2025/11/14

コーチ修理リペア

COACH内装縁革交換

こんにちは。高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店のREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)です。今回、高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYAでご紹介するのはCOACH(コーチ)の”バッグ”の内装縁革とファスナー横革交換のご依頼です。
COACH(コーチ)の歴史は、1941年にマイルズ・カーン夫妻と6人の職人によってニューヨークで始まりました。ハンガリーの町「コチ(Kocs)」で生まれた画期的な馬車のように、「大切なものを運び、目的地へ導く」という想いを込めて名付けられたCOACHは、長きにわたり、デザイン性と機能性を兼ね備えたアメリカン・モダンラグジュアリーの象徴として愛され続けています。当初は男性用革小物からスタートしましたが、1962年にデザイナーのボニー・カシンを迎えたことで、女性向けの牛革バッグ製造へと大胆な改革を行います。彼女が導入した「ターンロック」や、使い込むほど味が出る上質な牛革は、ブランドの揺るぎないアイデンティティを確立しました。
しかし、その歴史に新たな風を吹き込み、ブランドの魅力を現代に再定義した人物こそが、現在のクリエイティブ・ディレクター、スチュアート・ヴィヴァース氏です。
2013年にCOACHのクリエイティブのトップに就任したヴィヴァース氏は、英国出身でありながら、長年ルイ・ヴィトンやマルベリー、ロエベといったヨーロッパのラグジュアリーブランドで実績を積んできた実力派です。彼は、COACHの持つ「アメリカン・ヘリテージ(遺産)」と、彼自身のルーツである「ブリティッシュ・インスピレーション」を見事に融合させました。
ヴィヴァース氏が目指したのは、単なる過去の復刻ではありません。COACHの根底にある「本物志向のクラフトマンシップ」を大切にしながら、今のニューヨークのストリートが持つ活気、楽観主義、そして型にはまらない反骨精神をデザインに落とし込んでいます。彼の手がけるコレクションは、どこか懐かしさを感じさせつつも、新鮮で遊び心があり、日常に溶け込むリアルな魅力を放っています。彼の哲学は「手の届く本物の贅沢」を現代的に解釈することであり、その功績によってCOACHは、再びファッションの最前線で「クール」なブランドとしての地位を確固たるものにしました。特に、アーカイブから着想を得たクラシックなデザインを、現代の機能や素材でアップデートする手法は、若い世代からベテランのCOACHファンまで、幅広い層から支持を集めています。

修理リペアの実例概要

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今回ご依頼いただいたのは、COACHのアイコンである「ターンロック」が中央で輝く、ターンロック チャーリーです。一見シンプルでエレガントなトートバッグですが、その真髄は、COACHの哲学である「実用的なラグジュアリー」にあります。 このバッグは、現代の忙しいビジネスシーンや日常使いに最適化された優秀な設計が魅力です。まず、ハンドルが長く肩掛けができるため、荷物が多くなってもスマートに持ち運べます。また、メインの開口部にはファスナーが付いているため、移動中や人混みの中でも貴重品を安心して収納できる防犯性の高さも兼ね備えています。 内装もまた非常に機能的です。広々としたメインコンパートメントは、A4サイズの書類はもちろん、PCやタブレットなども余裕を持って収納できる大容量です。さらに、書類の整理に優れたポケットや、小物・貴重品を分けてしまえるファスナーポケットもあり、バッグの中が乱雑になるのを防いでくれます。このように、デザインの美しさだけでなく、働く女性やアクティブな日常を送る方々の「使いやすさ」を徹底的に追求した、COACHらしい傑作です。上質なレザーの質感も、毎日使う喜びを与えてくれますね。

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今回、ターンロック チャーリーに見られた症状は、バッグ本体のレザーではなく、内装に使用されている縁革とファスナー両サイドの革の劣化でした。 写真では分かりづらいかもしれませんが、この部分は主に合成皮革が使用されており、経年劣化と日常の使用による摩擦が重なり、表面の層がパリパリと剥がれてしまうという症状が起きていました。 合成皮革(PUレザーやPVCレザーなど)は、コストを抑えつつ本革に近い見た目を実現できる優秀な素材ですが、残念ながら経年劣化による加水分解という宿命的な弱点を持っています。これは、素材に含まれるポリウレタンなどの成分が、空気中の水分と反応して徐々に分解されてしまう現象です。特に、湿気がこもりやすいバッグの内部や、頻繁に摩擦が起こるファスナー横の素材は、劣化が加速しやすく、このように表面の剥がれやひび割れが起こりやすいのです。 内装の剥がれは、見た目の問題だけでなく、使っているうちに剥がれた素材の破片がバッグの中身に付着したり、ファスナーの開閉を邪魔したりする原因にもなります。このまま放置すると、症状がさらに広がる恐れがあるため、今回はこの劣化した合成皮革をすべて新しい素材に交換する修理が必要となりました。

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こちらが修理箇所の写真です。劣化した合成皮革は、一度剥がれ始めると元の状態に戻すことができません。そのため、今回の修理では、症状の出ている内装縁革とファスナー横の革すべてを、耐久性に優れた本革へと交換する作業を行いました。 まず、職人が劣化した合成皮革のパーツを一つひとつ丁寧に分解し、それらを型紙として使用します。この元のパーツから正確に採寸し、新しい本革から交換用のパーツを慎重に切り出していきます。元のバッグの構造を熟知した職人によるこの正確な型取り作業が、修理後の仕上がりの美しさとフィット感を左右します。 交換後の素材として本革を選ぶ最大のメリットは、合成皮革特有の経年劣化(加水分解)の心配がないという点です。COACHが創業当初からこだわってきたように、本革は使い込むほどに馴染み、味わいが増していく素材です。内装に使用することで、バッグ本体の耐久性が向上するだけでなく、お客様に長期にわたり安心してお使いいただけるようになります。 私たちは、単に破損部分を直すだけでなく、オリジナルのデザインを尊重しつつ、お客様のバッグの寿命を延ばすことを目指しています。

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劣化した合成皮革を本革に交換したことで、ターンロック チャーリーは内側から生まれ変わりました。光沢感が復活した新しい本革が内装の印象をすっきりと引き締め、バッグ全体の美しさが際立っています。何よりも、耐久性の高い本革になったことで、物の出し入れの際に剥がれや破れを気にすることなく、毎日気持ちよくご使用いただけるようになりました。 合成皮革の剥がれは、単に見た目が悪くなるだけでなく、劣化した硬い素材が周囲の裏地や生地に擦れ、二次的な負荷やダメージを与えてしまいます。このため、内装の剥がれに気づいた際は、症状が広がる前に早めに修理に出していただくことが、バッグを長く愛用するための鍵となります。 以上で、今回の高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)の修理内容のご紹介を終わらせていただきます。最後までお読みいただきありがとうございました。高級ブランドバッグ・財布等の修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYAでは、高級ブランドの正規店では断られてしまった修理内容もお受けできる場合がございますので、ぜひ一度ご相談くださいませ。お客様のご利用をスタッフ一同お待ちしております。