻印があるものについては刻印がないタイプへの交換です。

2-2 根革を切り出す

新しい革で根革を作り直すため、まずは元々付いていた根革の型を取ります。そうして新しい革から同じ形の根革を作成しています。

2-3 根革を取り付ける

新しく作った根革を取り付けます。職人が手作業で行いますため、綺麗な縫い目になります。

3.根革の修理事例

根革にも様々な種類、形があります。簡単にですが、修理事例を見てみましょう。

3−1 修理事例①

こちらはショルダーバッグ(ルイヴィトン)の根革修理。バッグ本体に付いている根革が千切れてしまっていました。刻印のあったビスは刻印が無いシンプルな代替品へ交換され、根革本体も新しい革へ交換されています。とってもきれいになりましたね。

3-2 修理事例②

こちらは千切れてはいませんが、劣化が進んだ根革の修理です。バッグ本体の根革とショルダーベルト側に付いている根革両方を交換しています。

3-3 修理事例③

こちらは大きめのトートバッグ(ルイヴィトン)の根革交換です。簡易的な補修として糸で縫い合わされていましたが、やはりバッグの重さを支える部分としては心許ないですね。しっかりと新しい革へ交換いたしました。この事例の場合、元々付いていた革よりも新しい革の方が濃い色に見えます。ヌメ革での交換ですので、交換箇所の色合いが異なることはどうしても避けられません。色合いの違いが気になる場合は、他の箇所の交換も一緒に承ることができます。

まとめ

根革は千切れたり破損したりしてしまうとバッグを持つことも難しくなる箇所であり、同時に一番負荷がかかっているため破損しやすい箇所でもあります。お気に入りのバッグを使いたいけど根革が千切れて使えないままクローゼットの奥にしまい込んでいたりしませんか? REPAIR-SHOP HIRAISHIYAではご注文の前に相談できる無料カウンセリングも開設しています。少しでも気になった場合は一度ご相談だけでもいかがでしょうか?