お預かりしたルイ・ヴィトンのサン・ジャックを見ていきましょう。公式サイトから修理ご依頼を頂いたお客様です。お客様からのご依頼内容は取手部分の塗装剥がれと表面の擦れ傷、ファスナー部分のサビが気になるということでした。その他、修理内容についてはアドバイスを頂きたいとご依頼いただきました。ルイ・ヴィトンの修理のご依頼をされる際に公式サイトの注文フォームからどの様に注文したら良いか分からない方が多くいらっしゃると思います。そのような場合にはこちらのお客様のようにご自身が気になる症状と修理の希望の方向性を備考に記載していただければ大丈夫です。公式サイトの注文フォームよりご入力頂いた内容は注文書兼ご要望書になります。最終的に当社の専門的な資格のあるものがお客様のご要望を取り入れ修理内容のご提案をさせていただきますのでご安心してご入力くださいませ。修理内容とお見積りを提示後、お客様の承諾を得た上で修理内容に入らせていただきます。今回はご要望のルイ・ヴィトンのファスナーのサビ取りと手持ち部分の塗装修復、全体的なクリーニングを行わせて頂くことになりました。では持ち手部分の修理方法について詳しく説明していきましょう。
2023/02/26
ルイヴィトン修理リペア
部分染め修理・クリーニング
こちらが今回、ご依頼のあったLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のバックです。鮮やかな黄色が印象的なバックになりますが、ルイ・ヴィトンの人気ラインである「エピ」ラインの「サン・ジャック」のショルダーバックでお色はタッシリイエローかと思います。ルイ・ヴィトンといえば「モノグラム」や「ダミエ」などの茶系のラインが多くあり創業以来の定番ラインで人気がありますが、今回お預かりしたラインの「エピ」も同じく人気の定番ラインになります。エピは1985年に発売され、ルイ・ヴィトンの歴史の中では比較的新しいシリーズです。この「エピ」ですが、なぜエピというかご存知でしょうか。「エピ」とはフランス語で「麦の穂」という意味があります。エピという名称の由来は、線状に流れるような細かい型押しが、麦の穂が風になびいて揺れているような風景を思わせることから「エピ」と名付けられたそうですよ。「エピ」のラインに使われているレザーはグレインレザーという上質な本革で使われており耐久性に優れているのが特徴です。アメリカではドレスシューズにも使われており、その寿命はお手入れ次第では40年も持つと言われています。エピに使われているグレインレザーはルイ・ヴィトン独自の製法で加工された「エピレザー」と呼ばれており本革の上から型押しと塗装加工が施されています。革の上から加工がされているためシワや汚れが目立ちにくく美しい状態が長く続きます。革本来のエイジング(経年劣化)を楽しみたい方にはあまり向きませんが、難しいお手入れを気にせずに日常的に使えるエピのラインは、多くの女性の人気を集めた理由のひとつかもしれません。また、エピには多彩なカラーバリエーションもモノグラムやダミエにはない魅力のひとつです。発売当初はブラック、ブラウン、グリーン、ブルー、ベージュの5色が発売され2012年~2014年には19種類のカラーを発売し飽きのこないカラーを展開しています。定番色の、ブラックには「ノワール」レッドには「コクリコ」など独自の名前が付いているのもポイントです。今回お預かりした鮮やかなタッシリイエローは比較的新しいカラーになります。ルイ・ヴィトンの創業当時からのコンセプトである「旅」をしっかりと受け継いだ小旅行にも使える収納力と自立出来る逆台形のフォルム、上品なデザインながら機能性のあるバックはさすがルイ・ヴィトンですね。
修理リペアの実例概要
はじめにお話したようにルイ・ヴィトンのエピレザーの素材は上質で耐久性のあるグレインレザーで牛の本革になります。しかし、耐久性のある革といっても革である以上劣化は避けられません。特に持ち手の部分はバックの中で一番負担がかかる部分になりますので、ルイ・ヴィトンの修理を多くご依頼頂く当REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでも修理のご依頼が多い部分になります。さらに、ルイ・ヴィトンの持ち手修理の中でも根革(ねかわ)といって持ち手とバック本体をつなぐ部分の修理はさらに多い印象です。今回の持ち手修理は根革部分に損傷がなかったため持ち手の部分は塗装修理のみで行います。さらにルイ・ヴィトンの雰囲気を変えたいといった場合には持ち手部分の革を総取り替えすることも可能ですのでご相談下さい。今回は塗装修理のため、まずクリーニング(クレンジング)をしていきます。クレンジングというのは汚れを落とし、表面のコーティングを剥がすことで革の上に塗装がされているだけの状態に戻していきます。この工程でコーティングが落としきれていないとその後の塗装加工の際の仕上がりに影響してしまうため、慎重にコーティングまで落としていきます。
こちらが塗装修理が完成した画像です。塗装修理前の状態と比べていかがでしょうか。塗装したことが分からないくらい自然に仕上げることができました。今回のような塗装修理ですが、実はルイ・ヴィトンの正規店では塗装修理を行っていないため当REPAIR-SHOP HIRAISHIYAのような修理専門店へご依頼するしかございません。ルイ・ヴィトン正規店であれば同じ色を安易に用意することができそうなものですが、正規店では塗装をしてくれないのが現状です。そのため、塗装修理を修理専門店へ依頼する際にはルイ・ヴィトンを多く修理した経歴のある修理専門店へ依頼するのがおすすめです。高級ブランド修理専門店として立ち上げたREPAIR-SHOP HIRAISHIYAではルイ・ヴィトンの修理を数多くご依頼を頂いております。ひとつにルイ・ヴィトンといっても使い方の癖などで状態は変わってきます。またシーズンごとに新作のでるルイ・ヴィトンでは商品の移り変わりがとても早いです。その辺の見極めに関しては専門的なスタッフがおりますのでお任せいただければと思います。イエローということで色調整が難しいところもありましたが綺麗に染め上がりました。
お客様が気になっていたサビが付いてしまっていたファスナーの金具部分も綺麗にサビを落とすことが出来ました。ルイ・ヴィトンの修理を受けているとサビを落としてほしいとご相談が度々ございます。ルイ・ヴィトンのファスナーはYKKという日本の大手ファスナーメーカーへ特注で製造しているもので銅を含んだ合金を使用した素材なので酸化により変色してしまうのです。これはサビではなく劣化なので完全に落とすことは出来ません。ルイ・ヴィトンは経年劣化を楽しめるヌメ革を使うことも多く、このファスナー部分の劣化も風合いとして楽しむのも良いのかもしれません。今回のルイ・ヴィトンのバックの修理事例紹介は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございます。高級ブランドの修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYAではお客様の様々なご要望にお応えできるよう日々研究に努めております。こんな修理がしたい。こんな風にリペアしたいなどのご相談がございましたら公式サイトのお問い合わせフォーム又はお電話にて無料カウンセリングを行っておりますのでぜひご活用くださいませ。お客様のご利用をスタッフ一同お待ちしております。