お財布のクリーニングについて

2023.12.27


皆様、お財布にこだわりはございますでしょうか?
世の中にはお財布として売っているものは買わずに適当な袋やケースをお財布として代用している方もいると聞きますが、こだわりのある方はいくつも買ってシーンによって使い分けることもあるかと思います。人それぞれお財布に対しての熱意はかなりの温度差があるものですが、そこまで気にしていない、という方でも同じお財布を使い続けるうちに汚れが気になってくることもあるのではないでしょうか。
こちらの生地ではREPAIR-SHOP HIRAISHIYAで承っているお財布のクリーニングについてご紹介させていただきます。

そもそもお財布とは、「紙幣や硬貨などの通貨の携帯に用いる袋、又は容器」のことを指します。※携帯端末決済機能等についてはここでは別のものとさせていただきます。

お財布の歴史については以前「お財布の修理について」でも触れさせていただきましたが、その歴史は古いものです。日本では江戸時代に懐紙(懐に入れて持ち歩くために二つ折りの紙のこと)作成の技術が応用されお財布が作られました。紙の財布が作られる以前は穴の開いた硬貨が主流であり、真ん中の穴に紐を通して持ち歩いていました。穴の開いた硬貨は穴銭と呼ばれており、江戸時代では寛永通宝(かんえいつうほう)が代表的です。時代劇でも見られるものですね。


現代ではクレジットカードの普及によってお財布の構造も変化しています。具体的にはカードポケットの数が多くなったり、よりスリムな形になったりしています。なかにはそもそも現金を持たなくなったという方もいらっしゃるかもしれません。

ここ数年で流行している非常に小さいバッグがありますね。パッと見る限りでは携帯端末とハンカチ・ティッシュくらいしか入りそうにないですが、実際そのようにしてサブバッグとして使用されることが多いようです。こちらもキャッシュレス化により小型化しているお財布の影響があるようです。
他にもミニショルダーバッグなどを見てみると、バッグ本体がそのままお財布兼小物の収納として使用できるものもあります。荷物を少なくすることでよりスタイリッシュに見せることができますね。またカラーリングを見ていると鮮やかなものも多く、バッグそのものをコーディネートのアクセントとして取り入れやすくなってきているのではないでしょうか。

キャッシュレス化が進む現代ではだんだんとお財布の役割も減ってきているように感じます。だからこそ様々なデザインやカラーが出され、よりファッションの一部として取り込みたいと思わせるものが出てきているのかもしれませんね。


ルイヴィトンのお財布は非常に多くの形、色、ラインのバリエーションが展開されています。
日本で多く普及しているのはやはり「ジッピーウォレット」でしょうか。REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでもよくリペアの依頼を承ります。「ジッピーウォレット」は長方形の3辺に渡ってファスナーが取り付けられているお財布で、中にはコインケースとお札入れ、カードポケットとその他ポケットで構成されています。ルイヴィトンの長財布はカードポケットが多い印象があります。カードポケットの数はラインによっても異なっていますが、だいたい8個~12個ですね。カード類が多くなりがちな私たちにとっても嬉しい仕様です。

ルイヴィトンの多機能なお財布

~Louis Vuittonのお財布はどこで買っても日本札が入る?~
一度でもLouis Vuittonのお財布を使ったことがある人はわかると思いますが、ルイヴィトンのお財布は日本のお札が入ります! お財布なのだからお札が入るのは当たり前だろうと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は日本のお札は世界的に見ても大きいんです。
具体的にどのくらい違うのかサイズを用意しました。

・日本 円紙幣 76mm×160mm(一万円)
・アメリカ ドル紙幣 66.3mm×156mm(全て同サイズ)
・フランス ユーロ紙幣 77mm×153mm(200ユーロ)

短辺はユーロ紙幣の方が長いため入るかもしれませんが、長辺は円紙幣が一番長いです。海外のノーブランドのお財布を買ったはいいけど日本のお札が入らなかったという話をたまに聞きますね。しかし、ルイヴィトンのお財布は長辺が長い日本の一万円札でもしっかりと収納することが可能です!
日本限定販売のものなどはさらに余裕をもって大きく作られていることもあり、安心して使用できますね。

お財布は日常的に使用すものですから、その分じわじわと汚れがたまっていきます。また、予測できない汚れが付いてしまう可能性もゼロではないですよね。
REPAIR-SHOP HIRAISHIYAではお財布の修理だけでなく、クリーニングも承っております。

お財布のクリーニングには大きく分けて3つの工程があります。それではそれがどのようなものなのかみていってみましょう。


クリーニングの一番最初の工程では「ブラッシング」を行います。
ブラッシングは名前の通りブラシをかける作業です。特に革製品は傷つきやすい繊細なものも多くありますので、馬毛の柔らかいブラシを使用します。これは革表面の細かい塵やホコリを取る役割があります。また、お財布の表面だけでなく内側も念入りにブラッシングを行います。特に内側は塵やホコリの他、細かい紙屑などが入っていることもありますので、小銭入れやカードポケットの奥もしっかりと確認しなければなりません。

実際にブラッシングに使用しているブラシ

しっかりとブラッシングを行った後はいよいよ「洗い」の作業へ移ります。
お財布を洗う際には、まずそれがどのような素材が使用されているのか確認しなければなりません。REPAIR-SHOP HIRAISHIYAでは革が使用されている場合でも基本的には水洗いを行っていますが、その革の種類や状態によっては水洗いができない状況も出てきます。

例えばヌメ革が使用されている場合。
ヌメ革は水に濡れると色が濃くなってしまうという性質を持っています。本来ヌメ革は経年変化によって濃くなっていく(革のエイジング)のが理想的であり、正しい手入れを行っていれば自然とそうなるものなのです。また、突然極端にヌメ革の色が変わるのはお客様にとってもあまり喜ばしいことではないと思います。

例えば色落ちが激しい場合。
これは革製品に限ったことではありませんが、色が付いているものは長く使用していると表面のコーティングが剥がれ、色の層がむき出しになってしまっていることがあります。特に革製品は顔料が使われていることが多く、劣化が激しいものだと濡れた手で触っただけでも色が出てしまうものもあります。

このように、お財布を洗う前には素材や状態の十分な確認が不可欠なのです。

確認後はその素材と状態にあった洗い方を行います。
水洗いができないものは洗剤をつけたタオルで拭き取り、水洗いが大丈夫なものは革専用の洗剤で丸洗いを行います。汚れが酷ければ洗う前に染み抜き剤(こちらも革専用のもの・非常に弱い)を十分につけて洗い流していきます。

~硬貨は汚い?~
お財布の中を見てみると、小銭入れの中が黒っぽく汚れていませんか?
お札入れやカードポケットはそんなに汚れていないのに、小銭入れだけが異様に汚れている……クリーニングを行っているとそういったお財布をよく見かけます。これは硬貨がそれだけ汚いということを如実に表していますよね。
お金は常日頃回っているものですから、新札でない限り自分の手元に来るまでに不特定多数の人が触っています。小銭を使うタイミングは大抵が外出先であり、会計時に手が清潔だとは限りません。例え清潔であったとしても生きている限り多少の油分は分泌されています。それが硬貨に付き汚れとなり、または金属と反応して汚れとなり、他の硬貨と擦れて汚れとなり……。そういった多くの旅をしてきた硬貨を入れておくわけですから小銭入れの中が黒ずんでしまうのも当然と言えるでしょう。

大抵の場合、そんな黒ずみはクリーニングとシミ抜きによって落とすことが可能です!!
気になっていらっしゃる方はぜひREPAIR-SHOP HIRAISHIYAへご相談くださいませ!

洗いが終わったら「乾燥」を行います。
洗剤付きタオルで拭いたものはそのまま風に当てて乾燥をさせ、水洗いをしたものについては乾燥前にしっかりとタオルドライを行います。タオルで吸える分の水分は吸っておかないと、思いもよらぬ症状となる可能性が非常に高いです。
十分に乾燥し湿気が無くなったら完了です!

乾燥をサボったり手を抜いたりしてしまうと水分が残っている箇所に余計なシミができてしまったり、色移りしてしまったりすることもあります。そのため乾燥は最後の仕上げとなる非常に重要な工程と言えるでしょう。

乾燥中のお財布

今回はお財布とそのクリーニングについてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか? 何気なく使っているものでも詳しく掘り下げてみると意外と知らないこともありますよね。
お財布は基本的に自分だけが使用するものですが、中に入れる紙幣・硬貨は皆が触っていたものです。汚れたものを入れておけばお財布も汚れるのは当たり前のことです。小銭が少なくなったタイミングなど、ふとした時に汚れチェックをしてみるのもいいかもしれませんね。

REPAIR-SHOP HIRAISHIYAではクリーニングの他にもリペア・修理も承っております。クリーニングのついでに修理、修理のついでにクリーニング……そのほか染め変えなども承っておりますため、まずはお見積もりだけでもいかがでしょうか?


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