LOUIS VUITTON ネヴァーフルについて

2023.04.26

LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)の中でも人気の高い「ネヴァーフル」トートバッグ。

ルイヴィトン好きはもちろんご存知でしょうが、高級ブランドに詳しくないという方も一度くらいは見たことはあるのではないでしょうか。

ネヴァーフルは軽くて大容量で大変使い勝手が良いものです。2007年に誕生してから実に10年以上経っても現役で新作が出続けており、LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)の中でも定番と言えるでしょう。

今回はそんなネヴァーフルと、ネヴァーフルのクリーニング・リペアについてご紹介していきます。

1.ルイヴィトン ネヴァーフルって?

LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)のネヴァーフルが誕生したのは2007年で、名前は「どんなに入れてもいっぱいにならない」=「Never full(ネヴァー フル)」という意味だそうです。

Louis Vuitton ネヴァーフルMM

1−1 バリエーション

誕生から10年、新作が出続けているルイヴィトンのネヴァーフルには様々な柄・バリエーションがあります。表地は人気の高いモノグラムやダミエ、ダミエ・アズール、エピ、彩度の高いアルファベットが印象的なグラフィティ、モノグラムとベージュのストライプが美しいレイユール、そして各アーティストとのコラボデザインなど、豊富なラインも魅力のひとつですね。

さらにネヴァーフルには「マイLV(ルイヴィトン) ヘリテージ」というカスタマイズサービスもあります。表面に入れるラインやライニング(裏地)のカラー・サイズが選べ、自分好みにカスタマイズすることが可能です。ちなみにこの時のライニングのカラーバリエーションは実に14色! ルイヴィトンらしい色合いでカスタマイズ画面を見ているだけでワクワクしてしまいます。

1-2 サイズ

ルイヴィトン ネヴァーフルのサイズ展開は3つです。ルイヴィトンのサイズ名称はアルファベット2文字で表示されていることが多いですが、このネヴァーフルもそれに当てはまります。アルファベット2文字のサイズ表記は全てのアイテムで共通して使われているものではなく、同時に呼称によってサイズが固定されているというわけでもありません。例えばネヴァーフルのPMとアルマのPMのサイズは異なります。

ネヴァーフル PM(Petit Modele) 幅29x高さ21xマチ12 cm

Petitはフランス語で小さいものや小さい子供に対してかわいいという意味で使われます。PetitModeleもネヴァーフルのサイズ展開の中では一番小さいものがそう呼ばれています。とはいえネヴァーフル。その収容力は間違いありません。ちょっとしたお出かけにはもちろん、コンパクトにまとめられる分フォーマルな場でも活躍が期待できますね。

ネヴァーフル MM(Moyen Modele) 幅31x高さ28xマチ14 cm

Moyenとはフランス語で平均という意味で、Moyen Modeleもその名の通りネヴァーフルのサイズでは中くらいの大きさです。まさに日常使いに適した大きさと言えるでしょう。実際に街中で見かけるネヴァーフルはこのMMが多いのではないでしょうか。

ネヴァーフル GM(Grand Modele) 幅39x高さ32xマチ19 cm

Grand、つまり大きいという意味のサイズです。旅行バッグとしても使えるこのサイズはあまりお目にかかることが無いかもしれませんね。しかし、まさに大容量。ネヴァーフルの名に恥じない大きさです。

1-3 シルエットチェンジ

ルイヴィトン ネヴァーフルの特徴としてシルエットチェンジが可能という点が挙げられます。側面に付いているサイドレース(細い革ひも部分のこと)をキュッと絞ると横に広がっていた口が中心に向かって閉じられ、カジュアルからフォーマルなテイストへと様変わりします。その時々で使い方を変えられるのもネヴァーフルが10年以上愛され続ける理由のひとつなのでしょう。

サイドレースをキュッと絞ると……
シルエットチェンジ!!

2.ルイヴィトン ネヴァーフルのクリーニング

様々な場で活躍するルイヴィトンのネヴァーフルですが、その分汚れが付く機会が増えてしまいます。汚れが付いたままだとカビや変色、劣化の原因となってしまいますためしっかりとお手入れしたいですね。

2−1 色落ちチェック

REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでクリーニングの前に必ず行うのが色落ちチェックです。特に革部分は水やアルコール、エタノールでも色落ちする可能性があるものです。クリーニングの前に革から色落ちしないかどうか確認をいたします。確認を怠ればクリーニングし始めてから革の色が染み出てしまい周りの生地に色移りしてしまった……なんてことも十分ありえます。色移りしてしまうとそれを落とすのが非常に大変になりますため、この段階でしっかりとチェックしておくのです。

2−2 洗い

ルイヴィトン ネヴァーフルは特殊な洗剤を使用して洗います。REPAIR-SHOP HIRAISHIYAに依頼されるほとんどはモノグラムやダミエなどのラインであり、この合成皮革(トアル地)を傷つけないようお手入れをしなければなりません。そのため専用の洗剤を使用し、できる限り負荷を加えない方法で洗っております。ただし、状態やものによってはクリーニング自体しない方が良いものもありますので入念なチェックが必要です。例えばトアル地の劣化が激しくてひび割れや剥がれなどが見られている場合がこれに当たります。そのためREPAIR-SHOP HIRAISHIYAでは力を加えると悪化してしまうような症状の場合、事前にお伝えしています。

2−3 乾燥

洗いが終わった後はしっかりと乾燥させます。温度を加えたり遠心力を加えたりすると破損する可能性がございますため、乾燥は全て自然乾燥で行います。ここで完全に乾燥させなければカビや匂いの原因になってしまいますため、十分な乾燥が必要です。

乾燥後はブラッシングや乾拭きで仕上げて完了です。

3.ルイヴィトン ネヴァーフルのリペア

 ルイヴィトン ネヴァーフルは使い勝手が良く、活躍の場も多いためその分バッグに負荷がかかってしまい劣化してしまった、なんてこともあるのではないでしょうか。ここからはそんなネヴァーフルの修理・リペアについてご紹介していきます。

Louis Vuitton ネヴァーフル 口革交換修理
(左:修理前/右:修理後)

3−1 革部分の交換

ルイヴィトン ネヴァーフルの修理依頼で一番多いのは革部分の交換修理です。革部分と言ってもハンドル(持ち手)や口革、サイドレースに内側のポケット口部分など様々な部位があります。中でも多いのはハンドルと口革部分でしょう。この2箇所については使用中に一番と言っていいほど動きがあります。バッグを開こうとすればハンドルも口革も動かさなくてはなりません。そして動きが多ければ多いほど負荷は大きくなり、劣化も早くなるのです。

革部分の交換修理には新しい革を使用します。新しい革から交換する部分と全く同じ形に革を切り出して取り付けるようになります。この時、色が染められている場合はできる限りその色に似た色で作成することになりますが、完全に同じ色になるとは言い切れません。

また、ヌメ革交換修理の場合は新しい革の色になりますため、周りの色が経年変化で飴色になっていたとしてもその色にすることはできません。交換した新しい革も部分的に変化していくことをお楽しみいただくか、どうしても色が気になる場合は周りのヌメ革も全て交換修理をすることで色の差をなくすことができます。

革交換修理のおおよその金額は次の通りです。※あくまでおおよその金額です。状態やものによっては変動する可能性がございます。詳しい金額をお知りになりたい方は無料カウンセリングへお問い合わせください。

・ハンドル交換修理※2本:28,000円くらい(税抜き)

・口革交換修理:10,000円くらい(税抜き)

・サイドレース交換修理※片側:11,000円くらい(税抜き)

3−2 ライニング(内装)の交換

ルイヴィトン ネヴァーフルのライニング(内装)はカラフルなテキスタイルが特徴的ですよね。しかし、長く使用していればいずれは劣化してしまうものです。ほつれや破れが気になる、カビが生えてしまった、気になる汚れが付いてしまった等、ライニングの交換修理に至る理由は様々だと思います。

REPAIR-SHOP HIRAISHIYAのライニング交換修理はシャンタン生地という代替生地への交換をいたします。シャンタン生地は一般的に上品な光沢が特徴で、よこ糸の太さを不規則にした織物のことを指します。べたつきが起こりにくく肌触りも良いため衣服にもよく使われています。このシャンタン生地を可能な範囲で似たような色のものを選びライニング張り替え修理を行います。残念ながらルイヴィトンの特徴的なテキスタイルの再現はできかねますため、その点については予めご了承ください。

3−3 金具はどうなるの?

ルイヴィトンに使用されている金具は全てルイヴィトンオリジナルのもので、金具ひとつひとつにLouis Vuittonの刻印が刻まれています。ショルダーベルトとバッグ本体を繋ぐ役割だったり、革パーツをバッグ本体に留めておく役割だったりと様々な箇所に使用されていますね。

Louis Vuitton ネヴァーフルに付いている様々な金具
(左:Dカン/中央:ナスカン/右:カシメ)

こういった金具は修理を行う際にどうしても取り外さなくてはならないこともあります。なかでもカシメ(又はハトメ)と呼ばれる生地同士を留めて繋ぐ際に使用されるパーツはルイヴィトンにも多く使用されています。このカシメは一度取り外すと再利用が出来なくなるため、Louis Vuittonの刻印が無いシンプルな代替品へ交換するようになります。もちろんルイヴィトン ネヴァーフルにも使われていますが、ネヴァーフルの場合はサイドレースと本体の間にあるキノコ型のヌメ革に使用されております。この部分はよほどのことが無い限り交換するほどの劣化をすることはほとんど無いと思われますため、ネヴァーフルについてはそこまでの心配はなかと考えられます。

他のナスカンやDカン、丸カン等は修理の際に取り外してもほとんどの場合そのまま再利用可能ですのでご安心ください。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか? ルイヴィトン ネヴァーフルの魅力、そしてクリーニングと修理・リペアについてご説明させていただきました。様々なシーンで活躍できる大容量のバッグ。使い勝手がいいからこそ長く使っていきたいですよね。ネヴァーフルは本体部分がかなり頑丈にできていますので、先に劣化が始まるのはどうしてもハンドルなどの革部分になります。まだまだ使いたいけどヌメ革の劣化が気になる、ハンドルが千切れてしまった等々、買い替える前に是非REPAIR-SHOP HIRAISHIYAにご相談ください!