2023/05/28

ルイヴィトン修理リペア

ほつれ修理

今回LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)の修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYA(リペアショップひらいしや)でご紹介させて頂くのはLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)の二つ折り長財布の修理内容です。今回お客様からご依頼のあった二つ折り長財布はLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)の定番人気ラインの”ダミエ”というラインの二つ折り長財布で商品名はおそらく「ポルトフォイユ・ブラザ」です。収納性に優れ、実用的でジャケットのポケットにもスムーズに収まるスリムなデザインとなっておりLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)の公式オンラインショップでも現行で販売されています。この「ポルトフォイユ・ブラザ」が人気の理由としてモノグラムやダミエのいちばんのメリットはその耐久性です。LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のモノグラムやダミエなどに使われている素材は革と思われがちですが実は革ではありません。LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のモノグラムやダミエに使われている素材は「丈夫な綿素材にPVCという合成樹脂をコーティング加工された素材」で、正式名称を「トアル地」と言います。この”トアル地”ですが、”シボ”という革に似せた型押しがあるため革だと思う方も多いかもしれません。トアル地は耐久性が高いため普段使いをする財布などにピッタリの素材なんですね。最近の技術はすごいと思うかもしれませんがLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)がトアル地を開発したのは1959年と意外にも古い歴史のある素材です。デメリットとしては丈夫な素材ですが加水分解が起きてしまうということです。加水分解とは水分と生地が化学反応で分解作用を起こしてしまい、表面がベタつきが起きたり生地が剥がれてしまう現象です。そしてトアル地のような合成皮革素材は、簡単に説明するとプラスチックを薄くしたような素材です。プラスチック素材は同じ場所を何度も繰り返し閉じたり開いたりすると亀裂や割れが生じてしまうのと同じでトアル地も折り目部分は平面部分に比べ強度が弱くなってしまうのが特徴です。加水分解が起こる可能性があるとはいえお手入れをこまめに行わなければならない革の商品とは違い、キズに強いのが特徴な上、頻繁にお手入れする手間も少なく長持ちしやすいことは最大のメリットといえるでしょう。

修理リペアの実例概要

1

こちらがルイ・ヴィトン修理専門店のREPAIR-SHOP HIRAISHIYAでお客様からお預かりしたルイ・ヴィトンの「ポルトフォイユ・ブラザ」です。定番のルイ・ヴィトンのイニシャルをとった”モノグラム”と合わせて人気なのがこの”ダミエ”ラインです。ルイヴィトンのダミエラインは1888年に誕生した歴史のあるデザインです。 フランス語で「市松模様」という意味があり、ベージュとこげ茶色の四角形が交互に配列されています。 シンプルながら存在感のあるデザインは、幅広い年代から愛されており、いまではルイ・ヴィトンを代表するラインの一つです。ルイ・ヴィトンのモノグラムは女性的な雰囲気があるデザインですが、ダミエはシックなデザインで男性にも人気のあるデザインですね。今回ルイ・ヴィトンの修理でお預かりした「ポルトフォイユ・ブラザ」二つ折り長財布を見ていきましょう。お客様からの修理内容のご相談としては折り山部分のトアル地が経年劣化により亀裂が入っておりコバの塗装が剥離してしまっているのがわかります。”コバ”というのは革の裁断面を表す言葉で、漢字で「木端」と書きます。革製品のほとんどはコバを保護する加工されています。

2

修理箇所の内側を見ていきましょう。縫製が解けてしまっているのがわかりますね。ルイ・ヴィトン財布でも財布を長年使用していれば、 このように糸は切れてしまいます。今回のルイ・ヴィトンは症状としてはそこまでひどくないように感じますが、このままの状態使用を続けてしまうと亀裂がひどくなり最悪の場合トアル生地ごとちぎれてしまうので要注意です。今回のルイ・ヴィトン修理内容はこの折り山部分の補強修理です。補修部分のトアル地はエジプト綿にポリ塩化ビニル(以下PVC)を加工し、コーティングした生地です。 エジプト綿は世界三大綿の一つに数えられる高級綿で、PVCは合成樹脂です。合成皮革は頻繁なお手入れが不要であるとメリットがあります。今回の修理ではコバを再度塗装するだけでは長い目を見ると不十分と判断させて頂き、折り目部分に革を重ねて補強する事になりました。補強した部分はワッペンを付けたような仕上がりとなりますので修理跡が目立たないわけではありませんが、オリジナリティがプラスされた自分だけのルイ・ヴィトンにさらに愛着がわくという方もいらっしゃいます。まずはこちらのルイ・ヴィトンの解けた部分を縫い直して修理していきます。

3

ルイ・ヴィトンの財布の修理時には縫い目の穴を増やさないように同じ縫い目に合わせて修理していきます。このような使用している財布は、傷みがあるので修理の作業は手作業で行なっています。ほつれは、糸が擦り切れた長さと同じ長さほどの左右の糸も傷んでいますので、今回のようなルイ・ヴィトンのほつれ縫い修理の場合には、切れた長さの3倍ほどを縫います。また、糸がまばらに残っている部分の糸を全部取り除いてからほつれ縫いをします。縫い目修理が完了しました。縫い直して修理をすることで、財布の他の部分が傷んだり、ほつれの範囲が広がらないようにすることが出来ました。またステッチ(縫い目)の糸は正規品近いお色で修理するので自然な仕上がりとなります。その後はルイ・ヴィトンの補強のために折り山部分に生地を縫い付けていきます。この縫い付ける革は伸縮性の高いものを使用し補強はもちろん、曲げた際の負担をやわらげる役割もあります。反対側も同じように折り山のあて革修理をしていきます。折り山の修理をしたあとは、ルイ・ヴィトン財布のコバ(木端)を他の部分の茶色に合わせてコーティング仕上げになります。コバをしっかり塗装し直すことで高級感も出るのでおすすめです。

4

ルイ・ヴィトンの二つ折り長財布「ポルトフォイユ・ブラザ」の修理がすべて完了いたしました。お預かりしたルイ・ヴィトンは”折り山のあて革修理”をしたことで引き続き長くお使い頂けるようになりました。今回のような折り山の亀裂の原因はほとんどが使用によるトアル地の経年劣化です。トアル地は丈夫というメリットも先程お伝えしましたが、物である以上経年劣化は仕方がありません。お持ちのルイ・ヴィトン製品に亀裂が入っていることを見つけた場合には早めの補修をおすすめいたします。亀裂が入った部分を曲げたり開いたりすると亀裂部分は悪化する一方です。また、ルイ・ヴィトンの正規店であってもトアル地の経年劣化による修理は断られてしまったり、新品を購入したほうが良いくらいの修理料金になることがございます。そんな時は諦めずに弊社のルイ・ヴィトン修理専門店であるREPAIR-SHOP HIRAISHIYAへご相談ください。前述した通りトアル地自体の経年劣化は仕方のないことですが、使用に問題ない程度での修理を希望される場合など部分的な修理もご提案することが可能です。大切なルイ・ヴィトン製品を長くお使い頂けるようぜひお手伝いさせてください。