2025/09/15

ルイヴィトン修理リペア

LOUISVUITTONハンドル交換

こんにちは。高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店のREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)です。今回REPAIR-SHOP HIRAISHIYAがご紹介するのはLouis Vuitton(ルイヴィトン)のクルーザーバッグです。旅行やバカンスにぴったりのLouis Vuitton(ルイヴィトン)のボストンバッグは、その一つひとつにストーリーがありますよね。今日では当たり前になった「バッグ」という概念を、旅の真髄を追求することで確立したのが、創業者ルイ・ヴィトンです。彼はトランク職人としてキャリアをスタートさせましたが、当時の馬車や船での旅をより快適にするため、丸い蓋が主流だったトランクを平らな形に改良しました。さらに防水性のある素材を使ったりと、現代のスーツケースの原型とも言えるような革新的な工夫を凝らしています。こうした努力と卓越した技術は、たちまち上流階級の間で評判となり、トランクは旅行におけるステータスシンボルとなっていきました。
やがて人々が旅を楽しむようになり、移動手段が鉄道や豪華客船へと変化するにつれ、旅のスタイルも多様化していきました。大型のトランクとは別に、船の客室に持ち込んで使えるような、もう少し手軽なバッグが欲しいなと思う人が増えたのでしょう。今回のご依頼品であるクルーザーバッグも、そんな時代の流れから誕生したアイテムの一つです。その名の通り、「クルーズ(航海)」でのバカンスをイメージして作られたバッグだと考えられます。
明確な発表年は定かではありませんが、このバッグからは、限られた客室スペースでもかさばらずに使えるよう、考え抜かれたデザインが見て取れます。着替えなどをスマートに収納できる機能性も備えつつ、やはりLouis Vuitton(ルイヴィトン)らしいエレガンスも忘れていません。伝統的なモノグラム・キャンバスとヌメ革の組み合わせは、まさに時を超えて愛され続けるクラシカルなデザインですね。このバッグからは、時代が変わってもルイ・ヴィトンが大切にしてきた「旅」のスピリットが感じられるのではないでしょうか。 トランクの工房から始まった歴史を持つルイ・ヴィトンだからこそ生み出せた、旅を愛する人々の心に寄り添う傑作と言えるでしょう。

修理リペアの実例概要

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今回お預かりしたのは、クラシックなモノグラム・キャンバスが美しいクルーザーバッグです。モノグラム・キャンバスは、発売から長い年月が経っているにもかかわらず、その魅力は色褪せることがありません。手にした瞬間に感じられる、上質な素材と確かな作りの重みが、このバッグがただのファッションアイテムではなく、旅の道具として真剣に作られたことを物語っているようです。 現在のLouis Vuitton公式オンラインサイトでは、バーズ・ダミエ エベヌ キャンバスというカラフルなチェック・パターンを用いたクルーザーバッグが販売されています。明るすぎないトーンのチェックは秋口の旅行にもピッタリな印象を受けます。 ダミエ柄が登場する前のLouis Vuittonのクルーザーバッグがどのようなデザインだったのかきになりますね。 クルーザーバッグの機能面で特筆すべきは、何と言ってもその開口部の作りでしょう。メインのファスナーが両サイドに向かって大きく開くデザインは、一見するとシンプルですが、荷物の出し入れを驚くほどスムーズにしてくれます。奥に入れた小物も一目で確認でき、旅行中や外出先で必要なものをさっと取り出せるのは、このバッグの大きな魅力です。

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今回お預かりしたLouis Vuitton(ルイヴィトン)のクルーザーバッグは、全体のヌメ革に集中的な劣化が見られます。 特に目を引くのは、乾燥によるひび割れです。ヌメ革は使い込むほどに飴色へと変化する経年変化が最大の魅力ですが、乾燥が続くと油分が失われ、細かなひび割れが生じてしまいます。 さらに、一部のヌメ革部分には、水濡れ後に適切にケアされずに放置されたと見られる硬化が見られます。革は水に濡れると、内部の繊維が収縮し硬くなりやすい性質を持っています。そのまま乾燥させてしまうと、元の柔軟性を取り戻すのが難しく、場合によっては革の組織が破壊されてしまうこともあります。写真の箇所も、そうした水濡れと乾燥が繰り返された結果、革本来のしなやかさが失われ、ゴワゴワとした手触りになっているのが想像できます。 ひび割れや硬化は、見た目の美しさを損ねるだけでなく、革の強度自体を低下させてしまいます。特にハンドルやバッグの開口部など、日常的に力が加わる部分では、この劣化が進行すると、最悪の場合、革が切れてしまうといったトラブルにつながりかねません。今回のクルーザーバッグも、まさにその手前にある状態と言えるでしょう。

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長年のご愛用によってひび割れや硬化が進行していたヌメ革ですが、これほど広範囲にわたる劣化の場合、部分的もできかねる状態です。そのため、今回はお客様とご相談の上、ハンドルとポワニエを含む全てのヌメ革を新しいものに交換するという判断に至りました。こうすることで、再び安心してご使用いただけるようにいたします。 新しいヌメ革は、時間が経つにつれてお客様のバッグになじみ、美しい飴色へと変化していきます。お手元に届いた当初は、写真のように元のヌメ革よりも明るい色味に見えますが、これは新しい革ならではのものです。これからお客様と新しい旅を重ねることで、少しずつ風合いが深まっていく様子をお楽しみいただけたらと思います。 また、修理を進める上での注意点がいくつかあります。ルイ・ヴィトンのバッグには、ブランド名の刻印が入った金具(カシメやハトメなど)が使用されていることがありますが、これらの金具は一度取り外すと再利用ができません。そのため、刻印のないシンプルな代替品に交換させていただきます。同様に、交換するヌメ革に刻印が施されていた場合も、新しい革ではその刻印を再現することができませんので、無地の革へと交換となりますことをご了承ください。

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ひび割れや硬化が著しく、動かすことも躊躇われるくらいだったヌメ革をすべて交換したことで、クルーザーバッグはすっきりとした美しい姿を取り戻しました。同時に、大容量のバッグとして重要な点である耐久性も復活しています。美しさを耐久性を兼ね備えたクルーザーバッグは、ひとりの鞄職人から始まったLouis Vuittonの精神を表す非常に優秀なアイテムだと言えるでしょう。 ヌメ革はまだ新しい色合いですが、これからも旅の相棒として、そして日常の良きパートナーとして、お客様の元で再び活躍してくれることでしょう。私たちの手掛けた修理が、お客様の毎日を少しでも豊かにするお手伝いになれば幸いです。 以上で、今回の高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)の修理内容のご紹介を終わらせていただきます。最後までお読みいただきありがとうございました。高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYAでは、高級ブランドの正規店では断られてしまった修理内容もお受けできる場合がございますので、ぜひ一度ご相談くださいませ。お客様のご利用をスタッフ一同お待ちしております。