Louis Vuittonによく使われている革の種類やその魅力

2024.03.12

ルイヴィトン製品はその代表的なモデルである「モノグラム」をはじめ、昔から現在まで様々なラインを生み出してきています。皆さんはそのラインそれぞれに素材の違いがあるということはご存知でしょうか?
長年愛用しているその製品、革で作られていると思っていたものが実は革ではなかったり、とても珍しい革が使用されていたりするんです。今回はルイヴィトンの代表的なラインから抜粋して様々な革の種類や魅力をお伝えしていきます!

そもそも革と皮の違いについて、どちらも読み方は一緒ですが漢字の表記が違う分意味合いも全く異なります。
大まかに分けると、「革」は科学的な処理を施して加工された状態のことを言い、「皮」は動物から剝ぎ取った生の状態のことを言います。皮は加工されていない生の状態なので、時間とともに腐敗していってしまいます。そのため「鞣し(なめし)」と呼ばれる化学的な処理をして加工をすることで腐敗しない革になるのです。鞣しの加工方法には数種類の手法があり、どのような鞣しを行うかによって革の種類が変わってきます。
このように革と皮の違いは、鞣しが施されているかどうかによって変わるのです。

・「革」=科学的な処理をして加工した状態
・「皮」=動物から剥ぎ取った生の状態

先ほど「鞣し」という単語をご紹介したかと思いますが、鞣しが施された革は大きく分けて2種類に分類されます。
一つ目は「一般革」と呼ばれる革です。こちらは牛・馬・豚・羊などの家畜を目的として飼育された動物の革のことを指します。一般革の特徴は滑らかさです。その滑らかで肌馴染みが良いという特徴から、カバンや靴、衣類など多くのアイテムに使用され流通しています。
二つ目は「エキゾチックレザー」と呼ばれる革です。こちらは鳥類や魚類、爬虫類などの手に入りにくい希少性があるものを指します。特徴は独特な柄で個性をアピールすることができ、一般革よりも価格が高いことです。主に高級財布やバッグなどに使用され流通しています。しかし近年では、ファッションのためだけに動物を狩猟することを問題視した声が多く上がっているので、エキゾチックレザーの廃止を積極的に取り入れる企業も増えてきています。

・「一般革」=牛・豚・馬・羊などの一般的な飼育用の動物の皮
・「エキゾチックレザー」=鳥類・魚類・爬虫類などの希少動物の皮

続いてはルイヴィトンのラインごとに使われている様々な革について、それぞれの特徴や素材の魅力をご紹介していきます。

豊富なカラーバリエーションと特有の光沢からゴージャスで高級感あふれる風合いを演出してくれるヴェルニ。こちらはニューヨーク出身のマーク・ジェイコブスがアーティスティックディレクターに就任し、プレタポルテ・コレクションのために作られたラインです。ヴェルニの誕生は1998年で、フランス語で「エナメル」を意味しています。

ヴェルニに使用されている素材は「カーフスキン」です。
カーフとは生後6か月以内の仔牛のことで、仔牛の皮を鞣して加工した革をカーフスキンと言います。生後間もないため傷が少なく、表面が滑らかで繊維も細かく柔らかいのが特徴です。特に、生後3か月以内の仔牛の革であるベビーカーフと呼ばれるものは、カーフスキンよりも厚みが薄く表面もきめ細やかなので主に高級ブランド製品の材料として使われることが多いです。
ヴェルニラインは牛革の中でも最も高い価値があるカーフスキンにカラフルなエナメル加工を施し、ルイヴィトンの代表的なモノグラムのモチーフを型押ししたデザインとなっています。上質で繊細な革を素材に使用することによって、より上品で高級感のある雰囲気を演出していますね。

トリヨンレザーを使用して作られているルイヴィトンの代表的な製品と言えば、「LV」のシグネチャーとハンドル部分のリングが特徴的なカプシーヌではないでしょうか。カプシーヌはコレクションの中でもシンプルでエレガントな印象を与え、ワンランク上の存在感を放ち海外セレブからも愛用されているアイテムです。

トリヨンレザーとは、数種類に分類される牛革(カウレザー)の中の一種類で雄牛のキップスキンのことを言います。キップスキンとは生後6か月から2年までの若い牛の革のことで、カーフと同じように仔牛のため表面のキメが細かく、ケガなどによる傷が少ないことが特徴です。カーフに比べて滑らかさは劣りますが革が厚く強度がある素材なので、汎用性が高く高級品に多く使われています。
また、トリヨンレザーは皮革の試験において耐久性、耐光性、色移りに関して最高ランクを獲得しているので、キズに強く使用頻度の高いカバンや小物入れに最適と言われています。

マヒナは2007年に誕生したルイヴィトン初のソフトレザーが使用されたラインです。マヒナという名前は、ニュージーランドの先住民であるマオリ族の言葉で「月の女神」を意味する「マヒナ」が由来となっています。マヒナのアイテムには、イタリア語で「恒星」を意味する「ステラ」や、ギリシャ神話で「月の女神」を意味する「セレネ」など、星や神に関連した名前が多く付けられています。
パーフォレーションと呼ばれる技術で施されたパンチングのモノグラム柄と上質なカーフスキンを使用することで、滑らかできめ細やかな手触りと優しくフェミニンな雰囲気が漂うアイテムです。

マヒナのソフトレザーにも多くの仔牛の皮が使用されています。カーフスキンの特徴はなんといってもその柔らかくてしっとりとした質感が魅力ですが、柔らかい素材な分クセやシワが付きやすいというデメリットもあります。重たいものの下敷きになってしまうと革が変形してしまう可能性があるので注意が必要です。これも上質なレザー故の悩みかもしれませんね。

アンプラントは正式には「モノグラム・アンプラント」と呼ばれます。2000年に登場したモノグラム・グラセから始まったシリーズの集大成として2010年に発表され、ルイヴィトンの中でも比較的新しいラインです。アンプラントとはフランス語で「刻印」を意味していて、上質なカーフスキンにモノグラム柄が型押し加工されたデザインが特徴です。モノグラムの型押しは遠目ではあまりルイヴィトンだと分かりづらいので、ブランドアピールを控えめにしたい方にもおすすめですよ。

アンプラントのラインにも先述した通りカーフスキンが使用されています。カーフスキンの特徴はやはりなんといってもレザーならではの高級感のある柔らかさです。また、カーフスキンは使っていくうちに少し艶が出てきて風合いの変化を感じることもでき、使い込むほど手に馴染むような質感になっていくのでその変化を楽しめる素材でもあります。

ルイヴィトンの代表的なラインであるモノグラムとダミエ。こちらは革だと思っている方も多いかと思いますが実は革じゃないんです。モノグラムやダミエに使用されている素材は、丈夫な綿素材にPVCという合成樹脂でコーティング加工された素材であり、正式名称は「トアル地」と呼ばれています。シボと呼ばれるシワ状の型押しがあるので一見革のように見えてしまいますが、革ではなく綿素材を加工したものなんです。

モノグラムやダミエに使用されているトアル地は革素材とは違い、キズに強く耐久性があり長持ちしやすいことがメリットです。また、汚れなども付きにくいので頻繁にお手入れする手間が省けるのが嬉しいですね。

ここまでルイヴィトンの素材の魅力や特徴をいろいろとお伝えしていきましたが、ここからはそれぞれ素材別のお手入れ修理方法についても簡単ではありますがご紹介させていただきたいと思います。自分のご褒美に買ったものやプレゼントで貰ったものなど、思い入れのあるアイテムはできる限り長く使っていきたいですよね。より長く綺麗な状態を保つためにも、ぜひ定期的なお手入れや修理をしてみてください。

①ブラッシングでゴミやちりを取り除く
柔らかいブラシで表面の汚れを取り除きます。ブラシが無い場合は乾拭きでも大丈夫です。

②革製品専用のクリームを塗る
クリームは塗りすぎるとシミになってしまったり表面がベタベタになってしまったりする場合があるので、まずは目立たないところで少量から試してみてください。お財布のお手入れであれば米粒一つ分くらいの量が目安です。
ムラなく仕上げるためには素早くクリームを塗り広げることがポイントです。

③陰干しする
クリームを塗った後は30分~1時間ほど陰干しをしてクリームを馴染ませていきます。クリームを塗っていない状態でも、バッグなどを使ったあとは干して余分な水分を取るとカビの防止にもつながるのでおすすめです。

④乾拭きする
クリームが乾いたら布やブラシで乾拭きをして余分な油分を取り除きます。

①柔らかいブラシでゴミやちりを取り除く
ブラシが無い場合は柔らかめの歯ブラシでも代用可能です。強くこすってしまうと表面に傷が付く場合がありますので優しく行ってくださいね。

②洗剤で汚れを落とす
衣類用洗剤を薄めたぬるま湯に布を浸してその洗剤液が染み込んだ布で製品を優しく拭いて汚れを落としていきます。この時はこすらないように注意してください。汚れを落としたら乾いている布で水分を拭き取ります。

③陰干しする
風通しの良い場所で陰干しして十分に乾かしてください。

今回は、ルイヴィトン製品によく使われている革の種類や素材の魅力、それぞれの素材に合ったお手入れ修理の方法などをご紹介させていただきました。日々愛用しているアイテムのお手入れを定期的に行っていてもキズや変色、摩擦などのダメージは避けられないものです。多少のダメージであれば使い続けることもできますが、いつかは劣化がひどくなっていってしまうでしょう。また、高温多湿の日本では保管しているだけでべたつきやカビが発生しやすく、せっかく大切に保管していたのに久しぶりに見てみたら使える状態じゃなかったなんてこともあります。
そんなときは修理専門店に依頼して劣化した部分の交換や修理をしてもらうことで、また長く愛用していくことが可能です。修理専門店で直す際のメリットはなんといってもその手軽さではないでしょうか。修理専門店では正規店の修理料金よりも多少費用を抑えることができ、時間も早めに出来上がることが多いようです。
REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでもさまざまな修理や染め直し修理を行っています。劣化や色剥げが起こってしまったルイヴィトン製品でも、REPAIR-SHOP HIRAISHIYAで修理をすることによってまた新たに生まれ変わらせることが可能です。今回ご紹介したルイヴィトン製品以外にも様々なラインのアイテムや、ルイヴィトン以外のブランドの修理も承っております。また、ルイヴィトン正規店では断られてしまった修理でも、REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでは修理可能な場合もありますのでぜひ一度ご相談くださいませ。


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