人気ラインに多い修理内容について

2023.08.07

フランス・パリを本拠地とする、言わずと知れた超人気ブランド、ルイヴィトン。我々の住む日本でもその人気が衰えることはなく、現在国内には50店舗以上の店舗があり、東京だけで13店舗あります。フランスだけでなく多くの国と人に愛されるルイヴィトン。しかし、いくら高級ブランドとは言っても傷がついてしまったり壊れてしまう事はあります。「ルイヴィトンに修理を依頼すればよい」「修理専門店に依頼すれば直してもらえる」ということをわかってはいても、実際どんな修理を行うか、などについてはなかなかイメージしづらいですよね。今回は、ルイヴィトンの人気ラインを参考に、REPAIRSHOP HIRAISHIYAでの過去の修理事例についてもご紹介しながら、どんな修理方法があるのかについてご紹介していきたいと思います。

1.ルイヴィトンの人気ライン

まずはルイヴィトンの様々な人気ラインについて、それぞれの特徴についてのご説明も交えながら簡単にご紹介していきましょう。今回は全部で3つのラインをピックアップしてみました。

1-1.ルイヴィトン モノグラムライン

ルイヴィトンの代表格ともいえるモノグラムライン。一目でわかるブランドロゴとお花のモチーフが印象的なデザインですね。バッグは特に人気が高く、ショルダーストラップの取り外しが可能でハンドバッグとしてもショルダーバッグとしても使える2wayのデザインや大容量で使い勝手の良いネヴァーフルは愛用される方が多いですね。ストラップの付け替えや側面についているサイドレースを絞ったり広げたりすることで簡単にシルエットチェンジが出来るので、楽しみ方も広がります。定番のブラウンはもちろんですが、ベースカラーがホワイトやブラックのタイプなど様々なカラーが展開されており、ファッションにも合わせやすく人気があります。2023夏の「バイ・ザ・プール」コレクションでは白地のベースに淡いブルーやピンクでロゴがあしらわれたデザインのお財布も登場していますね。

1-2.ルイヴィトン ダミエライン

モノグラムラインと並んで人気なのがダミエラインです。モノグラムよりも先に、日本の市松模様からインスピレーションを受けて生まれたシンプルなデザインは、メンズ向けレディース向けだけでなくユニセックスなアイテムも多く存在し、幅広い層から愛されています。ダミエラインの定番、ブラウンの濃淡が主張しすぎないエレガントな雰囲気の「エベヌ(黒壇)」、白浜と海からインスピレーションを受けて作られたオフホワイト+グレーのさわやかな「アズール(紺碧)」、メンズ向けとして登場した黒+グレーでモダンな雰囲気の「グラフィット(鉱物)」と、カラーバリエーションも豊富なので、贈り物としても人気です。お財布の人気が高く、シンプルなカラーリングかつ長財布以外にもコンパクトなタイプも登場しており、女性からの支持も多く集めています。

1-3.ルイヴィトン エピライン

「エピ」というのはフランス語で麦の穂のことを意味します。線状に流れるように施された細い型押しが「麦が風になびいている様子」を思わせることからその名がついたとされています。グレインレザー(本革)が使用されており、40年持つともいわれるその優れた耐久性と鮮やかで豊富なカラーバリエーションが人気の理由です。発売当初はブラックやベージュなどシンプルなカラーだけでしたが、年を重ねるにつれてバリエーションを増やしてきました。現行のカラーだけで30色、過去に登場した廃盤カラーも含めると50色以上にもなります。エピラインからはもちろんバッグや財布も登場していますが、明るい鮮やかなカラーが多いためファッションのアクセントとして活用しやすいコインケースも人気です。

ルイヴィトン人気ライン 左からモノグラム、ダミエ、エピ

2.ルイヴィトン 人気ラインで多い修理内容

つづいては、ご紹介したルイヴィトンの人気ラインについて、それぞれ多い修理内容と、そうなってしまう原因についてご説明させていただきます。もしお手元に同ラインのバッグやお財布がある方は、現在の状態と照らし合わせながらお読みいただくのもおすすめです。「1.ルイヴィトンの人気ライン」でご紹介したのと同じ順番でご案内していきます。

2-1.ルイヴィトン モノグラムラインに多い修理内容

ルイヴィトンのモノグラムラインはご紹介した通り、バッグの人気がとても高いです。ルイヴィトンのバッグはその多くが持ち手やベルト部分にヌメ革を使用しています。バッグ本体と持ち手をつなぐパーツの「根革」という部分にもヌメ革が使用されているのですが、バッグの重さがかかりやすいため、永く使用していると徐々にヒビが入って最終的にちぎれてしまいます。当社ではこういった切れてしまった根革の交換のご依頼が多いです。このヌメ革は、エイジングを楽しむのにうってつけの素材といえます。使い込むごとに深みのある色、手になじむ質感が生まれ、自分だけの1点となるのです。しかし、そんな魅力的な素材ですが弱点もあるのです。それが「傷・水」です。ヌメ革は表面加工を施さない為、傷がとてもつきやすいです。また、ほんの数滴の水や雨でもシミになりやすく、きちんと拭き上げせずに放っておいてしまうとカビの原因にもなります。

長年の使用でちぎれてしまった根革

当社でのルイヴィトンの根革交換についての記事も公開しておりますので、ぜひこちらも併せてご覧ください。

ヌメ革(交換)について https://bag-repair.pro/blog/381/

2-2.ルイヴィトン ダミエラインに多い修理内容

ルイヴィトンのダミエラインはご紹介した通り、お財布がとても人気です。それに伴い修理のご依頼も多くいただきます。その中でも財布を使用する中で最も負荷のかかる部分である「ファスナー」は、特に多い修理依頼が多いです。「ファスナー」と大きく括って挙げさせていただきましたが、「ファスナー」は開け閉めするときに動かす「スライダー」、かみ合わせる歯の部分を指す「エレメント」、財布やバッグなど本体に縫い付ける「テープ」からできています。

テープの部分が破れてしまっていたり、引手が紛失してしまっていたり、スライダーを動かしてもきちんと閉じなかったりと、お預かりするお品物の状態は様々。ですが、こういった状態になってしまうのには1つの大きな要因があります。それは「入れすぎによる厚み(負荷)」です。3方向をぐるりと囲うタイプのファスナーは特にですが、収納力がとても高いのでレシートやポイントカードなど、ついついたくさん物を入れてしまいがちです。そうするとファスナーを閉める際には、引手やファスナー全体に大きく負荷がかかります。引手やスライダーは強い力で引っ張らなければなりませんし、閉めた後はテープがピンッと張った状態が続くため、徐々にスライダーが摩耗していき噛み合わせが悪くなったりテープの縫い目が裂けたりほつれたりし始めます。複数の部品で出来上がっている為、1か所が壊れてしまうと連動して他の部品も破損してしまう事もあります。

ファスナーを構成する部品の名称

2-3.ルイヴィトン エピラインに多い修理内容

エピは、本革(グレインレザー)を使用したラインです。グレインレザーというのは銀面と呼ばれる革の最も表面に近い面に型押し加工を施し、製品の表面にそのまま使用した革の名称です。「1.ルイヴィトンの人気ライン」でもご紹介した通り、耐久性に優れた素材が魅力ですが長く使い込んでいくうちに徐々に色が褪せてきてしまったり、角の部分が擦れて黒ずんできてしまいます。下のエピのお財布も、手に持つ際やカバンに入れているうちに起きる摩擦などの影響によって色あせてしまっています。ルイヴィトンのエピラインはカラー展開が豊富でとても鮮やかな色味が印象的です。パッと目を引く色味を維持して長く使いたいというお客様より、当社では退色部分の染色、あるいは全体の色の染め直し・染め替えのご依頼を多くいただいています。

3.REPAIRSHOP HIRAISHIYAでの過去の修理事例

根革交換のビフォーアフタ―

上の写真は、当社で行った根革交換の作業前と後の状態を記録したものです。切れてしまった根革が新品のヌメ革へと交換されました。このように完全にちぎれてしまった部分の交換はもちろんですが、劣化が進んできていてヒビが入っているというような(完全に切れてしまう前の)状態でも同様に修理を承っております。ショルダーベルトのタイプですと少なくとも根革は2か所、ハンドバッグで持ち手が二本の場合ですと根革は4か所あります。今回ちぎれてしまっているのは1か所だけだったとしても、近いうちまた1か所、もう1か所…とどんどんちぎれていってしまう可能性があります。また、ヌメ革の魅力であるエイジングにも差が出ます。修理後は真新しいヌメ革に代わってしまうので、その部分だけまた1からエイジングされていきます。長く使い込んだ部分と比較するとどうしても色の深みなどに違いが出てしまうため、気になる方は併せて他の部分の根革も交換することも是非ご検討ください。

上の写真は、全体的に色あせてしまったお財布の染色作業前と後の状態を記録したものです。全体満遍なく染色を施したことによって色味が戻ったのはもちろんですが、ツヤも出ていますね。擦れてしまったりするとどうしても摩擦によってツヤや色鮮やかさが失われて行ってしまいますが、このように染色を行うことでまた元のツヤを取り戻すことが出来ます。今まで挙げたファスナー修理などはルイヴィトンでも修理を受け付けていますが、実は染色に関してはルイヴィトンでは受け付けていないのです。当社では多くの実績と経験を活かし、元の色味に合わせ調色を行い染色作業を行っています。ぜひ色あせでお悩みの方は、お気軽にREPAIRSHOP HIRAISHIYAまでご相談ください。

REPAIRSHOP HIRAISHIYAでは、これまでにご紹介してきた根革の修理やファスナー交換、表面の染色について、詳細の修理工程などについて「実績紹介」としてホームページ内でもご紹介させていただいております。ぜひご参考になさってください。

【実績紹介】https://bag-repair.pro/achievement/

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はルイヴィトンの人気ラインで多い修理依頼の内容と、REPAIRSHOP HIRAISHIYAでの修理事例についてご説明させていただきました。

REPAIRSHOP HIRAISHIYAでは、ご紹介したようにルイヴィトンの染色やファスナーの修理、内装やヌメ革部分の交換なども承っております。もちろん、ルイヴィトン以外の高級ブランドのクリーニングや修理も承っております。当社のホームページ内にブランドごとに修理実績をまとめたページや、部品交換(修理)に際してのルイヴィトンのロゴなどに関する注意点等についてまとめたブログもございますので、ぜひご活用ください。

当社への修理のご依頼や、その他修理に関するご不明な点につきましては下記のリンクよりお気軽にお問い合わせくださいませ。修理ご依頼前に、破損や剥がれ等が生じている部分などに関して相談されたい場合は無料カウンセリングにて修理希望箇所のお写真を添付いただいたうえでご相談いただきますと、修理方法等ご提案・ご案内がスムーズです。各ブランドにて修理を断られてしまった場合でも、お受けできる場合がございますので、ぜひご活用くださいませ。

※ホームページ内に記載しております修理料金は、あくまでも目安としての物となります。修理内容や修理する範囲、備品(ファスナー等)の状況等によって前後いたします。修理等行うお品物を実際に確認し詳細のお見積りをご案内させていただきます。

【無料カウンセリング】https://bag-repair.pro/counseling/

(受付時間は午前10:00-12:00/午後13:00-17:00 土日はお休みです)

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(お電話からのご注文も可能です。☎0243-24-9477)

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(お手入れに役立つ情報や修理工程・過去の修理実例を紹介しています。)