2024/05/22

ルイヴィトン修理リペア

クリーニング

こんにちはREPAIR SHOP HIRAISHIYAが今回ご紹介させて頂くのは「ルイヴィトン LVトレイナーライン MS0222 」です。こちらのルイ・ヴィトンのスニーカーは22年の秋冬に発売された比較的新しいモデルです。ルイ・ヴィトンのトレイナーラインは人気のモデルで現在もルイ・ヴィトンの公式オンラインで現行が発売されております。 デニムと牛革が使われておりメンズライクなブラックとホワイトが高級感のあるスニーカーですね。ルイ・ヴィトンは、1854年にフランスのパリで創業されたブランドです。創業者のルイ・ヴィトンは1821年にフランスのジュラ地方で生まれ、青年期にパリに渡りトランク職人として働き始めたことは有名な話ですね。日本にルイ・ヴィトンが上陸したのは、1978年です。意外にも、自国のフランスで成功したルイ・ヴィトンが初めての世界進出に乗り出した国が日本でした。 1978年のうちに東京・大阪に6店舗出店し、すぐさまファッション界で話題を集め、大流行となったのだそう。しかし、日本進出以前にもおそらく日本人で初めてルイ・ヴィトンを手にした人物がいることをご存知でしょうか?その人物の名前は、後藤象二郎(ごとうしょうじろう)。 土佐藩士として坂本竜馬と共に活躍し、大政奉還実現の一翼を担った人物で、あの近藤勇とも親交があったことが知られています。 1883年、板垣退助と共にフランスに渡り、パリのルイ・ヴィトンで総革張り・110センチの大型トランクを買い求めたことが記録に残されているのです。というのも、ルイ・ヴィトンでは一点ずつ鍵の番号を控えた台帳というものが存在しており、トランクごとの購入日を辿り持ち主を特定することができました。 販売台帳にはすべての注文が集められており、購入日・注文番号・トランク内の製造番号・サイズ・型・仕上げの指示や顧客の氏名など全てが記載されています。 この台帳からは、著名人の氏名や珍しい注文の間にある思い入れを読み解くことができますね。 創業以来の記録がつめられた、このルイ・ヴィトンの台帳は、いまでもパリに保管されているそうです。そんな歴史の深いルイ・ヴィトンですが、今回お預かりしたスニーカーのようなアパレルラインを展開し始めたのは1997年にマーク・ジェイコブスをデザイナーに迎えた頃であり、意外と最近に感じますね。

修理リペアの実例概要

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こちらが、今回お預かりした「ルイ・ヴィトン LVトレイナーライン MS0222 」です。ルイ・ヴィトンの代名詞とも言われるモノグラムがあしらわれたスニーカーですが、実はこのモノグラム部分はデニム生地にモノグラム・パターンのエンボス加工を施したグレインカーフレザーで、さすがルイ・ヴィトンといった造りとなっています。ヴィンテージのバスケットボールシューズから着想を得た精緻な構造とのことで縫い上げるのに7時間もかかるお品物。今回はREPAIRSHOPHIRAISHIYAへクリーニングでご依頼を頂きました。靴はその用途からダメージを受けやすいお品物ですが、一般的なスニーカークリーニングとは異なり注意が必要です。というのも、ルイ・ヴィトンのような高級ブランドの靴に多い異素材同士の掛け合わせにあります。通常一般的に市場に出回っているスニーカーの素材は、主に「布製もしくは皮革製」どちらかが基本です。その他にも綿(コットン)やナイロン、ポリエステル、天然皮革や人工皮革など、さまざまな素材が使用されていますが、ルイ・ヴィトンのような高級ブランドの靴は布製のものに革をかけ合わせたりする”異素材ミックス”を良くデザインします。

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こちらの「ルイ・ヴィトン LVトレイナーライン MS0222 」も例外ではなく、こちらのルイ・ヴィトンのスニーカーも異素材ミックスのお品物でデニム生地にモノグラム・パターンのエンボス加工を施したグレインレザーを使用しています。グレインレザーとは、表面にシボやシワ感のある本革の総称です。グレインは皮の表皮を意味し、皮はなめす前の素材を指します。 本革であるからこそ耐久性に優れており、手入れをすれば寿命は40年ほど持つといわれています。 また、細かい型押しを施すことでシワが目立ちにくく、美しい風合いを長く保ってくれる点も特徴です。そしてグレインレザーを日本では銀付き革といいます。グレインは、皮の表皮のことを指し銀(吟とも書きます)がある革で、対義語は床革になります。床革とは、表皮と反対側の毛羽立った繊維側のことです。この銀、つまりグレインが革の表面となり表情となります。ドレスシューズなどにも使われる水にも強く、丈夫なグレインレザーですがふき取らずに濡らしたまま水分が残っているとカビが繁殖したり変色の原因となります。その点に関してはナイロンなどよりも気を付けないといけないことが多くあります。

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こちらが全工程が完了したルイ・ヴィトンのトレイナーラインです。クリーニング前に比べて全体的に明るい印象になったのではないでしょうか。白と黒をベースにしたこちらのルイ・ヴィトンのスニーカーですが、気をつけた点とすればやはり先ほどご説明したグレインレザーとデニム生地の部分になるかと思います。というのも、レザーだけで構成されているものよりも異素材ミックスで他の素材を使っている場合には部分的にクリーニング方法を変えて行なわないといけないという点がございます。レザーのみであれば極力水分を使わずに専用のクリーナーでクリーニングを行なっていきます。しかし、本体はよごれが目立っておりウェットクリーニングで綺麗にして差し上げたい。という弊社の思いもありレザー以外の部分に関しては基本的にウェットクリーニングでお仕上げします。また、デニム生地と聞くと想像される方もいらっしゃるかと思いますが初めて洗うとき大抵色落ちしませんか?衣類の場合、タグの表記に洗う際には色移り防止のため他の衣類と一緒に洗わないように。とも書いてあるかと思います。今回お預かりしたルイ・ヴィトンのスニーカーも色移りに注意してクリーニングを行ないました。

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こちらはルイ・ヴィトンのトレイナーラインの全工程完了後の正面からのお写真です。デニム生地部分も色移りすることなくクリーニングをすることが出来ました。ルイ・ヴィトンではこのデニム生地を使ったデザイン(特にハンドバッグなど)というのを時折リリースするのですが、専門的ではない方が自己判断で洗ってしまい色落ち、色移りや生地の劣化などを起こしてしまった事例でよくご相談をいただきます。残念ながら、劣化してしまった生地をもとに戻すことは出来ません。ですが、その場合には弊社の熟練の職人による染色修理で補色するなどでリペアの対応は可能ですので、一度弊社へお気軽にご相談ください。最後まで読んでいただきありがとうございました。REPAIR-SHOP HIRAISHIYAではお客様の様々なご要望にお応えできるよう日々研究に努めております。こんな修理がしたい。こんな風にリペアしたいなどのご相談がございましたら公式サイトのお問い合わせフォーム又はお電話にて無料カウンセリングを行っておりますのでぜひご活用くださいませ。お客様のご利用をREPAIRSHOP HIRAISHIYAスタッフ一同お待ちしております。