2023/12/20

ルイヴィトン修理リペア

ヌメ革交換修理

こんにちはREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)です。今回LREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)でご紹介するのはLouis Vuitton(ルイ・ヴィトン)”キーポル”のヌメ革交換のご依頼です。キーポルとはルイヴィトン創業当初の1924年に発表されたアイテムで、旅行の際に便利なボストンバッグとして開発されました。また、「スーツケースに折りたたんで収納できるバッグ」というコンセプトで開発されたという経緯もあり、柔らかいコットン素材で作られているため、使わないときは折りたたんでスーツケースに収納することもできます。当初はフランス語で「全てを収納する」という意味の「Tientout(ティアント)」という名前で発表されましたが、のちに英語の「Keep All」をもじった「Keepall(キーポル)」と名称を変え、現在までおよそ100年もの長い間国や世代を問わず愛されているロングセラーアイテムとなりました。キーポルは前述したように旅行の時に使えるバッグとして開発されたため、開口部がダブルファスナーになっています。ダブルファスナーにすることによって開閉がスムーズにでき、中の荷物が取り出しやすいことが魅力の一つです。また、内側に余計な仕切りが無くフラットでシンプルな構造になっているので、収納力が高く旅行の際に必要な多くのアイテムをしっかりと収納することができます。ハンドルは長旅で長時間バッグを持つようなときでも疲れにくいように丸みを帯びた形状となっており、ハンドルを固定するためのポワニエやネームタグも付属しているので空港で荷物を預ける際に役立ち、様々な場所を移動する旅行にはピッタリのバッグなのではないでしょうか。1930年には取り外し可能なショルダーベルトが付いた「キーポルバンドリエール」も発表され、様々なシーンで愛用できるバッグとして地位を確立させました。創業当初のルイヴィトンは旅行鞄の専門店としてトランクケースを主に販売していました。キーポルが発表された当時は自動車での移動が普及したころだったので、トランクケースとは別に手軽に持ち運びができるバッグとしてキーポルが開発されたと言われています。

修理リペアの実例概要

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それでは、REPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)へ修理のご依頼をいただいたボストンバッグを見ていきましょう。こちらが今回、REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでお預かりした「キーポル60」です。キーポルには4つのサイズ(45、50、55、60)が展開されており、自分が使う用途に応じて大きさを選ぶことができます。キーポルの中で最も小さいバッグがキーポル45です。キーポル45は機内持ち込みが可能なサイズなので飛行機で出張に行く場合に使い勝手が良く、1~2泊程度の旅行であれば十分な収納力です。キーポル50も機内持ち込みができるサイズとなっており、2~3泊程度の旅行にぴったりです。今回ご依頼いただいたキーポル60は最も大きいサイズのバッグとなっており収納力が高いため、たくさん荷物を持って行くようなゴルフ旅行などのアクティビティに向いています。また、旅先でのお土産を入れる余裕もあるので、家族や友達などにたくさんお土産を買って帰りたい人にもお勧めです。

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キーポルのハンドルや根革ラインなどには主にヌメ革が使われています。ヌメ革とは、動物の皮から毛を取り除き植物由来のタンニンを使用して鞣(なめ)した革のことを指します。鞣すとは、動物の皮から腐敗の原因となる成分を変化させ、鞣し剤を使って耐久性などの機能性を長く持続させる工程のことです。このようにして作られたヌメ革には「エイジング」と呼ばれる色の変化が最大の特徴です。ヌメ革は使用していくうちに皮脂や紫外線などにより徐々に飴色に変化していく性質を持っていますが、ムラの無いキレイなエイジングにするためにはお手入れが重要になってきます。その理由は表面に加工がされていない自然な状態のヌメ革は、ほこりや傷が付きやすいからです。そのため定期的にブラッシングをしたりヌメ革専用のクリームを塗ったりすることによって綺麗で強い状態を保つことができるのです。ご依頼品のヌメ革部分は購入してから数十年もの間、長年愛用されていたためムラや乾燥が激しく、写真を見ると耳革やパイピング部分がひび割れを起こしているのが分かるかと思います。今回はヌメ革部分全てを新しいヌメ革から切り出して作成したものと交換をさせていただきました。

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こちらが”ヌメ革交換”が完了した修理箇所を近くから見た写真です。エイジングによって色ムラができ、乾燥によってひび割れを起こしていた耳革やパイピングなどのヌメ革部分が元々のヌメ革の色であるナチュラルなベージュ色に生まれ変わりました。交換をするときはそれぞれのパーツを一度分解しなければいけませんが、長年愛用していると全体的に革が劣化している可能性があるのでその分解の工程でモノグラム模様のトアル地を傷めないように慎重に分解作業を行う必要があります。分解を終えたらそのパーツごとの大きさにヌメ革を切り取り、縫い目の穴やコバ加工を施して専用のミシンでそれぞれの部位に縫い付けていきます。新しく切り取ったヌメ革の大きさが少しでも違ってしまうと縫い付けたときにずれが生じてしまったりバッグに歪みが出てしまったりするので、ただ単純にヌメ革を切る作業であっても気を緩めることはできません。今回はヌメ革部分を全て交換しましたがハンドルのみや根革のみなどの部分交換も可能です。部分交換の時はできる限り他のパーツの色味に合うようにエイジング加工をしてベージュ色を濃くしたヌメ革を使用しますので違和感は出にくいと思います。

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根革ライン(ハンドルと本体を繋いでいる部分)の交換の際はカシメと呼ばれるルイヴィトンの刻印が入っている丸い金具を取り外す必要があります。ルイヴィトンのカシメは打ち込みタイプになっているので一度取り外すと再利用が難しいです。そのためカシメはルイヴィトンの刻印が無い代替品への交換となりますが元々のカシメにできる限り似た色や大きさのボタンを取り付けますので、見た目が悪くなることはありません。こうしてヌメ革を交換することによって新品のように生まれ変わることができました。以上で今回修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)の修理内容のご紹介を終わらせていただきます。最後までお読みいただきありがとうございました。高級ブランド修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)では、Louis Vuitton(ルイヴィトン)の正規点では断られてしまった修理内容もお受けできる場合がございますので、ぜひ一度ご相談くださいませ。お客様のご利用をスタッフ一同お待ちしております。