こちらが今回ルイ・ヴィトンの修理でお預かりしたエピの「キーケース ミュルティクレ 6」です。シンプルな見た目のルイ・ヴィトンですが、右端にはルイ・ヴィトンのロゴが入っており高級感のあるデザインですね。ルイヴィトンといえば、モノグラムやダミエが人気ですが、エピは1985年に登場し、現在まで多くの人から人気を集めてきました。 およそ40年近くもの長い間エピラインのアイテムが発売されていることからも、ルイヴィトンを代表するモデルラインのひとつであることがわかりますね。エピには、丈夫なグレインレザーという上質な牛革が使われており耐久性に優れ、型崩れしづらいのが特徴です。 また、エピは型押しのデザインのため、細かい傷や汚れが気になりにくい点もメリットといえるでしょう。お預かりした修理予定のエピは使用感が目立つような状態でしたが、キーケースの役割に必要な金具部分などには破損等がなく使用できているようでした。長い期間使用していく中で柔らかくなり形も買った当初のようにはカチッとはしていませんが、柔らかく手に馴染んだ革も風合いが出ていて良いものですね。では、今回ルイ・ヴィトンのキーケースで修理する箇所を見ていきましょう。
2023/07/12
ルイヴィトン修理リペア
部分染め修理・クリーニング
今回ご紹介するのは「LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)」の人気ラインであるエピの「キーケース ミュルティクレ 6」です。上品なエピレザーが使用されたシンプルで高級感のあるキーケースですね。ルイ・ヴィトンのキーケースと言えば茶系のモノグラムやダミエも多くございますが、その中でも引けを取らない人気のエピライン。人気の理由のひとつにはどんな服装やシーンにも合わせやすいシンプルさというものがあるのではないでしょうか。エピラインは「エピレザー」といわれるルイ・ヴィトン独自の革でエピのデザインを型押しし、染色加工がされているため通常の革よりも比較的丈夫な素材です。素材はグレインレザーという本革を使用しており上質で耐久性に優れた特徴があります。染料でコーティングされており革特有の経年劣化(エイジング)を楽しみたいという方には向きませんが、面倒な手入れを気にしないで普段使いをしたい方には大変おすすめなレザーになります。アメリカではドレスシューズなどにも使われていて革自体の寿命は40年も持つと言われている程の丈夫な革です。1985年に登場して以来ルイ・ヴィトンで人気のエピラインですが、どうして「エピ」というかご存知でしょうか。エピとはフランス語で「麦」という意味を持ちます。素材の全てに施された線状の型押しが「揺れる麦の穂」のように見えることが由来となっているそうです。発売当初はブラック、ブラウン、グリーン、ブルー、ベージュの5色展開でした。定番カラーと言えば今回お預かりしたブラックですね。2012年から2014年の間に多彩なカラーバリエーションを展開した「エピライン」ですが、やはり王道と言えるのはこの”ブラック”なのではないでしょうか。ルイ・ヴィトンの公式サイトを見ていただくとわかるのですが、ルイ・ヴィトンはバッグやキーケースなど基本の型番というものがございます。定番のものだと”スピーディー”などのハンドバッグや”アルマ””キーポル”などがありますね。ルイ・ヴィトンでは定番モデルの型に”素材”(エピやモノグラム)を増やしていくような流れが多くみられます。期間限定の商品はたくさんありますが、そのどれもが基本の形をどこかに残したデザインになっているのもルイ・ヴィトンの面白いところです。では、ルイ・ヴィトンのエピライン「キーケース ミュルティクレ 6」の修理内容をご紹介していきます。
修理リペアの実例概要
こちらが修理でお預かりしたルイ・ヴィトンのキーケースです。外側よりも中の収納部分の方が劣化していることがわかりますね。全体的な色剥げに加えてドッドボタンの跡が革にくっきりと付いてしまってますね。グレインレザーの縁も欠けてしまっているところが目立ちます。はじめにお話したようにルイ・ヴィトンのエピレザーの素材は上質で耐久性のあるグレインレザーで牛の本革になります。しかし、耐久性のある革といっても革である以上劣化は避けられません。ルイ・ヴィトンに限らず、キーケースは使用する機会も多いことや鍵という金属を保管するということもあり大変傷がつきやすく劣化しやすい革製品のひとつです。大切な鍵を守るということではとても大事な役割があるキーケースですが、ルイ・ヴィトンの修理を多くご依頼頂くREPAIR-SHOP HIRAISHIYAでも財布やキーケースなどは修理のご依頼は比較的多い印象です。こちらのルイ・ヴィトンのキーケースは幸いにも金具部分には破損は見られませんでした。それでは、REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでご提案する修理内容についてご紹介していきましょう。
今回の修理内容は金具部分には修理の必要がなかったためクリーニングと染め直し修理をご提案させていただきました。今回は染め直し修理のため、まずクリーニング(クレンジング)をしていきます。そのため、染め直し修理のみといったご依頼はいただくことが出来ません。染め直し修理とクリーニングはセットで行う必要がございますのでご了承ください。クリーニング(クレンジング)というのは汚れを落とし、表面のコーティングを剥がすことで革の上に塗装がされているだけの状態に戻していきます。この工程でコーティングが落としきれていないとその後の塗装加工の際の仕上がりに影響してしまうため、慎重にコーティングまで落としていきます。コーティングを落とすことが出来たら本来の色を確認して修理箇所に染める色を作っていきます。もし、色褪せている部分の色に合わせて調合してしまえば出来上がりはお客様の求めるものとは変わってしまいます。この色作りは修理後の仕上がりに関わる最も重要な工程といえるでしょう。今回の染め直し修理は黒から黒といったものですが、ひとつに黒と言っても黒にも種類があり約300種類以上あるとも言われていますので調合を慎重に行いました。
3枚目と4枚目の写真が染め直し修理が完成した画像です。染め直し修理前の状態と比べていかがでしょうか。染めたことが分からないくらい自然に仕上げることができました。今回のような染め直し修理ですが、実はルイ・ヴィトンの正規店では染め修理全般を行っていないため染め修理をしたい場合には当REPAIR-SHOP HIRAISHIYAなど修理専門店へご依頼する方法しかございません。ルイ・ヴィトン正規店であれば同じ色を安易に用意することができそうなものですが、正規店では染め直し修理をしてくれないのが現状です。そのため、染め直し修理を修理専門店へ依頼する際にはルイ・ヴィトンを多く修理した経歴のある修理専門店へ依頼するのがおすすめです。REPAIR-SHOP HIRAISHIYAではルイ・ヴィトンの修理を数多くご依頼を頂いております。ひとつにルイ・ヴィトンといっても使い方の癖などで状態は変わってきます。またシーズンごとに新作を世に出すルイ・ヴィトンでは商品の移り変わりがとても早い特徴がございます。その辺の見極めに関しては専門的なスタッフがおりますので安心してお任せいただければと思います。