ファッション小物の寿命と修理

2024.02.29

年末年始の慌ただしさが駆け抜け、あっという間に年度末・新年度が近づいてきましたね。この季節は、様々な環境の変化の中に身を置かれる方も多いかと思います。心機一転、通勤用のバッグを変えようかな、と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

バッグや財布は基本毎日使うものですが、出来るだけ長く使いたいですよね。それぞれのおおよその寿命や特徴について、修理事例も交えながらご説明させていただきます。

1.ルイヴィトン人気の小物

ここでは、ルイヴィトンでも特に人気のあるアイテムについてご紹介させていただきます。当社での修理のご依頼をいただくことの多いモデルです。

1-1.ポルトフォイユ・ヴィクトリーヌ

最近は、コンパクトなお財布が好まれる傾向があります。キャッシュレス化や流行の影響を大きく受けていると考えられます。そのスッキリした見た目に反しカードの収納もしっかりできる機能性が人気を維持している理由かもしれません。

また、ここではポルトフォイユ・ヴィクトリーヌを例として挙げさせていただきましたが、ポルトフォイユ・ヴィクトリーヌ、ポルトフォイユ・ゾエなどのルイヴィトンの財布はカラー展開、デザインも非常に多くファッションへの取り入れ方も様々です。お財布は頻繁に使用するアイテムということでブラックやブラウンなどのコーディネートになじみやすい色を選ぶ方もいらっしゃいますし、基本的にはカバンの中に入れておくものなのでそういった全体的な印象にとらわれず好きな色やデザインを選ばれる方もいらっしゃいますね。その人らしい色選びが出来るのも、魅力的ですね。

1-2.ノエ/スピーディシリーズ

丸みのあるかわいらしいシルエットが特徴のノエ。巾着型で口が大きく開くので、化粧ポーチなどの大き目なアイテムも出し入れがしやすくなっています。絞りの具合も自分好みに調節できるのがポイントですね。

ノエ同様、ミニサイズも展開されているスピーディシリーズ。特徴的な形状ではありますが、マチ幅が広く設計されており、使用感にもしっかり配慮されています。必要な物だけ最小限にまとめられるデザインですね。

財布同様小ぶりな物が人気で、ショルダーベルトの取り外しができるデザインはファッションに合わせて使い分けができるので、高い支持を得ています。ルイヴィトンのショルダーバッグはサイズ展開が豊富なので、お仕事用やお出かけ用など、シーンに合わせての使い勝手もいいですね。機能性もファッション性も兼ね備えるデザインは幅広い世代のニーズにこたえていると言えます。

2.ファッション小物の寿命

こういったファッションアイテムは基本、年単位で使用することが可能です。長い期間使っていると愛着もわいてきますし、出来るだけ長く使い続けたいですよね。ここではおおよその寿命と素材の特徴、多い劣化のケースについてご紹介させていただきます。

2-1.財布の寿命は約3年

今、お手持ちのお財布は、どれくらいお使いになりましたか?当然細かい年数については使用されている素材によりますが、全体的に見たおおよその平均として、「3年」が財布の寿命といわれています。本革を使った品物であれば丈夫ですし、シミや多少の経年劣化は味として楽しむことが出来ますので、それ以上に長く使い続けることが出来る場合もあります。しかし、特定のパーツに一定の負荷がかかりますし、高頻度で使用するアイテムですので、機能性の面ではこの年数がある程度妥当といえるかもしれません。エピやタイガなどのモデルは本革「カーフスキン」を使用しているので、とても長く使い続けることができ、「自分だけのお財布」を楽しむことができます。

2-2.バッグの寿命は約5~10年

バッグも財布同様素材によって年数は変わってきますが、本革でおおよそ5~10年くらいとされています。ルイヴィトンで人気のバッグに多く使用されている素材は「トアル地」という生地。使用状況によって劣化が進んでしまう事はもちろんですが、「加水分解」という現象によって生地がボロボロになってしまうため、使用する際には注意が必要です。これは「トアル地」に使用されている素材の特徴の都合上仕方のないものですので、避けることは難しいです。「トアル地」のような本物の革に似せて作られた素材を合成皮革といいます。昨今はますます技術が進歩し、本物の革と見間違えてしまうくらいのものも登場しています。実際、合成皮革である事を知らずに購入してしまったという消費者もいるようです。こういった合成皮革は製造から約3年ほどで劣化が始まってしまうとされています。

2-3.劣化が進みやすい箇所

小物のデザインによっていくつかのパターンに分かれますが、当社でもたびたび見るのが

  • ファスナー(引手)の破損、紛失(劣化によるもの)
  • ファスナー(エレメント/歯の部分)が閉まらない
  • ボタンがしまらない

というような内容です。複数の小さなパーツを組み合わせて作られているファスナーは、どれか一つのパーツに異変が発生してしまうと本体の動作に支障をきたしてしまいます。また、ファスナーやボタンはお財布の開閉の際に必ず使用するため、徐々にダメージが蓄積していきます。日々の使用の中でもパーツが歪んでしまったり、度重なる使用の摩擦でパーツがすり減ることでかみ合わせに不具合が出たりします。

こういった劣化が生じたパーツはわずかな調整で元通り使えるようになることもありますが、多くの場合、一部のパーツあるいはパーツ全体の交換を要する形となります。

3.事例紹介

ここからは当社での修理事例のご紹介と、修理のご依頼先についてのご紹介をさせていただきます。現在修理について悩まれている方のお役に立てれば幸いです。

3-1.ルイヴィトン クリーニング事例紹介

直接手や肌に触れることの多いアイテムは、汗や皮脂による汚れが蓄積しやすいので部分的な黒ずみが生じやすいです。バッグのハンドル部分や引手、財布の正面は特に目立ってしまいます。当社でもそういった状態のお品物についてのご相談やご依頼を多くいただいております。今回はサンプルとして、ご依頼いただいたクリーニング事例を紹介させていただきます。

当社のクリーニングは、革専門の職人が洗いから仕上げまでの全工程を手作業でおこないます。1つ1つお品物の状態を確認しながら最適な方法で作業をおこなっていきます。

3-2.ルイヴィトン 修理事例紹介

こちらのお財布は、正面につけられたボタンが閉まりにくくなってしまった状態です。ボタンは凹凸のパーツがかみ合う事で閉まるという構造になっていますが、凹んでいるパーツの中にある二本の針金が壊れてしまっています。こういった頻繁に開け閉めする部分についているパーツは劣化が進みやすく、使う際に支障をきたしてしまうことが多いです。劣化が進んだものはパーツごとはずれてしまうケースもあります。今回のような部品の劣化や破損の場合はパーツの交換を行います。

ここで注意が必要なのは、「ブランドロゴ」についてです。当社でルイヴィトンの修理に使用するパーツは代替品です。そのため、ルイヴィトンのロゴやブランド名は入っていません。ファスナーやボタンのほとんどにはルイヴィトンの名前が刻まれていますが、これらのパーツは個別での販売はされていません。これは「修理専門店」でも発注が出来ません。刻印がされている部品での修理を希望する場合は、ルイヴィトン公式ホームページに記載されているリペアサービスを利用する必要があります。

当社でも、外れてしまったパーツをお客様が保管されていた場合には、修理内容によってはそのままパーツを活用してお直しできる場合もあります。ご注文の際に合わせてお送りいただければ、お見積りの際に再利用の可否についてもご案内させていただくことが可能です。

3-3.修理のご相談について

ルイヴィトンではリペアサービスがあり、パリのアトリエと同様の技術を習得した専属の職人さんが、フランスから取り寄せた純正のパーツを使用して、ファスナーの修理やショルダーストラップの交換などを行っています。しかし、その内容によってはリペアサービスでは修理を断られてしまうこともあります。廃盤モデルのパーツが使用されていたり、破損箇所が大きかったりすると断られてしまうケースがあるようです。また、非正規店からの購入だったため対応してもらえなかったという声もネットでは見受けられます。実際、REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでも「修理を断られてしまった」という事で、お問い合わせいただくこともしばしば。

我々のような「修理専門店」はそれぞれの修理可否の基準もお店によって様々の為、ルイヴィトンのリペアサービスでは断られてしまった相談内容も、お受けできる可能性があります。ルイヴィトンのアイテムの修理依頼先に困っていらっしゃるかたは是非一度、「修理専門店」へのご相談をオススメいたします。

4.まとめ

いかがでしたか?今回はバッグや財布のおおよその寿命や劣化しやすい箇所の紹介と当社での修理事例のご紹介をさせていただきました。毎日使うアイテムだからこそ、劣化も進みやすくなります。定期的なメンテナンスや修理サービスをうまく活用しながら、長く使い続けていきたいですね。

修理と一言でいっても、お品物の状態によってその度合いや修理方法は様々。今回ご案内した方法がすべてではございません。REPAIR-SHOP HIRAISHIYAではご紹介した以外にもルイヴィトンの染色や、内装部分の交換なども承っております。もちろん、ルイヴィトン以外の高級ブランドのクリーニングや修理も承っております。

当社のホームページ内にブランドごとに修理実績をまとめたページや、部品交換(修理)に際してのルイヴィトンのロゴなどに関する注意点等についてまとめたブログもございますので、ぜひご活用ください。

また、当社への修理のご依頼や、その他修理に関するご不明な点につきましては下記のリンクよりお気軽にお問い合わせくださいませ。修理ご依頼前に、破損や剥がれ等が生じている部分などに関して相談されたい場合は無料カウンセリングにて修理希望箇所のお写真を添付いただいたうえでご相談いただきますと、修理方法等ご提案・ご案内がスムーズです。各ブランドにて修理を断られてしまった場合でも、お受けできる場合がございますので、ぜひご活用くださいませ。

※ホームページ内に記載しております修理料金は、あくまでも目安としての物となります。修理内容や修理する範囲、備品(ファスナー等)の状況等によって前後いたします。修理等行うお品物を実際に確認し詳細のお見積りをご案内させていただきます。


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