ルイヴィトン修理に使われる部品について

2024.08.19

皆さんこんにちは。REPAIRーSHOP HIRAISHIYAです。弊社は福島県二本松市にある、高級ブランドバッグ・財布の修理専門店です。

早速ですがお手元のバッグや財布の金具・部品に劣化はありませんか?ボタンやカシメなどの留め具、ファスナーなどの部品はアイテムの使用感や性能に大きく影響を与えます。万が一壊れたり無くしてしまった場合、職人による修理が必要となりますね。ルイヴィトンストアはもちろん、全国各所に革製品を修理してくれるお店がたくさんありますが、果たして交換に使う部品は純正品なのでしょうか?部品修理後も問題なく使い続けることが出来るのでしょうか?

本日は弊社にご相談いただく内容の中でも特に多い「修理時に使用するパーツ」について詳しく解説していきます。現在、修理の依頼先に悩んでいる方のお役に立てれば幸いです。

1.修理対象となる部品の例

まずは、REPAIRーSHOP HIRAISHIYAに多くご相談いただく修理部品について簡単にご紹介していきます。

ルイヴィトンの財布やバッグに多く使用されているファスナーは、修理に関するご相談が非常に多いです。開閉のたび負荷が生じるため摩耗・劣化が激しいためです。ルイヴィトンで使用されているファスナーのほとんどが金属性の為、樹脂製のファスナーと比べて丈夫ではありますが、水に弱いという特徴があります。簡単にかけたり歪んだりはしませんが、ぶつけてキズが出来たり雨風にさらされたりすることでサビてしまいます。

ファスナーのよくあるトラブルとしては以下のようなものがあります。

  • スライダーが途中で止まってしまう
  • 閉めても歯が開いてしまう
  • 引手の紛失
  • まわりの生地を噛んでしまった

一部の部品の交換のみで直る場合もあれば、ファスナ―全体を丸ごと交換が必要となる場合もあります。いくつかの小さなパーツを組み合わせることで成り立っているファスナーは、壊れた部分によって修理の対応が異なるため、料金や修理期間なども個体差があります。

バッグの部品で特に修理依頼が多いのがこの根革です。

根革というのは持ち手(ハンドル)とバッグ本体をつなぐ役割を果たす部品です。1つのハンドルにつき2つ根革がついています。ルイヴィトンで人気の高いアルマなど、持ち手が2つ付いているデザインであれば根革は4つあるという事になります。

根革は非常に負荷のかかりやすい部品の為、バッグ全体の部品の中でも劣化の進行が速い傾向にあります。壊れ方の傾向としてはひび割れ、さらにそこから状態が悪化してちぎれる、というような形になります。1か所がちぎれたことを受け、修理に出される方がほとんどです。この時お客様の多くは壊れた部分のみの修理をご希望されますが、REPAIRーSHOP HIRAISHIYAでは両方の根革の修理をご提案させていただいております。

というのも、1つの根革が壊れてしまったという事は、ほかの根革についても同様にダメージが加わっているという事。実際、お預かりしたバッグを見てみると残りの根革についてもヒビが入っている、或いはわずかにちぎれかけていることが多いです。こうなれば他の根革も近いうちに切れてしまう可能性があるため、まとめての修理の方が効率的です。

もう1つの理由が革の色です。REPAIRーSHOP HIRAISHIYAでの根革交換は、新しいヌメ革を切り出して行います。当然エイジングがないので薄いベージュのような色をしています。修理前のヌメ革と比べればその違いは一目瞭然です。片側のみ修理をしてしまうとエイジングによる色の違いが目立ち、不自然な仕上がりになってしまいます。イメージの統一のためにもまとめての修復をオススメしています。

ルイヴィトンで使用されているスナップボタンにもブランド名が刻印されています。スナップボタンもファスナー同様、開閉時に頻繁に使う部品のため劣化が起こりやすいパーツです。スナップボタンもいくつか種類がありますが、メジャーなのは縫い付けタイプと打ち付けタイプです。

素材もプラスチック製や金属製の物などがありますが、ルイヴィトンで主に使用されているのは金属製のものになります。プラスチックに比べ丈夫ではありますが、当然劣化は生じます。摩擦によって部品が削れたり歪んだりすることで、うまくかみ合わなくなるケースが多いです。凸凹部分がかみ合う事で役割を果たしているので、どちらかが壊れてしまうと閉まらなくなってしまいます。

2.修理に使うのは純正品ではない?

ここからは、実際に修理の時に使用される部品について、ルイヴィトンとREPAIRーSHOP HIRAISHIYAそれぞれの場合に分けて解説をしていきます。

ルイヴィトンストアでは原則純正品を使って修理することが決められています。ここでいう純正品とは「ルイヴィトン」のロゴ或いは名前が刻印された部品のことを指します。現行のモデルはもちろん継続して製品が作られている為、修理用の部品が存在します。廃盤となってしまったモデルについては残っている部品などを使って修理をおこないます。場合によっては海外のルイヴィトンより部品と調達して修理をおこなうこともあります。

REPAIRーSHOP HIRAISHIYAでの修理の場合、基本的には純正品ではなく代替品での修理となります。もともとの部品と似たような形状・色味の部品を使用して修復します。この時使用する部品は、純正品についているルイヴィトンのロゴやブランド名は一切書かれていません。

ファスナーの引手やスナップボタンなど、ブランドロゴ入りの部品はルイヴィトンでしか取り扱っていません。一般の方はもちろん、我々のような修理専門店であってもルイヴィトンから部品を買い付けることはできません。そのため原則REPAIRーSHOP HIRAISHIYAでは代替品での修理となります。

REPAIRーSHOP HIRAISHIYAでの修理は原則、代替品での修理となります。しかし例外として、純正品を使って修理できる場合があります。それが部品が手元にあり、且つ目立つ劣化が見受けられない場合です。先ほどもお話しした通り、純正部品での修理を希望する場合はルイヴィトンストアでの修理が必要となります。しかし、修理に際してもともとの部品が使える状態の場合に限り、REPAIRーSHOP HIRAISHIYAでも純正品(もともとついていた物)を使ってお直しさせていただくことがあります。

3.条件別に疑問を解決

ここでは、純正部品を使った場合や逆に純正部品を使った場合に生じることや、修理に際しての疑問についてお答えしていきます。ぜひ修理を依頼する際にはこちらをご活用ください。

もし仮に、ルイヴィトンストア以外の修理専門店で修理を依頼した(純正部品以外を使った)場合、何か支障はあるのかについてお話をしていきます。

結論から言うと、純正部品以外の部品を使用した場合でも大きさや形が適切であれば、基本的に使用に際して支障をきたすことはありません。

車のタイヤのホイールをイメージしてもらうとわかりやすいでしょうか。ホイールの色が違ったり模様がついていたりするホイールでも大きさがあっていれば付け替えが可能ですし、車の走行にも影響がありませんよね。バッグや財布の部品も同じことがいえます。同じ幅・大きさで部品がきちんとはまっていれば問題なく使うことが出来ます。REPAIRーSHOP HIRAISHIYAでの修理の場合は、素材も出来るかぎり同じものでお直ししています。

ネジであったり、ファスナーの引手だったりの場合、ちょっとした部品のゆるみで外れてしまうことがあります。もし、こういったロゴ入りの部品を無くさずお手元に保管されている場合は、修理依頼時に品物と併せて修理依頼先に持ち込むことをオススメします。部品の状態によっては、外れてしまった部品をそのまま使用して修復が可能な場合があります。

保管状況がよくなかったり、外れてしまった時点で何らかの部品が劣化していたり摩耗していたりすると再利用が困難な場合があります。

純正部品で修復することのメリットは、ブランド価値を維持し続けることが出来る、という点にあります。

ルイヴィトンは、先ほどご紹介したようなファスナーの引手やボタン、根革などにブランドロゴを刻印しています。これらのパーツは本来、もともとの役割をきちんと果たしていれば用途としては問題ないものですが、ブランドロゴがある事によってその部品も「特別な物」「ルイヴィトンの物」という特別感が湧いてきます。細かい部分ではありますが、こういった小さな部品もブランドアイテムとしての価値を大きく左右します。

もう一つのメリットとして、今後も継続してルイヴィトンストアでのサービスを受け続けられるという事が挙げられます。ルイヴィトンストア以外の修理専門店に修理を依頼した場合、その後ルイヴィトンストアでのサービスは受けられなくなってしまうため、依頼の際は注意が必要です。

純正部品で修復することのデメリットとしては、仕上がりまで時間がかかるという点にあります。

序盤でお話しした通り、ルイヴィトンストアでは原則純正部品を使って修復をすることが決まっています。全国あちこちから修理依頼があるため、修理は当然順番待ちとなります。加えて修復用のパーツが国内になければ海外のルイヴィトンより取り寄せての修復となります。依頼のタイミングによっては数カ月待ちとなることが予想されるでしょう。

また、メリットとして挙げたブランド価値の維持についても、将来的な目で見ると注意が必要です。ルイヴィトンは常に新しいデザインが登場しますが、それと同じように廃盤となるモデルも当然ながら存在します。万が一、使用しているアイテムが廃盤になった場合、部品の生産状況によっては修理が断られてしまう場合があります。廃盤になってしまったモデルのパーツは生産自体が止まってしまうため、他のモデルで同じようなパーツを使っていない限り、修復の手段がなくなってしまうのです。

4.まとめ

本日は、ルイヴィトン製品の修理に使われる部品についてのお話をさせていただきました。修理するお品物やお品物の状態によって修理方法も様々なため、それぞれ注意が必要なことがたくさんあります。修理の依頼先によっても対応方法が大きく異なる場合があるため、お客様ご自身が品物の状態を把握し、修理内容としっかり照らし合わせていくことが必要です。

お客様自身の不安やご要望、理想の仕上がりに出来るかぎり寄り添うため、REPAIRーSHOP HIRAISHIYAでは無料カウンセリングを受け付けております。

REPAIRーSHOP HIRAISHIYAでもルイヴィトンをはじめとする数多くのお品物の取り扱い実績がございますが、一つとして同じ品物はありません。本日は修理を中心にお話をさせていただきましたが、REPAIRーSHOP HIRAISHIYAでは内装外装のクリーニングなども承っております。ぜひお手元のお品物について、お困りごとなどございましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。


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