Louis Vuitton 修理をする4つの利点

2023.09.04

洗練されたデザインと物持ちの良さを兼ね備えた超人気ブランド「ルイヴィトン」。世界的に人気を集めるルイヴィトンは日本人アンバサダーとして女優の広瀬すずさんや女子プロテニス選手の大坂なおみさんを迎え、積極的にブランドアピールを行っており、国内での人気もとても高いです。世代を問わずファッションに取り入れやすいので、5年10年たっても楽しめるブランドですね。

長年愛用するにつれて気になってくるのが「傷」「汚れ」「各パーツの劣化」です。いくら高級ブランドのアイテムであってもこれらのトラブルは当然起こってしまうものです。その時、「そのまま使い続ける」のか「修理をする」のか「新しいものに買い替える」のか、判断は人によってそれぞれかと思います。今回は高級バック・財布の修理専門店REPAIR-SHOP HIRAISHIYAの目線で「修理をする」ことについて4つの利点を踏まえながらご紹介させていただきます。

1.ルイヴィトン修理をする4つの利点

1-1.ルイヴィトン修理を行う利点 その1

まず1つ目の利点は「コストパフォーマンスが高い」という事です。

2023年7月、今年3度目の値上げにより下の画像に書かれている「ネヴァーフルMM」は¥253,000に、隣の「アルマPM」は¥281,600となりました。半年前と比較してそれぞれ約3%ほど料金が上がっています。2月、6月、7月と値上げが続いているのは円安、そして材料費高騰の影響を受けている為です。仕入れコストの上昇により、今までのコストとの差額を埋めるため、値上げをせざるを得ない状況となっています。また、近年牛肉の消費量が増加したことを受け、時間をかけた牛の育成が困難になってきています。これにより上質な牛革の供給量が需要を下回ってしまう状況となり、材料費高騰が進んでいるのです。

過去2021年、2022年も年に4回値上げを行ったという経緯や、今後も円安の影響は続くであろうという見込みからこれからも価格は高騰(あるいは横ばい)していくのではないかと思われます。長く使っているうちにパーツが壊れてしまったり、バッグの内装に大きなシミが出来てしまったりして新しいものに買い替えるとなった場合10万円~30万円、今後の円安などの状況によってはそれ以上の金額がかかります。しかし、買い替えではなく「修理」の場合、購入額の半額あるいはそれよりも低い金額で内装交換や染め替えが可能です。

REPAIRSHOP HIRAISHIYAの修理料金(目安)

1-2.ルイヴィトン修理を行う利点 その2

2つ目の利点は「ブランド価値を保つことが出来る」という事です。ルイヴィトンは、様々なラインのアイテムが続々登場しますが、「モノグラムミニ」系や「アマゾン※モノグラムライン」(斜め掛けのショルダーバッグ)など、すでに廃盤となってしまい入手困難なものもあります。せっかく手元にあるのに劣化してしまったり壊れてしまって使えなくなってしまうのはもったいないですよね。こういったアイテムも修理に出すことで希少なアイテムもブランド価値を維持しながら長くお使いいただくことが出来ます。

1-3.ルイヴィトン修理を行う利点 その3

3つ目の利点は「寿命を延ばすことが出来る」という事です。ルイヴィトンで多く使用されているヌメ革はパーツ交換を行うのですが、その際該当の部分は新品の物に交換します。持ち手部分やベルトなど、持ち運びの際に頻繁に触れる部分に多くヌメ革が使用されていますが、ヌメ側は非常に持ちの良い素材のため、こまめにメンテナンスを行ったり修理をする事でパーツ交換後も長くお使いいただけます。

1-4.ルイヴィトン修理を行う利点 その4

最後の4つ目の利点は「資源・環境を守ることにつながる」という事です。近年よく耳にするようになった「SDGs」。世界規模での取り組みの1つとして“2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。”というものがあります。ファッション業界は非常に環境負担の多い産業です。シーズンごと、様々なコレクションが登場し代わるがわるアイテムが入れ替わっていきます。そのため、短いサイクルで沢山の製品が生み出され、流行を過ぎたアイテムは次々手放されて行きます。こういった事実が近年ますます危険視されており、「リデュース(ごみ発生の抑制)」「リユース(再使用)」への意識・関心が高まっています。そういった中で、今手元にあるものを捨てずに修理して長く使い続けることは「資源・環境を守ることにつながる」のです。

2.REPAIRSHOP HIRAISHIYAの修理事例

ここからは、REPAIRSHOP HIRAISHIYAでの修理事例をご紹介させていただきます。当社ではバッグや財布、キーケースなど様々なお品物の修理を承っております。とくにルイヴィトンは多くのお客様よりご依頼・ご相談いただいており、修理実績は26,000個にのぼります。現在お手持ちのお品物について、同様の状態で修理を悩まれている方、今後修理依頼をと考えている方の参考になれば幸いです。

2-1.ルイヴィトン コバ塗り直し修理

『コバ』というのは革の裁断面のことを言い『木端』と書きます。長く使っているうちにだんだんとコバが割れてきてしまうのです。こういった状態にならないようにコバを保護しきれいに見せる加工が「コバ塗り」です。コバにはわずかな凹凸があるので、滑らかに整えます。その後専用の道具や薬品を使って加工を施していきます。とても細かい作業ですので、慎重に丁寧に取り掛かります。

画像のようなちょうど角の部分は特にダメージが蓄積しています。知らず知らずのうちに割れたり黒ずんだり、見た目・印象に大きく影響があります。修理前後の状態を見比べてみると、コバの修理後は美しく引き締まって見えますね。

2-2.ルイヴィトン パイピング修理

「パイピング」はコバの補強や保護としての役割を持ちます。保護という点ではコバ塗りと似ていますが、パイピングは素材同士を貼り合わせた切り目の部分に細長い帯状の革を巻き付け、縫い付けることで補強しています。ルイヴィトンではこのパイピングにヌメ革が使用されており、エイジングを楽しむことが出来るという点からデザイン面でもパイピングが大きく役立っています。

乾燥は革の大敵。人の肌のお手入れと同じで、専用のクリームを塗ったりして保湿してあげることが重要です。ですが、そういったメンテナンスを行っていても、油分が抜けることでどんどん革が硬化していきます。画像のようなカーブになっている面などは特に、硬くなってしまうと徐々にヒビが入ったり割れて剥がれてしまいます。その場合、当社ではヒビの入った部分だけを補修するのではなくグルッと一周すべて新しいヌメ革に取り替えます。修理後はバッグの縁も滑らかなカーブになっていますね。新品なのでエイジングもまたリセットされます。長く使い込んだ、色に深みのあるパイピングから優しい明るさのある印象に変わりましたね。

2-3.ルイヴィトン バッグ内装修理

内装もトラブルが起きやすい部分です。当社に修理をご依頼いただく際も、内装のべたつきや剥がれが気になるという方が多くいらっしゃいます。内装に使われている素材にもよりますが、その多くが合成皮革ではないでしょうか。このべたつきは「加水分解」が起こることで発生します。加水分解とは、合成皮革の原料であるポリウレタンが空気中の水分と結合することでものと物質が分解してしまう化学反応のことです。

合成皮革を使用した製品は基本的に湿気の少ない場所での保管が望ましいです。しかし、日本は世界と比較して「高温多湿」。日本に住む外国出身者の多くが「母国よりも暑い」「母国と比べて湿度が高い」と感じているそう。フランスで生産されるルイヴィトンの製品は、フランスや欧州などの湿気の少ない地域の気候を基準に作られている為、フランスと比べて湿度の高い日本では加水分解(べたつき)が起きやすいとされています。

当社ではこの内装に使われている合成皮革を「シャンタン生地」に変更して内装修理を行っています。シャンタン生地は光沢とハリのある上品な見た目が特徴で、丈夫な生地だったため昔は荷物運搬用の風呂敷として使われていたようです。この「シャンタン」というのは中国の山東(シャントン)から来ています。山東は絹の産地でもともとシャンタンは絹織物のことを指していました。今ではポリエステルやレーヨン、コットンなどの手に入れやすい素材が使用されている物も多いです。

ここまでにご紹介した修理事例以外にも、染め替えやファスナー交換など様々な修理事例をInstagramやホームページ内にてご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

【ブランド別 事例一覧】https://bag-repair.pro/achievement/

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はルイヴィトンの修理の利点についてと、REPAIRSHOP HIRAISHIYAでの修理事例についてご紹介させていただきました。

皆様それぞれ、「初めて購入したブランド品」「大切な友人からもらったバッグ」など、お品物に思い入れがあるのではないでしょうか。REPAIRSHOP HIRAISHIYAでは、お品物だけでなくそういったお客様の気持ちも大切にしながら修理・クリーニングを行っております。ルイヴィトンの染色やファスナーの修理、内装やヌメ革部分の交換なども承っております。もちろん、ルイヴィトン以外の高級ブランドのクリーニングや修理も承っております。

当社のホームページ内にブランドごとに修理実績をまとめたページや、部品交換(修理)に際してのルイヴィトンのロゴなどに関する注意点等についてまとめたブログもございますので、ぜひご活用ください。

また、当社への修理のご依頼や、その他修理に関するご不明な点につきましては下記のリンクよりお気軽にお問い合わせくださいませ。修理ご依頼前に、破損や剥がれ等が生じている部分などに関して相談されたい場合は無料カウンセリングにて修理希望箇所のお写真を添付いただいたうえでご相談いただきますと、修理方法等ご提案・ご案内がスムーズです。各ブランドにて修理を断られてしまった場合でも、お受けできる場合がございますので、ぜひご活用くださいませ。

※ホームページ内に記載しております修理料金は、あくまでも目安としての物となります。修理内容や修理する範囲、備品(ファスナー等)の状況等によって前後いたします。修理等行うお品物を実際に確認し詳細のお見積りをご案内させていただきます。

【無料カウンセリング】https://bag-repair.pro/counseling/(受付時間は午前10:00-12:00/午後13:00-17:00 土日はお休みです)

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(お手入れに役立つ情報や修理工程・過去の修理実例を紹介しています。)

【YouTube】https://www.youtube.com/channel/UClI3s4Fh-7G0WrwjCoHGAjA/videos

(ルイヴィトンを中心に高級ブランド品の修理やクリーニングに関する動画を更新しています。)